山形新聞 9月18日(水)8時12分配信
尾花沢市職員採用に絡み、加藤国洋市長に賄賂を渡そうとしたとして、県警捜査2課と新庄、尾花沢両署は17日、贈賄(申し込み)の疑いで、同市中島、農業片倉ハナ子容疑者(65)を逮捕した。片倉容疑者は「息子を(採用試験に)合格させるためだった」と供述し、容疑を認めている。
逮捕容疑は2010年10月、同市内で加藤市長に対し、同年実施の同市職員採用試験を受験した息子を採用するよう依頼し、賄賂として現金数百万円を渡そうとした疑い。
県警によると、加藤市長は現金受け取りを拒否し、片倉容疑者は違法な行為だったことを認識していた。片倉容疑者は加藤市長の支援者で、以前から面識があった。
関係者の話では、息子は片倉容疑者の次男。採用試験は同年9月19日に1次、11月7日に2次が行われ、贈賄の申し込みは次男が1次試験を通過した後にあった。次男はその後に採用されたが、県警は贈賄申し込みの影響など採用に至る経緯に不正はなかったとしている。
市によると、次男は翌11年4月の採用後、健康福祉課主事として勤務。新庄市内で今年6月、飲酒後に酒気を帯びた状態で車を運転したとして、道交法違反容疑で摘発され、7月に懲戒免職処分となった。
市長、受け取り拒否
加藤国洋尾花沢市長は17日、山形新聞の取材に対し「(片倉容疑者から)現金を差し出されたことは事実だが、その場ですぐに突き返した」と述べ、贈賄申し込みがあった際、直ちに受け取りを拒否したことを明らかにした。
加藤市長によると、贈賄の申し込みが行われたのは市長の自宅。2010年10月19日、片倉容疑者が1人で訪れた。「よろしくお願いします」と札束が入っていると思われる封筒を差し出し、次男の採用を依頼したという。市長は「ばかなことをするな」と怒鳴り、封筒を開けずに、すぐに突き返した。
片倉容疑者の次男を市職員として採用した経緯について、市長は「この件(贈賄申し込み)とは全く関係ない。優秀な成績で実力があった」と説明。「やましい点は一つもない。捜査には全面的に協力する」と強調した。
山形新聞社
最終更新:9月18日(水)8時12分
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