IS-Guardiano del Neve (Acqua)
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プロローグ2

カツコツ、と靴音を鳴らしながら、腰に長刀を差した一人の少年が豪華な廊下を歩いていく。
彼は一つの扉の前に立ち、ノックをしてから中に入った。

「呼んだか?ネオ・ボンゴレⅠ世(プリーモ)

ニヤリ、と悪戯っ子のような笑みを浮かべて少年――――桐生(キリュウ)宗司(ソウジ)は部屋の主に質問する。
対する茶髪のの少年――――沢田(サワダ)綱吉(ツナヨシ)は苦笑しながら返答する。

「からかわないでよ、桐生君。いつもみたいに『ツナ』で良いって」

そりゃ失礼、と笑いながら返し、桐生は椅子に腰掛けた。

「それで、ツナ。俺に頼みたいことって何だ?」
「その前に、桐生君は『IS』って知ってるかな?」

IS、正式名称『インフィニット・ストラトス』
10数年前に篠ノ之(シノノノ)(タバネ)によって開発されたパワード・スーツのことである。
本来は宇宙空間での活動を想定し、開発されたマルチフォーム・スーツである。
だが、白騎士事件によって圧倒的な性能が証明され、軍事転用が始まり、今ではアラスカ条約によって軍事転用が禁止され、競技種目として活用されている。

もちろんそれは知っている。
いや、『知り過ぎている(・・・・・・・・)』と言っても良い。

「……俺の過去は知ってるだろ、ツナ。篠ノ之束は俺の幼馴染みの姉だぜ?当然知ってるさ」
「だよね。じゃあ、もちろん彼も」

そう言って綱吉は一枚の写真を取り出した。
そこには1人の男性が写っていた。

織斑(オリムラ)一夏(イチカ)。唯一ISを動かせる男って事で今世界を賑わせてる奴で、世界最強の織斑(オリムラ)千冬(チフユ)の弟。
分かってると思うが、俺の幼馴染み」
「彼は今、唯一男性でISを動かせるということで世界中の企業や組織から狙われている。その中にはマフィアもいるかもしれないという情報があるんだ。
それで、念のために桐生君には彼の護衛を頼みたいんだ。彼は第2回のモンド・グロッソで誘拐されたっていう過去もあるし、彼はまだ自分の身を1人で守れるほど強くない。周りにも被害を出すかもしれないしね」
「ストップ。事情は分かったけど、俺は男。一夏の通うIS学園には通えないぜ。それとも、リボーンがやったみたいに消火栓の中にアジトを作って暮らせと?今まで言わなかったが、あれは完全にストーカーだろぶちぇ!?」

突如、桐生の言葉が途切れる。
彼の後頭部に小さな足が叩き込まれたからだ。

「土踏まずに後頭部がジャストフィットしたぞ」
「ぐおぉぉぉぉ!?赤ん坊から成長してる分、昔より威力が段違いィィィィィ!?」

桐生が悶える中、原因となった嘗てのアルコバレーノの一人、リボーンはニヤリと笑う。
呪いが解けて数年が経った今のリボーンはまだ3歳程度。
だが元々世界最強のヒットマンだったので、僅かに成長しただけでも威力は格段に上がっている。

「グダグダ言ってんじゃねえ。お前はISを動かせる適性があることが分かってるから問題ねえぞ」

リボーンの言葉を聞いて、桐生は耳を疑った。
女性であるクローム髑髏などはともかく、自分にISを動かせる適性があるとは思わなかった。

「この頼みを聞くと、今通っている並盛高校から転校してもらう事になるから無理にとはいわない。よく考えてから決めて……」
「やるよ」

即答。

あまりにアッサリとした返答に、頼んだ綱吉の方が驚いた。

「この任務を受ける事ができるのは俺だけだ。他の人間にできないなら、俺がやる。
それに一夏は俺の幼馴染みだ。そいつが狙われてるって分かってるのに見過ごす事はできないさ」

そう言って桐生は首のボンゴレの紋章と鶴の彫刻(・・・・・・・・・・・・)が施されたチョーカーに触れる。

「雪の守護者の使命は『時としてファミリーの嘆きを覆い隠し、時として敵の全てを壊す、冷然の雪吹』。
その使命に則り、必ず全ての敵を討ち、アイツを守護する」



活動報告で主人公の過去話?についての意見を求めています。


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