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消費増税対策―何でもありは許されぬ

あまりに節度を欠いているのではないか。来春に予定される消費増税に合わせて、安倍政権が検討中の経済対策のことだ。「国費5兆円超」が当然視され、公共事[記事全文]

国会―いつまで休むつもりか

先が見えない福島第一原発の汚染水漏れやシリア情勢。世の中の動きはめまぐるしいのに、そこだけ時間が止まったような場所がある。国会である。7月の参院選後、議長らを選ぶための[記事全文]

消費増税対策―何でもありは許されぬ

 あまりに節度を欠いているのではないか。

 来春に予定される消費増税に合わせて、安倍政権が検討中の経済対策のことだ。

 「国費5兆円超」が当然視され、公共事業の大幅積み増しから法人税率の引き下げまで、何でもありの様相である。

 消費税率を1%上げると、税収は年に約2・7兆円増える。5%から8%への増税で負担増は8兆円に達する。デフレ脱却への流れが途切れないよう、一定の対策は必要だ。

 しかし、消費増税の目的を忘れてはならない。

 国債の発行、つまり借金に頼る社会保障分野に消費税収をあて、制度の安定・充実と財政再建を目指すのが狙いである。

 増税対策でも、必要性を吟味し、限られた財源を有効に使う姿勢が欠かせない。

 「国内総生産(GDP)の1%分の景気対策が必要」「消費税2%分の対策を打ち、負担増を実質1%に抑える」――。こんな「金額ありき」の発想は、もうやめにしたい。

 必要な対策は何か。

 民間主導の経済成長のカギを握るのは、GDPの6割を占める個人消費の動向だ。

 消費増税の負担が大きい低所得者を中心に一時金を給付し、消費の急激な落ち込みを防ぐ。景気への波及効果が大きい住宅の駆け込み需要とその反動を抑える工夫も必要だろう。

 あわせて、収益が好調な企業が雇用を増やし、賃金を引き上げるよう、仕組みを整える。雇用や賃金を増やした企業の法人税を軽くする制度があり、その適用基準をゆるめたり減税額を増やしたりするのは一案だ。

 企業自体の成長につながる設備投資や研究開発投資を促す税制の拡充も検討したい。

 法人税率そのものの引き下げはどうか。

 安倍政権は、「パンチ不足」と評判が芳しくない成長戦略の目玉にしたい考えのようだ。

 ただ、法人税を納める前提となる黒字の企業は全体の3割程度。なにより、政府の統計によると、法人全体で現金と預金だけで約150兆円をため込んでいると推計されている。

 なぜ企業はおカネを使わないのか。ここにメスを入れないまま法人税率を下げても、企業がますます資金を抱え込むだけになりかねない。

 既存業者を守っているだけの規制を見直し、新たな市場をつくる取り組みは尽くしたのか。財政への影響が大きい法人税率引き下げに飛びつく前に、やるべきことがある。

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国会―いつまで休むつもりか

 先が見えない福島第一原発の汚染水漏れやシリア情勢。世の中の動きはめまぐるしいのに、そこだけ時間が止まったような場所がある。国会である。

 7月の参院選後、議長らを選ぶための臨時国会が6日間だけ開かれた。だが、実質審議は3カ月近く行われていない。

 安倍政権は、臨時国会の召集を10月15日に予定している。10月初めの消費税率引き上げの最終判断、7日からのアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議や環太平洋経済連携協定(TPP)会合など、政権の重要課題や外交に区切りをつけてから国会に臨む考えのようだ。

 汚染水問題はもちろん、国会が急いで取り組むべき課題は多い。そんな悠長なことを言っている場合ではない。

 まずは通常国会の会期末、首相問責決議をめぐる混乱で廃案になった電気事業法改正案などの審議のやり直しがある。安倍首相が明言した再生可能エネルギーの普及のためにも、成立を急ぐべきだ。

 シリア情勢にしても、化学兵器に関する米ロ合意をどう評価するか、日本としてどんな人道支援をしていくのか、質疑を通じて政府の考えを明らかにしていく必要がある。

 国会そのものにかかわる課題も山積だ。司法に抜本的な見直しを求められている選挙制度や国会審議の改革だ。

 首相が自民党の石破幹事長に、衆院議長のもと選挙制度改革の諮問機関の設置を検討するよう指示したのは6月だ。閉会中でも各党の代表者で話し合いができるのに、いまだに進展はない。

 野党は、汚染水問題での閉会中審査にとどまらず、臨時国会の召集要求も検討するという。憲法はいずれかの院の4分の1以上の要求があれば、内閣は国会の召集を決定しなければならないと定めている。野党が要求をためらう理由はない。

 もとより10月15日開会では年内の日程は窮屈だ。衆参のねじれが解消したのをいいことに、賛否が割れる特定秘密保護法案などの審議を駆け足ですまそうと政権が考えているなら本末転倒だ。

 確かに、今月下旬には国連総会もあり、外交日程は目白押しだ。国会審議を理由に、首相らの外遊がいたずらに制約されるのは避けねばならない。そこは、かつて民主党も提案した副大臣らの代理答弁や審議日程の工夫で乗り切れるはずだ。

 「いつまで休んでいるつもりか」という国民の視線は、厳しくなるばかりだ。

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