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■動かないよりは行動したほうがずっといい

 誰でも職場で不満を感じるときがあるし、自分の仕事に情熱を持てない時期が長く続くことさえある。だが、普通の一時的な不満と、自分と仕事との本当のミスマッチを見分けるにはどうすればよいのだろう。次への一歩を踏み出すべき時期が本当にきたとき、それを知るにはどうすればよいか。また、そのとき上手に辞めるにはどうするべきなのだろうか。

 退職はキャリアにマイナスの影響をおよぼしたり、私生活を混乱させたりすることがある。だが、不快な状況にい続けることはもっと悪い事態を招くこともある。「現在の状況に不満を感じているのに行動できないでいる人が大勢いる」。そう指摘するのは、バブソン大学学長で、『Just Start: Take Action, Embrace Uncertainty, Create the Future』の共著者、レオナード・シュレシンジャーだ。動かずにじっとしているほうが往々にして楽なのだ。

 テクノロジー分野の起業家で、『Passion & Purpose: Stories from the Best and Brightest Young Business Leaders』の共著者、ダニエル・グラティは、次のように指摘する。

 「多くの人が自分に合わない仕事に長くとどまりすぎるが、それは企業社会が個人を各自の理想の仕事と組み合わせるようにではなく、人々に今の仕事を続けさせるようにつくられているからだ」

 だが、行動できないままでいてはいけない。本当に退職すべきときかどうかを見極める方法と、その時期がきた際にうまく辞める方法を紹介しよう。

■事態は深刻か、一時的な不満か? 

 まず、今の職場での自分の将来像や日々の活動にわくわく感を持てるかどうかを見極めよう。

 「調子はどうだい、と聞かれたとき、私の通常の返事は『楽しくやってるよ』だが、それは今の仕事が楽しくない日は1日もないという意味ではない」と、シュレシンジャーは言う。一時的な不満ではなく、もっと大きな問題があることを示すサインを、いくつかあげてみよう。

 ・仕事を辞めると心に誓い続けているが、決して辞めない。この偽りの誓いは根本的な問題を示していることが多いと、グラティは言う。

 ・上司の仕事に魅力を感じない。上司の仕事をいずれ自分もやることになると思うと気が重くなる場合には、次の仕事のことを真剣に考える必要がある。「もっと意欲のある同僚にすぐに追い越され、仕事に対してさらに大きな不満足感を持つようになるからだ」と、グラティはアドバイスする。

 ・一貫して十分な成果をあげていない。もっとよい仕事をしようと努力し続けているのに結果が出ない場合には、自分は必要なスキルを備えているかとか、上司や同僚は自分の仕事ぶりを評価しているかといった点を検討すべきときかもしれない。満足できる成果をあげていない人は、不可能な仕事に取り組んでいることがあると、シュレシンジャーは言う。仕事が大変すぎる、駆け引きが難しすぎる、十分な資源を与えられていない、必要なスキルや経験が自分にない、といった場合である。

 これらのサインが1つ以上あることに気づいたら、今の仕事にとどまることの代償は自分にとって妥当か、受け入れられるものかどうかをよく考えよう。それだけの代償――機会ロスや感情的代償を払ってまでとどまる価値はないかもしれない。

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