スクープ この国はいつもこんな感じなんです 痴漢で「検挙」された警視庁の元スゴ腕刑事 知ってて報じなかった新聞・テレビって

2013年07月29日(月) 週刊現代

週刊現代経済の死角

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 高田は元マルイの社員で、脱サラして警視庁に入った変わり種。入庁以降は生安(生活安全部)畑を歩み、姉歯事件での功績も買われて、生安部の参事官(警視長)まで上りつめた。

 話を痴漢に戻そう。

 冒頭で描いたように、高田が東武東上線で捕まったことは間違いない。6月18日のことだった。

 ところが、それから1ヵ月以上経ったいまも、事件は一切報じられていない。これはいったい、どういうことなのか—。

「逮捕されていないからですよ」

 そう明かすのは、ある警視庁幹部だ。

「日本のマスコミはとにかく『逮捕至上主義』。容疑者が逮捕されるときにお祭り騒ぎをするし、いちばん欲しがるのも逮捕情報のリーク(事前提供)です。

 だが今回は、厳密には女子高生に現行犯逮捕されたんだけど、公式には、つまり警視庁の書類上は容疑者は逮捕されていない。現段階ではスピード違反と同じで『検挙』されただけ。

 痴漢容疑で高田が検挙され、捜査されていることを知っているマスコミは数社あるが、逮捕前の捜査段階ですから、記者クラブに加盟している大手マスコミは基本的に報道できない」

 その背景には、長年にわたる捜査当局と記者クラブの密接な関係がある。

 記者クラブは、基本的には当局の発表を報道することが仕事だ。それがいちばん楽だし、間違いがないと思っている。独自取材のように、裏づけを取る必要がないからだ。

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