【小説?】PGバトルロワイアル -BROP- 中盤戦
近未来SFサバイバル
PGバトルロワイアル -ディレクターズカット-
※文字制限等々の関係上、簡略化して流れを良くするために、いろいろ省いたりするので個人的には【小説だろうか?】な認識です。
現在 2日目 午前8時25分
-【残り18名】-
http://p.tl/tJGM
禁止区域 2日目午前8時 より
http://p.tl/xIsq
作品中でカットされた設定や、詳しい内容を知ることができます
PGBRwiki http://www43.atwiki.jp/pgbr-himmel/
選手イラスト:http://urx.nu/2ooE(ああ◆ILC.mHQXwA より贈呈)
いままでの投稿 No.605まで
>>610 >>611 >>612 >>613 >>614
※ある意味即席小説なので、原作と世界観を類似させ、少し引用している部分があります。
※この作品はプロット立てずに書いてます。行き当たりばったりです
※強要されて書くわけじゃないので、必要なくなったら書くのをやめます
Page:[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7]
Re: 【小説?】PGバトルロワイアル -BROP- 中盤戦( No.578 )
閉鎖云々何事ですかー
閉鎖したらこれ続ける意味もなくなるな
そのときは完璧に卒業する
Re: 【小説?】PGバトルロワイアル -BROP- 中盤戦( No.579 )
閉鎖云々と何事ですかー
閉鎖したらこれ続ける意味もなくなるな
そのときは完璧に卒業する
Re: 【小説?】PGバトルロワイアル -BROP- 中盤戦( No.580 )
壁]ω・`)チラッ
Re: 【小説?】PGバトルロワイアル -BROP- 中盤戦( No.581 )
キャー
Re: 【小説?】PGバトルロワイアル -BROP- 中盤戦( No.582 )
キャー!
Re: 【小説?】PGバトルロワイアル -BROP- 中盤戦( No.583 )
つか誰じゃ?
Re: 【小説?】PGバトルロワイアル -BROP- 中盤戦( No.584 )
!
ぼく忘れられてるのか(^p^)久しぶりだししゃーないね
Re: 【小説?】PGバトルロワイアル -BROP- 中盤戦( No.585 )
覚えはあるけど覚えはないー
Re: 【小説?】PGバトルロワイアル -BROP- 中盤戦( No.586 )
どっちらー(^p^)
コテハン多すぎてどの時期だったか覚えてないんすわ…
んー。みけって言ったらわかるかな?
Re: 【小説?】PGバトルロワイアル -BROP- 中盤戦( No.587 )
わかるんだけど、どんなんだったかもう覚えてないのw
Re: 【小説?】PGバトルロワイアル -BROP- 中盤戦( No.588 )
まぁ仕方ないよねwwww
とりあえずお久しぶりでございますw
Re: 【小説?】PGバトルロワイアル -BROP- 中盤戦( No.589 )
へーいwww
そういえば思い出した
Re: 【小説?】PGバトルロワイアル -BROP- 中盤戦( No.590 )
おーww
相変わらず書いてらっしゃるようで
今でも小説スレってたまにあるのねっておもったら見知った名前だったw
Re: 【小説?】PGバトルロワイアル -BROP- 中盤戦( No.591 )
いまはSSブームじゃね
小説と名だけるものはここじゃ書けない
だから小説?なのだ
Re: 【小説?】PGバトルロワイアル -BROP- 中盤戦( No.592 )
なるる
SSかー… 俺には書けないなー…w
Re: 【小説?】PGバトルロワイアル -BROP- 中盤戦( No.593 )
ここでのSSという意味はおかしいとは思うけど
なんで台本小説みたいなのがSSと言われてるのか理解に苦しむ
Re: 【小説?】PGバトルロワイアル -BROP- 中盤戦( No.594 )
せやな
台本はぶっちゃけ好きじゃないからなー… 誰がどう話しているっていう描写してほしいし
台本と小説は違うし混同してほしくないって思いますわ
Re: 【小説?】PGバトルロワイアル -BROP- 中盤戦( No.595 )
こんな掲示板じゃ小説書きにくいし、発展しやすさから言えば仕方ないかもしれんけど
Re: 【小説?】PGバトルロワイアル -BROP- 中盤戦( No.596 )
まぁそうですわなー…
自分も気まぐれで今書いてるやつこっちにも転載してみました
まだ途中までしか移してないけど
Re: 【小説?】PGバトルロワイアル -BROP- 中盤戦( No.597 )
へんたいよくできました
Re: 【小説?】PGバトルロワイアル -BROP- 中盤戦( No.598 )
ポケガイバトロワ小説って他にもあるんですね
Re: 【小説?】PGバトルロワイアル -BROP- 中盤戦( No.599 )
そうですね
Re: 【小説?】PGバトルロワイアル -BROP- 中盤戦( No.600 )
ながれゆくー
Re: 【小説?】PGバトルロワイアル -BROP- 中盤戦( No.601 )
しばらく。
自然消滅しようかと考えたけど、やっぱり心のどこかで申し訳なさがある。曲がりなりにも完結させたい。
そして迎えましょう、静かな幕引きを。
これ終わらせて卒ります。
Re: 【小説?】PGバトルロワイアル -BROP- 中盤戦( No.602 )
わーい
Re: 【小説?】PGバトルロワイアル -BROP- 中盤戦( No.603 )
久々のヒンメルさんだ
しばらく見てないから内容覚えてるかな俺…
Re: 【小説?】PGバトルロワイアル -BROP- 中盤戦( No.604 )
SUVはまっすぐに【坂田】たちのところへと向かってきていた。ついに覚悟を決めるときが来たかと、【坂田】は担いでいたバッグを地面に下ろす。残りは閃光手榴弾……そしてまだ使わずにいたAK47。使い方は昔見た戦争映画の受け売りでしかないが、覚悟を決める。
【坂田】は生唾を飲み込み、静かに様子をうかがう。【安藤】と【白子】は頼りにならないとわかっている。いざとなれば、この二人は捨て置き……。
ついに、あと数十メートルという距離まで接近したとき、SUVがはじかれたように進路を変えた。【坂田】たちが隠れる砂浜の岩陰より、直角に、草原が広がる方へと速度を上げていく。
何事かと【坂田】は【安藤】の端末で確認すると、その先にはもうひとつのペアの存在が確認できた。
【安藤】がほんの少し、岩陰から顔をのぞかせる。
Re: 【小説?】PGバトルロワイアル -BROP- 中盤戦( No.605 )
「あれは……乗ってるのは、ユウジだ。ペアもいたみたいだけど、誰だろう?」
「冗談だろ、あいつかよ……」
「向こうにいるのは女子だ、だれか逃げてる」
「ああ、こりゃ死んだな……」
【ユウジ】は危険だと、誰から見てもわかることだった。頭がいかれているように見えて、実際には頭も切れるし、容赦がない。地元では夜に出歩いていて、片っ端から暴れまくっているという噂もある。【坂田】にとって最もキライだと思うタイプだった。
Re: 【小説?】PGバトルロワイアル -BROP- 中盤戦( No.606 )
相変わらずの酷い投稿制限。
それでもやりますとも。
設定も簡略化はせず、ちゃんと最後まで見せ場作れるように
今から過去アンカーまとめますよー。
Re: 【小説?】PGバトルロワイアル -BROP- 中盤戦( No.607 )
働き者ヒンメル
Re: 【小説?】PGバトルロワイアル -BROP- 中盤戦( No.608 )
応援してるぜー
Re: 【小説?】PGバトルロワイアル -BROP- 中盤戦( No.609 )
Re: 【小説?】PGバトルロワイアル -BROP- 中盤戦( No.610 )
【0.プロローグ】 >>1 >>2 >>3
【1.試合開始】
一日目
午前8時 >>4 >>17 >>18 >>21 >>22 >>24 >>25 >>26 >>27 >>28
午後6時 >>38 >>39 >>40 >>41 >>42 >>43 >>44 >>45 >>47 >>49 >>50 >>51 >>52 >>53 >>54
Re: 【小説?】PGバトルロワイアル -BROP- 中盤戦( No.611 )
午前6時 続き >>55 >>56 >>57 >>58 >>59
>>68 >>69 >>70 >>71 >>72
>>73 >>74 >>77 >>78 >>79
>>83 >>84 >>85 >>86 >>92
>>93 >>94 >>95
Re: 【小説?】PGバトルロワイアル -BROP- 中盤戦( No.612 )
午前7時04分
>>147 >>150
>>151 >>152 >>153 >>154 >>155
>>156 >>157 >>160 >>162 >>202
>>203 >>204
Re: 【小説?】PGバトルロワイアル -BROP- 中盤戦( No.613 )
午後7時46分
>>206 >>209 >>210
>>211 >>212 >>213 >>214 >>215
午後7時59分
>>221 >>222 >>223 >>224 >>226
>>233 >>234 >>235 >>236 >>237
>>254 >>255 >>293 >>294 >>295
>>296
Re: 【小説?】PGバトルロワイアル -BROP- 中盤戦( No.614 )
午後9時
>>349 >>350 >>351 >>352 >>353
>>383 >>385 >>386 >>387 >>388
>>404 >>407 >>410 >>411 >>414
>>415 >>419 >>420 >>421 >>422
>>423 >>424
Re: 【小説?】PGバトルロワイアル -BROP- 中盤戦( No.615 )
2.中盤戦
2日目 午前0時
>>427 >>429 >>431 >>475 >>476 >>477 >>478 >>479
午後0時21分
>>527 >>528 >>533 >>534 >>535 >>536 >>537 >>538 >>539 >>540 >>541 >>542
0時59分
>>549 >>550
午前5時57分
>>551 >>552 >>553 >>577 >>604 >>605 >>619
Re: 【小説?】PGバトルロワイアル -BROP- 中盤戦( No.616 )
面倒な投稿制限と文字制限が無ければ、もっときちんと書けるのにね。
歴代のアホ長文投稿に恨み表す。
Re: 【小説?】PGバトルロワイアル -BROP- 中盤戦( No.617 )
「【安藤】、【白子】……お前たちは別の方に行け」
「き、君はどうするんだい?」
「お前らみたいなどんくさいのといたら、俺まで死にかねないだろ……。俺はひとりで行くよ。後少し時間は残されている。できる限りのことをしてみるつもりだ。こんなこと言うのもおかしいかもしれないが……死ぬなよ」
言うが否や、【坂田】は返答も聞かずに岩陰から飛び出す。目指す先は、あのSUVの跡だった。獲物が餌を狙うとき、そこが一番隙のあるチャンスだ。その獲物をまた上の存在が仕留める。上手く行けばいろいろなことが好転するだろう。それは【坂田】の覚悟次第だった。
砂場を抜けて林へと駆け込む。音はまだ近めだ。おそらく足場の悪さで、あの車もそうスピードは出ていない。動いているところを見ると、まだ彼女達はやられていないだろう。
「さあ、行くぞ……」
バッグからライフルを取り出して手に持つ。覚悟を決めるときだった。
Re: 【小説?】PGバトルロワイアル -BROP- 中盤戦( No.618 )
クッキーwwww勘弁してちょ。
Re: 【小説?】PGバトルロワイアル -BROP- 中盤戦( No.619 )
「【安藤】、【白子】……お前たちは別の方に行け」
「き、君はどうするんだい?」
「お前らみたいなどんくさいのといたら、俺まで死にかねないだろ……。俺はひとりで行くよ。後少し時間は残されている。できる限りのことをしてみるつもりだ。こんなこと言うのもおかしいかもしれないが……死ぬなよ」
言うが否や、【坂田】は返答も聞かずに岩陰から飛び出す。目指す先は、あのSUVの跡だった。獲物が餌を狙うとき、そこが一番隙のあるチャンスだ。その獲物をまた上の存在が仕留める。上手く行けばいろいろなことが好転するだろう。それは【坂田】の覚悟次第だった。
砂場を抜けて林へと駆け込む。音はまだ近めだ。おそらく足場の悪さで、あの車もそうスピードは出ていない。動いているところを見ると、まだ彼女達はやられていないだろう。
「さあ、行くぞ……」
バッグからライフルを取り出して手に持つ。覚悟を決めるときだった。
Re: 【小説?】PGバトルロワイアル -BROP- 中盤戦( No.620 )
おお
Re: 【小説?】PGバトルロワイアル -BROP- 中盤戦( No.621 )
2日目 午前6時00分
「こっち来た! くっ……!」
「ど、どうしよう……!」
「逃げるに決まってんでしょ!」
様子をうかがっていた【英菜】が弾かれるようにその場を逃げ出したとき、みさきも同じくその場を後退し始めていた。
【英菜】は【みさき】と共に、遠くから迫ってくるSUVから逃げ始める。その音が聞こえたとき、助けが来たのではないかと一瞬期待したが、そんなことは万に一つもないのだ。ここはバーチャルであり、完全に隔離された場所。彼らに手を優しくさしのべる存在など、いない。
「【英菜】、待って!」
「うっさいわね! あんたが遅いのが悪いのよ!」
どうして、あんな鈍くさそうな子! 【英菜】は後方に迫る危険もさることながら、致命的な【みさき】というパートナーにも焦りを感じていた。状況判断が出来ない、すぐパニックになる、人に指示されると何も出来ない……そのくせ、男子には優しくされるなんて!
徐々に迫り来る音は、着実に彼女達との間を狭めつつある。林の中を抜けた場面で追っ手は諦めるかと予想していたが、いくら木が多いとは言え、車一台は余裕で通れるスペースはたくさんあった。
Re: 【小説?】PGバトルロワイアル -BROP- 中盤戦( No.622 )
「こんなところで……死んでたまるもんですかっ!」
【英菜】は歯を食いしばって、【みさき】に合わせるようにスピードを下げた。もう少し先に行けば木の量も多くなる。そこに逃げ込めば、逃げ込めさえすれば! 何を、犠牲にしてでも!
彼女の顔が、わずかに笑みを浮かべた。
「【英菜】、ありが――きゃあ!」
後ろをふりかえると同時、【英菜】は、彼女の先に足を突き出していた。つんのめりかえって地面へと転がるみさき。しかし、【英菜】は走るのをやめなかった。
高く笑う【英菜】。
「あははははは! どんくさい子! 私が逃げるために死んでよね!」
「【英菜】、待って待ってええええ――!」
絶叫するみさきの声が遮られ、嫌な音が辺りへと響き渡る。――ごめんなさいね、私、あなたのこと昔から嫌いだから。
わずかにだが、SUVの進行速度が遅くなった。あと数メートルと差が縮まっていたが、これならぎりぎり逃げ込める! 負けてたまるものかと、【英菜】はスパートをかけた。
彼女が大木の裏へと飛びこむと同時、SUVはその大木へと正面から突っ込んでいた。激しい音と振動で、【英菜】は足を取られてその場に転げる。
Re: 【小説?】PGバトルロワイアル -BROP- 中盤戦( No.623 )
再び逃げだそうとする【英菜】。しかし……足をくじいたようで、立ち上がるのは困難だった。しかし、SUVの動きは止まっていた。何かがはじけるような音以外……静かだった。中から人が降りてくる様子もない。
「あはは、勝った……。あたしはいつでも勝つのよ、そう、誰にだって!」
SUVに向かって吐き捨てるように【英菜】は叫んだ。
直後――それに呼応するかのように激しく助手席のドアが開き、中から人が転げ落ちる。続いて、運転席からも人が降り立った。
「【るく】……! くうっ……!」
【英菜】は全身に鳥肌が立つのが分かった。男子の中でも、最もとりつく島もない存在……。常ににらみつけるような目は、例えほとんど関わったことがなくても、危険視するほどだった。
いえ、落ち着いて……落ち着いて対処すればいいのよ。私はいつでも勝つんだから。できるだけ【英菜】は笑顔になるように顔を作る。
Re: 【小説?】PGバトルロワイアル -BROP- 中盤戦( No.624 )
「【るく】じゃない……。もっと怖い人かと思っちゃった」
「あん?」
拳銃、M92Fを彼女へと構えながら、【るく】は今気づいたかのように【英菜】へと目を向けた。しかしすぐに、興味が無いかのように目をそらし、助手席から転げ落ちて未だに起きない【福永】のそばへと歩いて行く。
【英菜】はこれ幸いと、言葉を並べた。
「ねえ、その人死んじゃった? ペアいなかったら困るよね? あたしも、さっきペア居なくなっちゃったんだ……。良かったら――」
「うっせえよ・少し黙ってろ、クズ」
【るく】のその言葉に、【英菜】は心の中で舌打ちした。もとより簡単に懐柔できるとは思っていなかった。だがまだ、これからだ。
しばらく【福永】の様子を見ていた【るく】だったが、ため息をつきながら首を横へと揺らしたかと思うと、ゆっくりと立ち上がって【英菜】の方へと歩み寄っていた。その手には未だに拳銃が握られてしっかりと彼女の方に向けられている。
これ幸いと、【英菜】は言葉を選びながら、首本のスカーフを何気なく取った。良い具合に豊満な胸付きが、これ見よがしにあらわになる。
Re: 【小説?】PGバトルロワイアル -BROP- 中盤戦( No.625 )
「ま、待って。なんならあたしのこと好きにしていいよ? あたしも気に入られるように頑張るから。後悔はさせないし……きっと――」
「しゃべんねえと気がすまねえのかよ」
「ご、ごめん! 悪気はないの、ただ……」
すたすたと歩み寄った【るく】は、まだ地面から立ち上がれずにいる彼女のすぐ目の前へとしゃがみ込んで、その額に拳銃を突きつけた。
「俺が質問する、お前は答えるだけ。いいな? 他に仲間はいるか?」
「い……居ないわ。本当よ」
「お前の武器はなんだ?」
「……【みさき】に、運ぶのを任せちゃって。さっき一緒に」
疑うようにじっと【英菜】と目を合わせていた【るく】だが、またひとつため息をついて、ゆっくりと拳銃を額から外しながら、立ち上がろうとした。
Re: 【小説?】PGバトルロワイアル -BROP- 中盤戦( No.626 )
その瞬間を見逃すことはなかった。【英菜】は腰から包丁を取り出して、立ち上がる前に【るく】へと横から切りつけた。
「――あたしはいつでも勝つ! あんたの負けよ!」
間違いなく一殺のラインだった。……相手が気づいていなければ。
「ちっ……」
【るく】は舌打ちをすると同時、かるくその手をなぎ払った。包丁は掠めすらせずに彼女の手を離れて、草むらの茂みへと消えていく。
身体を硬直させる【英菜】に、【るく】は容赦なく額に一撃――。どっさりと地面へと倒れる【英菜】に、【るく】は吐き捨てる。
「おいクソ女、俺の負けでいいさ。俺は好きなようにお前をやっちまったし……」
やれやれと呟きながら、【るく】はゆっくりと立ち上がった。同時に、拳銃を持った右手がはじけ飛ぶ。何が起こったのかと、手の中から拳銃が消えた右手をかばいながら、【るく】は体勢を低くして辺りをさっと見回した。
Re: 【小説?】PGバトルロワイアル -BROP- 中盤戦( No.627 )
これといって見当たる影はなかったが、方向的にSUVの裏手だ。車と大木の影……しっかりと見定めておけば、これが【るく】にとって盾にもなる。次の不意打ちは、出来ない。
しばらくして、SUVの影から姿を見せたのは、【坂田】だった。ライフル、AK47をしっかりと構え、緊張の表情を浮かべながら、ゆっくりと一歩一歩、【るく】へと近寄ってくる。
その姿を捉えた【るく】は、思わず笑みを浮かべていた。女さえ目を向けず、ひたすらに自分が獲物を狩るときを狙っていたのか。こいつは先見性がある、間違いない。惜しいなあ、こんなところじゃなかったらきっと、いい友達になれたろうに……。
10メートルほど離れたところで、【坂田】は立ち止まった。【るく】は両手を軽く挙げながら、【坂田】に言葉を投げかける。
「おい――お前、いい面してんじゃねえか。他のやつみたいに生っちょろい考えしてねえ。……やる気だな?」
「当たり前だ、それがルールなんだろ」
「だよなあ? ルールなんだから仕方ない。みんな殺さなきゃな」
「動くな!」
Re: 【小説?】PGバトルロワイアル -BROP- 中盤戦( No.628 )
一歩踏み出そうとした【るく】に、【坂田】は叫んだ。近づけばやられる、そんな気がしてならなかった。この余裕は、本当に何かこの状況で策があるのか、あるいはでたらめか……。とにかく油断してはいけない、一時たりとも。
本来ならさっきの場面で仕留めているはずだった。そうしなければまともに戦うのも危ない相手だと。
ふっ、と鼻を鳴らす【るく】
「さっきの一撃は見事だったな、賞賛に値する。……でも次も上手くいくかな?」
「問題ないさ……」
いますぐにやれば。ぐっと【坂田】は引き金を引いた。
同時に、強く地面を蹴って、【るく】は一気に【坂田】との距離を縮めた。数発が身体に打ち込まれるが、一瞬の痛みと共に消えていく。確実に体力は減っているが、まだ死ぬ段階ではなかった。バーチャルルールならではの特性を活かし、身体を削ってでも【るく】は【坂田】に近づいた。
Re: 【小説?】PGバトルロワイアル -BROP- 中盤戦( No.629 )
距離を詰められれば、もはやライフルは使えなかった。迫る【るく】に、【坂田】はライフルの重みを活かして、たたきつけるように振るった。正面から来た【るく】は、それを両手で受け止めた。間違いなくダメージは通っているはずだったが、まだ彼は動き続けていた。
身体ごとぶつかり、【坂田】をはじき飛ばす。ライフルが手から離れて、【るく】の後方へと落ちた。……もしここで、【るく】がライフルを取るそぶりを見せたとしたら、【坂田】はその場から逃げ出すことが出来ていただろう。しかし【るく】はそれに目も振らず、【坂田】を押し倒してその上へと馬乗りになった。
ぐっと拳を握りしめ、まず一発。そしてもう一発。両拳を交互に【坂田】の顔面へとたたきつける。
「銃なんか必要ねえ、お前はこの拳だけでぶっ殺してやるよ! 光栄に思いな!」
「ふざけ、やがって……!」
「知ってるか、このゲームはなぁ! 拳でも殴り続けりゃ、相手を殺せるんだぜ!」
Re: 【小説?】PGバトルロワイアル -BROP- 中盤戦( No.630 )
体力を削ること。重要なのはそれだけだった。現実では決して死なないような方法でも、このルールの中では体力を削るというルールさえ充たしてしまえばケリはつく。【るく】はよくそれを理解し、そして有効に活用していた。
【坂田】は一方的に殴られる中、この状況を打開できる方法を考えていた。そのとき、【るく】が激しく息を荒げているのが見えた。そして、【るく】が言ったルールを思い返す。……状況は、まだ終わっていなかった。
頃合いを見計らって、【るく】の拳を【坂田】は受け止めた。
「なっ……!」
「お前のおかげでルールを思い出したぜ……。いくらお前が拳を振るっても、それには限界がある。スタミナっていう限界がさ!」
SUVの事故によるダメージに加え、【坂田】に詰め寄るまでのダッシュ、そして連続した攻撃で、【るく】のスタミナゲージは減り、限界を迎えていた。その拳の威力は弱まり、また【坂田】を押さえつける力も残ってはいなかった。
ぐっと力を入れて、【坂田】は【るく】を押しのける。まだ息を荒げたままの【るく】に、今度は【坂田】が馬乗りになった。
Re: 【小説?】PGバトルロワイアル -BROP- 中盤戦( No.631 )
「お前、これを狙ってわざと……!」
「拳だけで殺せるんだってな! 俺にもワンチャンあるってわけだ!」
ぐっと拳を握りしめ、【るく】の顔へ一撃。確かな手応えは、【坂田】に自信を取り戻させた。連続して、【るく】の顔へと拳を叩き入れる。もがく【るく】だったが、彼の拳を防げるだけのスタミナは、もはや残ってはいなかった。
「――く、くそおおおお!」
「俺は負けない、負けないっ!」
渾身の一撃を、【るく】の顔へとたたき込んだ瞬間――【るく】の両腕がだらりと垂れるのが見えた。
SUVでのダメージ、銃撃でのダメージ、ライフルによる打撃のダメージ、そして拳のダメージ……すべてが蓄積した【るく】の体力ゲージは、カラになった。
Re: 【小説?】PGバトルロワイアル -BROP- 中盤戦( No.632 )
「はあ、はあ……やった、やったぞ……」
殴り続けた拳はしばらくの間、開くことが出来なかった。緊張と興奮が入り交じり、【坂田】は頭がふらふらとした。それでも身体にむち打って立ち上がる。【るく】は動くことはなかった。間違いなく、彼を倒したのだった。
ライフルを回収して、SUVへの側へと近寄っていく。そこには未だに目を覚まさない【福永】の姿があった。【坂田】は、息を整えながら、おもむろに彼の胸元のポケットからPDAを取り出し――。
「ここまでやったんだ。……生き残るためだ、たとえ悪魔とだって手を組んでみせる!」
作業を終えた【坂田】は、ちらりとPDAの画面を見た。どうやら丁度、午後8時からの立ち入り禁止エリアの情報が送られてきたようだ……。その内容を見たとき、【坂田】は目を見開き、驚かずにはいられなかった。
A〜E、U〜Yの盾列、1〜5、22〜26という、大幅な追加だった。つまり……三嶋の野郎は、進行が遅いのだと言いたいのだろう……そう【坂田】は思った。
【残り21名】
Re: 【小説?】PGバトルロワイアル -BROP- 中盤戦( No.633 )
クリスマス?
馬鹿野郎去年やっただろ!!なんで何回もやるんだよ!
とりま更新していく
Re: 【小説?】PGバトルロワイアル -BROP- 中盤戦( No.634 )
午前8時00分
PDAが音を発して、新たな立ち入り禁止エリアデータが適用されたことを知らせてきた。【星屑】はPDAで地図を確認しながら、自分たちがだいたいどこにいるのかを予測する。地図情報でいえばおそらく、M−7あたりにいるのだろう。禁止エリアからは確実に離れている。これで安心だった。
前を走る【むった】について行きながら、今度はどこに向かうのかと予測を立てる。最初、いかにもけんか腰の強い【むった】とペアになったとき、【星屑】は乱戦になることを覚悟したものだが、予想外にも彼は冷静だった。それどころか、今まで他のペアに一度も出会ったことすらない。そのおかげで寝不足ということもなく、むしろ昨晩はぐっすりだった。
何を考えているのか話そうとしない【むった】だったが、それを【星屑】もあえて聞こうとはしなかった。関係なかったのだ、【星屑】の考えとは。
Re: 【小説?】PGバトルロワイアル -BROP- 中盤戦( No.635 )
――必ず皆を救ってみせる、そしてヒーローになるのだ。そのためにはこのBROP自体を潰さなければならない。それだけを【星屑】は考えていた。だが具体的な方法は未だに思いつかないまま、時間は経過し続けている。所詮、彼の頭では何の答えも導き出せない。それを認めることすら、否定していた。
しかし、目の前の現状についてはしっかりと見据えることが出来ていた。
「【むった】! スピードを落とそう! スタミナが減ってきている」
「ちっ……」
言われて【むった】はスピードを落とした。【星屑】はわずかに口の端をゆがめる。意外にも【むった】は素直だ……的確なことを許容できるだけの余裕がある。逆に言えば、扱いやすいということでもあった。
また、【むった】の目的である【福永】との接触に関しても、【星屑】にとっては都合がよかった。彼であれば【福永】と仲も良いし、一番相手にしたくない敵とも戦闘が回避できるというもの。そうなれば少しでも、また考える時間が増える。
Re: 【小説?】PGバトルロワイアル -BROP- 中盤戦( No.636 )
やだー見てない間に大幅更新じゃないですかー
Re: 【小説?】PGバトルロワイアル -BROP- 中盤戦( No.637 )
ハヤクオワラナイカナー
って自分が早く書くしかないんですよねぇー
近頃、ヒンメルさんはヒンメルさんを辞めました。
掲示板とか全面的に一度辞めちゃったのよねー
残ってるのはここぐらいです。
暇(ある程度比べれば)になったし、小説終わったらかるい雑談程度にはここにいるかもしれない
Re: 【小説?】PGバトルロワイアル -BROP- 中盤戦( No.638 )
そのまま引退しよう(提案)
Re: 【小説?】PGバトルロワイアル -BROP- 中盤戦( No.639 )
>>638
創作は他で続けるけど、ここはそれでもいいと思うねー
Re: 【小説?】PGバトルロワイアル -BROP- 中盤戦( No.640 )
問題は、三嶋がしびれでも切らせたのか、禁止エリアが一気に拡大したことだった。ほとんどは海の部分とは言え、これまでに比べれば圧倒的に範囲が広く設定され、逆に言えば戦闘エリアが一気に狭まったことになる。今後も同じように、禁止エリアが広く設定されてくることも予想できるし、当然ながら全員が地図の中央付近へと集まってくることも予想出来る。ついに戦闘は避けられないだろう。
生き残るには、やるしかない……。
……本当にそうなのだろうか。星屑はふと疑問に思った。確かに戦いを強いられているのは確かだ。だけど相手を倒すことにどんな意味がある? これで生き残って、俺たちはどんな意味を持つのだろうか。
「おい、星屑。いまさらだがお前……人、殺せるよな?」
「えっ? いや……わからない」
にやっとして振り返ったむったに、星屑は少し戸惑う。殺せるか殺せないかで言えば、この状況だ。殺せるだろう。だが、その意味は……理由は……。
Re: 【小説?】PGバトルロワイアル -BROP- 中盤戦( No.641 )
「難しいこと考えてんのがバレバレなんだよ。もっと簡単に考えろ」
「簡単に、とはどういうことだ?」
「生きること。生き残ること。自分が生きなきゃ、その存在価値など皆無だ」
生きる……。そして存在価値を得る。星屑は目を見開いた。今までの地味で味気ない生活。何の取り柄もない自分。どこかずれたような感覚を持っていた現実。……もしかしたら、俺はこの場所を本当は求めていたのか。こうして、存在の意味が確認できる場所を。
むったは続ける。
「俺も理由なく人なんか殺したくない。だがこれは、ある意味でみんなを救うんだ。そして俺たちが生き残った後、また同じ事が繰り返されないように考えなければならない」
「むった……。そうだな、そうだよな」
「お前はゴミか? それとも存在価値がある人間か?」
「俺はゴミなんかじゃない」
「それで決定だろ」
ニヤニヤとして、そして吐き捨てるようにむったは言った。
内心、むったは笑い転げんばかりだった。理由無く人を殺したくない? そんなのは嘘だ。みんなを救う? そんな気はさらさらない。生き残った後にどうするかなんて考える必要なんて無い。
Re: 【小説?】PGバトルロワイアル -BROP- 中盤戦( No.642 )
単純で、生きる理由なんて考える馬鹿は扱いやすい。なぜ今の現実に目を向けて、それだけで物事を考えられないのか。深い理由なんて考える必要があるのやら……。
むったは、今が、楽しくて楽しくて仕方が無い。出来ればこの目の前にいるゲスすら殺してしまいたい。でも今は……我慢、我慢さ……。殺したときの感覚が素晴らしいものになるように、今の今まで我慢してきたのだから。楽しくしてもらわないと困る。そのためにも、星屑の野郎にはたっぷりと協力してもらわないとな……。
その考えなど知らず、星屑は心の中で決意を秘めていた。生き残る、そして存在する意味を持つ。そうすれば救世主にも、ヒーローにもなれる可能性が広がる。俺の存在意義はそこにある。
「ほら、武器を持てよ。救世主さん……。とにかく敵が近いぜ」
むったは森の中から少し出て、湖沿いの崖の上へと出た。そこから対岸に見える、数人の人影……。ちらほらと建っている小屋のひとつへと入っていった。どうやら、もうすぐ楽しいことを始められそうだ。
Re: 【小説?】PGバトルロワイアル -BROP- 中盤戦( No.643 )
むったと星屑は一気に森の中を南東へと下っていく。星屑にはもう言葉はなかったが、その目は先ほどとは違って何かを決意したような目だった。むったはそれを見て心躍る。
間違いなく、強い爆発力を秘めている。そしてそれが最大まで開花されたとき……俺はこいつを殺すんだ。そうすればきっと、かつて無い快感を得られる!
――むったは少しおかしな人間だった。殺傷、暴力にどこか快感を得る。それは幼い頃から続いてきたことだ。動物を殺すこともあれば、人を殴ることもある。できれば殺してみたいという感覚はあったが、それをやると、わずかな快感を得ることすら制限されかねない。だから我慢してきた。
どうしよう、どうしてみよう。どうしたら俺の欲求を満たせる? それだけをただ、このバトルロワイアルが始まってからというもの、ずっと考え続けてきた。特に、目の前の星屑を妄想の糧として、たとえば首を絞めて殺してみたり、あるいは手足をばらばらにしてみたり、あごを砕いてみたり、頭だけを宙づりにしてみたり……。
Re: 【小説?】PGバトルロワイアル -BROP- 中盤戦( No.644 )
ただ、それは抵抗しない人間ではおもしろくない。動物も、最後まで生きようと抵抗するからこそ、そこに魅力を感じる……。たまらないのだ。人間も、人によってはもっと強い抵抗を感じられるはず。生きる、生きたいという欲求! それを強くみせてほしい。
「ああ……」
むったは性的快感をすでに感じ始めていた。強く、強く勃 起して走りにくくなる。しかし走るスピードは上昇していた。快楽を求めて、むったは一刻も早くと求め続ける。
一番殺してみたいのは、福永ユウジだ。今まで彼の右腕としてずっと側にいたのだが、彼ほど生きることに欲求を持つ人間はいない。彼のことだ、まだ生きているに違いない。そう、俺が殺すまでは生きていてくれよ……?
Re: 【小説?】PGバトルロワイアル -BROP- 中盤戦( No.645 )
あげ
Re: 【小説?】PGバトルロワイアル -BROP- 中盤戦( No.646 )
やるしかない
Re: 【小説?】PGバトルロワイアル -BROP- 中盤戦( No.647 )
いくら自己満だろうが完結はしてくれよ?
未完で終わらせるのは読んだ人間に失礼。期待している読者もたくさんいるんだし。
どれだけかかっても最後尻すぼみだろうと完結させることに意味があるぞ。んなもん言われなくてもわかってるだろうけど
Re: 【小説?】PGバトルロワイアル -BROP- 中盤戦( No.648 )
>>647
就活で忙しいから今はきつい
スマソ
これのために将来は削れない
Re: 【小説?】PGバトルロワイアル -BROP- 中盤戦( No.649 )
>>647
本人は未完で終わらせる気ないし
それ知らずにそんなこというほうが逆に失礼だぞ
ひんめるは忙しいからたまにしか書けないし完結するのか疑問に思っても仕方が無いけど。
でもひんめるは自分が書けるときに書く、完結までの期限はきめてない、っていってるし見てる人もそれは分かってるぞ。
むしろこんなに月日がたってもこれを捨てないで頑張ろうとしている姿勢を応援してやれよ
Re: 【小説?】PGバトルロワイアル -BROP- 中盤戦( No.650 )
人影が見えた小屋から数十メートルの位置までふたりは迫っていた。動きを止めて、じっと様子をうかがいながら、むったは星屑に耳打ちをする。星屑は正面から、むったは裏の方から小屋へと入って挟み撃ちにする。殺せるなら殺す、抵抗してきたらすぐに撤退する。あとはむったに任せればいい、と。
抵抗すらできない人間に興味は無い。そんなものを殺しても、無機物を壊しているのと一緒だ、大した感動は得られない。
むったは、強く抵抗を見せる人間を殺したかった。もう我慢できそうにない。さっきから心臓のあたりがむずかゆくて仕方ないのだ。早く、早くと欲求が止まらない。
「俺は先に裏へと回るからな。音が聞こえたら、お前も正面から……」
「わかった」
すぐに小屋の裏側へと向かうむったの後ろ姿を見て、星屑はどこか奇妙なものを感じていた。冷静さ、というのが少し欠けているようにも見える。先ほどまでと違って動きにむらが多いのだ。歩き方もふらふらしている……。大丈夫なのだろうか。
Re: 【小説?】PGバトルロワイアル -BROP- 中盤戦( No.651 )
14発式の拳銃を構えて、星屑は小屋のドアのすぐ近くで待機する。中からは確かに何かが動いているような音が聞こえていた。相手も警戒しているのか、耳を澄まさなければ聞こえない程度の小さな音だ。
……出来るだろうか。いや、やるしかない。そう決めた。
ドアを蹴り破るような、激しい音が響いた。同時に、星屑も正面のドアを開いて中へと入る。
「動くな!」
拳銃を構えると同時に、動きを止めるふたつの影。風と、ココ……。
風は唖然とした表情をした。
「星屑じゃないか……」
「風……」
拳銃のトリガーにかけた指は、すぐには動かなかった。一日ほどしか経っていないというのに、まるで久しぶりに再会したかのような感覚に、星屑は改めて、自分が今、何をしようとしているのかを痛感する。
数秒間の沈黙の後、風は星屑を睨み付けるように目を細めて言った。
「撃てよ、打つなら今すぐ。じゃないと逃げちまうぞ」
「それでいいのかよ……」
「だったらお前が殺されるか? それが選択なら、俺は構わないけどね」
Re: 【小説?】PGバトルロワイアル -BROP- 中盤戦( No.652 )
まるで星屑を啓発するかのような言葉を並べながら、ゆっくりと腰の後ろに手を回す風に、星屑は警戒して一歩後ずさった。
そのとき、風達の後方、ドアの向こう側から複数の悲鳴と、甲高い笑い声のようなものが響き渡った。
「あーっはははははははは! これだよな、これだよなぁ! お前らみたいな屑にはお似合いだーっての!」
警戒して風とココが飛び退いたとき、古びた扉がぶち破られ、何かが部屋の中へと転がり込んできた。埃が舞う中、風はしっかりと目を懲らすと……それを見て、一瞬だが気分が悪くなった。恨めしげにも風を見つめるその白目に、目を逸らさずにはいられない。
【だだだ】……くそっ! つい数十分前まで会話していたのが嘘であるかのように、それは中身の無い、ただの塊と化していた。
後を追うように、バタフライナイフを手に持ったむったが姿を現す。むったは初めに、拳銃を構えながらも驚きの表情で硬直した星屑と目を合わせた。
ゆっくりと、むったは頭を斜めに傾ける。
Re: 【小説?】PGバトルロワイアル -BROP- 中盤戦( No.653 )
「あれぇ? おかしいなあ、おかしいよなぁ? 銃声は聞こえなかったけどなぁ? 星屑、撃ったよな? 外したのか? それとも弾でも詰まってなかったかぁ? あっははははは!」
叫びながら右足を高く持ち上げ、むったは地面に倒れた【だだだ】の頭を踏みつけた。リアルにも、嫌な音が響く。
「あっはははははは!」
「おいおい、頭でもおかしくなったか、むったさん、むったさんよぉ?」
面白おかしい口調を、、風は真似しながら吐き捨てるように言った。おそらく、扉の向こうにいた一徹も……。
風は追い詰められていることに焦っていた。脱出手段としては、後方に窓がひとつあるが……一度に通れるのはひとり。それに、このままむったを放置しておくのは非常に危険だ。
……仕方ねえなあ。女の子を盾にするわけにもいかないしな。ここは俺のスーパーな頭脳で、なんとかするしかないな。そんな、状況に似つかわしくない前向きな考えと、どこか心躍るような感覚を胸に持ちながら、風は覚悟を決めた。
Re: 【小説?】PGバトルロワイアル -BROP- 中盤戦( No.654 )
背後に回した手で、後ろにいるココにジェスチャーをしながら、むったから少しずつ距離を取るように後ろへと下がる。むったは特に、周りを気にしている様子は無かった。頭でも逝かれたのか、ナイフを振り上げたり、地面に倒れた【だだだ】の頭を再び踏み直したりしている。それとも、星屑が撃つのを待っているのか。
星屑が動くふたりに気づいて拳銃をふたりへと向け直すが、以前としてその引き金が引かれる気配はなかった。
言う必要はなかったが、そんな様子を見て、風は一言言わずにはいられなかった。
「腰抜け――」
「何……!」
「聞こえなかったのか? こ・し・ぬ・け! それで正義ぶってるつもりかよ。誰も救えねえよ、そんなんじゃ」
「どうせ誰も救われないんだ。そんな言葉、意味なんか無いだろ」
「いいや、あるね!」
風はとびっきり、自信たっぷりに言ってみせた。
Re: 【小説?】PGバトルロワイアル -BROP- 中盤戦( No.655 )
「俺はこんな状況だろうが、ココを救って見せるさ。たとえ今だけであろうとも、それに意味が無いだなんて思わねえ。最後に死ぬか生きるかじゃない……俺は今、俺がやりたいことを、やれることをやるだけだ」
「厨二病が……」
「なんだろうと知らないな! 腰抜けのガキより、厨二病の方がよっぽど救われるぜ」
そのとき、とびきり大きな音がして、風と星屑はむったへと顔を向けた。むったはいつの間にか険しい顔をしてふたりを交互に睨み付けていた。ナイフは深々と、壁に突き刺されていた。
まるで諭すかのように、むったはゆっくりと口を動かした。
「おい、星屑、お前の獲物だ、さっさと、やれ、俺は、待ってる」
「くっ……」
「星屑、よく考えろよ。お前がやりたいことを。自分に素直になることをな」
風も星屑へと呼びかけながら、ついに最後の一歩まで下がりおえた。ココの後ろには、すぐ飛び出せるほど近くに窓がある。これならば……。
ココに、そこから飛び出すように合図をすると共に、風はポケットに手を突っ込んだ。動きを見たむったが、ナイフを引き抜き手に取って迫ってくる。
Re: 【小説?】PGバトルロワイアル -BROP- 中盤戦( No.656 )
「お前ええぇぇぇ!」
「くっそおおぉぉ!」
むったと星屑が同時に叫んでいた。初めての拳銃の反動と、決まりきらなかった星屑の意思は、思い切り牽いた引き金からの弾丸を思わぬ方向へと向けさせた。その行く先は、むったが突き出したナイフだった。
砕け散るナイフの刃と、勢いよく吹き出す風が投げた煙幕球。星屑は思わず顔を覆う。辺りは視界が悪くなり、何も見ることができない。
「むった! 風!」
星屑は叫びながら、必死に目を懲らした。煙の向こう側から、ふたりの叫び声が聞こえてくる。
「うごおおおぉぉ! 離せええぇぇぇ!」
「残念だったな、むったぁ! きちんとした刃なら、一刺しで俺の体力は削れただろうさ! だがこれも、このゲームならではのルールだな!」
Re: 【小説?】PGバトルロワイアル -BROP- 中盤戦( No.657 )
窓や壁の隙間から、徐々に煙が抜けていく。その先に見えた影に、星屑は動揺せずにはいられなかった。晴れた煙の先には、羽交い締めにされたむったと、腰にナイフを突き立てられたままの風が、必死にむったを押さえ込んでいた。あまりの状況展開に、星屑は拳銃を構えるも、再びその先を定められず……。
風の声が響く。
「星屑! 俺を撃ってみろ! 俺を殺してみろ! こいつに当たるかもしれないがな!」
それを打ち消すかのように、むったの声も響いた。
「やめろ! 撃つな! 俺に当たるだろ!」
「暴れんな!」
片手を離すと、風は自分の身体から先の折れたナイフを引き抜き、それをむったの横腹へと突き刺した。ほんのわずかにむったの力が弱まり、再び風はむったを抑え直す。
混乱しながら、星屑は歯ぎしりした。
「くそっ、どうしろってんだ!」
「腰抜け。また迷ってんのか? 笑っちまうぜ」
「くそ野郎! 状況考えろ! てめぇ、誰に銃を向けてるかわかってんのか!」
星屑は風に狙いを定めようと銃口を向けるが、むったが暴れるせいで、確実に捉えることができずにいた。
Re: 【小説?】PGバトルロワイアル -BROP- 中盤戦( No.658 )
「……いいか星屑、もう一度言う。お前がやりたいこと、やれることを考えろ!」
「やれることを……」
徐々に、銃口は定まりつつあった。自分に言い聞かせるように、また、風に答えるように星屑は言う。
「俺は、きっと生き残ってみせる。そして誰も悲しませたくない」
「そうか。――がんばれよ」
「おい……なにやってんだ! 星屑うぅぅぅ!」
暴れるむったを、風はもう一度、しっかりと抑え込む。
星屑は一瞬顔を背けた後、しっかりと前を見据えて、引き金を引いた。
銃弾はむったの腹を抜け――そして星屑の身体にまで達した。倒れ込む直前、風は満面の笑みで、星屑に親指を突き上げて見せた。
倒れた二人は、どちらも身体を持ち上げることはなかった。
Re: 【小説?】PGバトルロワイアル -BROP- 中盤戦( No.659 )
風に諭された星屑の選択は、どちらも殺すことだった。それが最も、星屑が選び取った最善の選択肢だった。ゲームの状況を考えれば、ペアを殺すことは不利になるが、むったのような存在を許すことも出来なかった。たとえ互いを殺し合うゲームだとしても、そこに快楽や悦楽だけで相手を殺す人物は必要ない……。
風も死にたかったというわけではないだろう。ただ、いま自分に出来ることを、自分の考えるままに遂行した。それが結果的に死に繋がっただけだ。嬉しいに違いない。でなければ、あんな満足そうな笑みなど……。
厨二病じみた……それでも、その感覚に共感を覚えてしまう星屑もまた、ここで生きることよりも、自分が出来ることをしていこうという意思を見いだしていた。
「終わりましたか?」
「あっ……」
「警戒しないでも大丈夫です、別にかみついたりしませんから」
部屋の入り口から姿を見せるココ。風に促されて窓から飛び出したようだが、そのまま逃げ出すことはなかったようだ。
Re: 【小説?】PGバトルロワイアル -BROP- 中盤戦( No.660 )
「風のペアだったっけ?」
「そうですね、どうやら、死んでしまったみたいですが」
言いながら、ココは風の身体へと近づいて、風の手を、身体の上で組ませた。その行動とは裏腹に、表情にも、言葉にも悲しそうな様子は見られない。
「風のこと、どうでもよかったのか?」
「いいえ。……なんとなく……慣れてしまっているのかもしれません。何度も、何度も、同じような光景を見たような……そんな感覚で……」
「何度も? まさか、これより前のバトルロワイアルでの優勝者とか……?」
「いいえ、違うと思います。……まあ風さんも、『意味の分からないところで死ににいくような性格だから、そのときはごめん』なんて自分で言っていましたから。実際、意味が分かりませんでした」
「俺は……風のことよく知らなかった。でも何となく、分かる気がするんだ、今は」
満足そうに目を閉じている風を見て、星屑は少し涙を浮かべた。それが何に対しての涙なのかは、自分でもよくわからなかった。
【残り18名】
Re: 【小説?】PGバトルロワイアル -BROP- 中盤戦( No.661 )
小説やめてなかったんだ。
カキコの管理人に論破されてから姿消したと思ってた。
Re: 【小説?】PGバトルロワイアル -BROP- 中盤戦( No.662 )
>>661
論破? よくわからんね。
信頼する人以外が何を言おうが気にしないけど。
一部の人だけきちんとした事実を知っていればいいし。
小説を辞める理由には皮一枚すら掠らないw
世界は広いのさー
Re: 【小説?】PGバトルロワイアル -BROP- 中盤戦( No.663 )
そういやポケガイwikiとやらがあるらしいが、俺載ってないw
いやいいんだけどさ
Re: 【小説?】PGバトルロワイアル -BROP- 中盤戦( No.664 )
今やお前やとびうまよりマダラが完全に格上になってしまったな。
Re: 【小説?】PGバトルロワイアル -BROP- 中盤戦( No.665 )
>>664
J・K・ローリングと村上春樹を比べて、どちらが優れているかなんて誰も決められない。
そんな言葉に意味は無いよ。
Re: 【小説?】PGバトルロワイアル -BROP- 中盤戦( No.666 )
あ
Re: 【小説?】PGバトルロワイアル -BROP- 中盤戦( No.667 )
今いろいろ辛い時期なので更新はほとんど出来ないです、すみません。
一応頑張って作ってはいるので勘弁してください……。
http://p.tl/ujAz
ちょっと余談する。特に意味はないんだけど。
個人的に短編は苦手。だから文字数少なくするように考えないといけないポケガイでの投稿はけっこうきつい。
長いのはいくらでも書けるんだけどね……。ポケガイで投稿するなら、短くてすぐに展開していく内容を考えないといけない。
キャラも、実際にいる住人のキャラに対しては愛着がわかなくて、性格とかすぐに忘れてしまう……。オリジナルで参加しているキャラはすごく頭に残るし、愛着がわくんだけど。これは住人小説やってて初めて気づいたこと……。自分が育てたか、他人の子どもかみたいな差に似ていると思う。
もちろん、見せ場をすべてに作るようにしてるのもあるけど。これだけの大人数を一度に動かすようなものはかいたものがないし
まあでもこういうことがわかっただけでも書いて良かったと思ってる。
ちなみに最近バトロワばっかりだけど、個人的には他のは"バトルロワイアル"じゃなくてただの"バトルロイアル"だと認識してる。
Re: 【小説?】PGバトルロワイアル -BROP- 中盤戦( No.668 )
オリキャラは書いていくうちにイメージ固まって勝手に動くようになりそうだけど住人系はそうもいかなさそうだもんな
その人のことあんま知らなくても固有のイメージがあって設定どおりに動かしてると違和感覚える気がする
そう思う、気がするだから本当にそうかは知らない
Re: 【小説?】PGバトルロワイアル -BROP- 中盤戦( No.669 )
あげるy
Re: 【小説?】PGバトルロワイアル -BROP- 中盤戦( No.670 )
、、
Re: 【小説?】PGバトルロワイアル -BROP- 中盤戦( No.671 )
その、・・・あの・・・ふ、風呂はいってくるのでまたあとでかけるわ
Re: 【小説?】PGバトルロワイアル -BROP- 中盤戦( No.672 )
ああ
Re: 【小説?】PGバトルロワイアル -BROP- 中盤戦( No.673 )
か
Re: 【小説?】PGバトルロワイアル -BROP- 中盤戦( No.674 )
一回一回区切らなくてもいいんじゃね
それが癖なら構わないけどそれが理由でモチベ下がるのは本末転倒だし
Re: 【小説?】PGバトルロワイアル -BROP- 中盤戦( No.675 )
ポポンポンポポン
Re: 【小説?】PGバトルロワイアル -BROP- 中盤戦( No.676 )
はよ
Re: 【小説?】PGバトルロワイアル -BROP- 中盤戦( No.677 )
はよかけよ
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