市議パーティー:大阪の市立高吹奏楽部が演奏 校長が陳謝
毎日新聞 2013年09月18日 15時32分
大阪維新の会の美延映夫(みのべ・てるお)・大阪市議会議長(52)=北区、3期=が先月末に開いた政治資金パーティーに、市立高校の吹奏楽部の顧問教諭と生徒が参加し、演奏していたことが分かった。校長は毎日新聞の取材に対し、「教育の政治的中立性に反すると見られかねず、不適切だった」と陳謝。地方公務員法が定める信用失墜行為などに抵触する可能性もあるといい、市教委が調査を始めた。
パーティーは5月に議長に就任した美延市議の祝賀と資金集めを目的に、8月31日夕、市内のホテルで開かれた。美延市議の後援会が主催し、日本維新の会共同代表の橋下徹市長や維新の国会議員、大阪府議・市議ら約600人が出席した。
市教委や同校によると、吹奏楽部顧問を務める40代の男性教諭が部員の生徒約100人と一緒にパーティーに参加し、「君が代」など2曲を演奏。パーティー券は購入せず、謝礼も受け取らなかったという。
市教委は今月17日、外部の指摘を受けて調査を開始。顧問教諭は「地域の交流会だと思って行った。市議のパーティーだとは知らず、軽率だった」と釈明しているという。調査まで校長には報告していなかった。
美延市議によると、支援者が吹奏楽部の後援会役員で、教諭に演奏を依頼。昨年6月の政治資金パーティーでも演奏したという。美延市議は取材に対し、「吹奏楽部を応援したい気持ちで場を提供したが、教育の政治的中立性への配慮が足りなかった。反省している」と話した。
市教委によると、市立学校の吹奏楽部が公開の式典などで演奏することは問題ないが、今回のパーティーは政治家の私的な会合に当たり、報道陣にも公開されていなかった。市教委の担当者は「演奏は特定の団体への便宜供与にあたる可能性がある。政治的な会合に生徒を利用したと受け取られかねず、不適切だった」と話している。【林由紀子、茶谷亮】