攻撃練習でGK西村(左)を抜こうとする玉田=トヨタスポーツセンターで(宮崎厚志撮影)
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名古屋グランパスのFW玉田圭司(33)が17日、チームの攻撃に変化を加えることを提言した。前節の清水戦ではボールを支配しながら相手を崩しきれず、リーグ10戦ぶりの敗戦。8日の天皇杯での敗退も含めて連敗となり、好調だった夏場の戦術が研究されていることを痛感した。公式戦3連敗は避けたい次節FC東京戦に向け、エースが停滞する攻撃をバージョンアップさせる。
誰もが「勝てた試合だった」と振り返った清水でのアウェー戦に、進化へのヒントが凝縮されていた。全体的にボールを支配しながら、シュートは相手の半分となるわずか6本。玉田自身もシュート0本に終わった。JFLの長野に敗れた天皇杯も含め、公式戦ここ6試合でわずか1勝。チームが再び停滞期に入ってしまったことは否めない。
6月の中断期間に再整備した攻撃戦術に、対策を練られているのは明らかだ。「天皇杯も負けたし、最近は勝っていない。キャンプでやってきたやり方も、ある程度何試合かこなすと相手に研究される。その中でどうやっていくか考えないと」と玉田。サイドで数的有利をつくれなくなり、中央のケネディの出来がチームの浮沈を左右。だからこそ、エースは変化の必要性を訴えた。
具体的には最終ラインからのビルドアップのやり方を挙げた。「ボール回しにしても、リズムがいつも一定。どこでスピードを上げるのかと、前々から思っていた」。リズムが一定になれば、相手は守りやすい。時折玉田が中盤に下りてきて変化を加えようとするが、今度は前線でフィニッシュに持ち込む仕掛けが乏しくなる。組み立て役と仕留め役の一人二役にも運動量の限界があるだけに、玉田は「なるべく最後で仕事をしたい」とジレンマを感じている。
残り9試合でACL出場権を獲得する3位とは8ポイント差。厳しいが、不可能ではない。「下を向いていてもしょうがない。がんばるよ」と明るく話した玉田が、再び浮上の勢いを取り戻す。 (宮崎厚志)
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