樹脂の成型時収縮については、ひけの項で確認のこと。
巣・気泡の部分を加熱し、溶融する状態を顕微鏡で観察して、巣や気泡が破壊しない場合、内部は真空状態であったと判断できる。
この種の巣や気泡は、ひけの発生原因に非常に近く、樹脂の収縮による空間を、巣や気泡の場合には成型品の内部に持ち込み、ひけの場合は外表面に残したものである。一般的には、ひけが大きい場合には、巣が内部にある可能性が高い。
樹脂の粘度が高い場合には、海綿状態の巣になりやすく、粘度が低い場合は、比較的大きな巣が発生することがある。
巣は厚肉部分、ゲートから遠い部分に発生しやすい。また、金型温度が低いとひけが小さくなり、巣が大きくなる。
巣は樹脂の冷却・固化が遅れる側へかたよって発生しやすく、孔を有する成型品では、厚肉部の孔の壁に近いところに巣が発生しやすい。
その他の気泡、膨れは、樹脂中の水分、揮発分、分解ガス、スクリュ回転による空気巻き込みの場合が多く、これらの気泡は、前述の加熱溶融観察中に破壊する。一般的に、成型品の不特定箇所に発生する。
また、真空気泡でもなく、一定箇所に発生する気泡の多くは、金型のエアベント(Air Vent:エア抜き)が不十分である場合や、金型内での空気巻き込み、ウェルド部での空気封じ込みが原因の場合もあり、それぞれに応じた対策が必要である。
チェックポイント
・厚肉は避けられないか。
・肉厚は均一か、肉厚の急激な変化は避けられないか。
・エアベントを考慮してあるか。
対策
・厚肉を避けてリブ構造にする。
・肉厚の急激な変化を避ける。
・流動末端には必ずエアベントを設けるようにしておく。
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