Updated: Tokyo  2013/09/18 08:01  |  New York  2013/09/17 19:01  |  London  2013/09/18 00:01
 

9月17日の海外株式・債券・為替・商品市場

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  (ブルームバーグ):欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次の通り。

◎NY外為:ドル指数は3日続落、緩和縮小が小幅にとどまるとの観測

ニューヨーク外国為替市場ではドルがユーロに対して続落。ドル指数は3日連続で低下した。この日始まった連邦公開市場委員会(FOMC)について、アナリストらは緩和縮小幅の見通しを下方修正している。

ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト調査の中央値では、月額850億ドルの資産購入プログラムは800億ドルに減額される見通し。減額幅はこれまでの予想より縮小された。ユーロは対ドル、対円で続伸。ドイツの景況感指数が予想を上回ったことが材料。米緩和縮小の影響で新興市場国資産の需要が損なわれるとの見方から、インド・ルピーは2週間ぶりの大幅安。

HSBCホールディングスの為替ストラテジスト、ロバート・リンチ氏は電話取材に対し、「市場は緩和縮小を織り込んでおり、実際には時間の問題だ」と指摘。「当局が量的緩和と金利政策の違いを強調するというのは妥当な予想だ。この点を大いに強調するだろう」と続けた。

主要10通貨に対するドル相場を反映するブルームバーグ米ドル指数 は午後5時現在、前日比0.1%下げて1019.58。

ドルは対ユーロでは0.2%安の1ユーロ=1.3359ドル。対円では0.1%値上がりし、1ドル=99円13銭。ユーロは対円で0.2%高の1ユーロ=132円42銭。

ルピーは3日ぶりに下落。前日比0.8%安の1ドル=63.37ルピー。今月3日以来の大幅安となった。月初からは3.7%の値上がり。インド準備銀行(中央銀行)は20日に政策会合を予定している。

ドイツ景況感指数

ドイツの欧州経済研究センター(ZEW)がまとめた9月の独景況感指数は49.6と、前月の42.0から上昇。2010年4月以来の高水準となった。

みずほ銀行の為替ストラテジスト、シレーン・ハラーリ氏(ニューヨーク在勤)は電話取材に対し、「ドイツの統計がユーロを支えている。ユーロ・キャリーに十分なほど経済統計は安定している」と述べた。

JPモルガンG7ボラティリティ指数は8.99%に低下。4カ月ぶりの低水準となった。年初以降の平均は9.57。

ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミストの予想中央値では、FOMCは今回の会合で月額450億ドルの米国債購入を50億ドル減額して400億ドルにする見通し。6日にまとめた前回調査では米国債の購入を100億ドル減額するとみられていた。住宅ローン担保証券(MBS)購入予想額は月400億ドルで変わらず。

結果待ち

FOMCは金融危機が猛威を振るった2008年12月、フェデラルファンド(FF)金利誘導目標を0-0.25%のレンジに引き下げた。経済と雇用に持続的な回復の兆候が見えるまで、これを維持すると言明している。

みずほのハラーリ氏は「FOMCの結果が出るまでは様子見だ」と述べ、「緩和縮小は金融引き締めと異なり、低金利は続くとのフォーワードガイダンスがあらためて示されるだろう」と続けた。

先進10カ国の通貨で構成されるブルームバーグ相関加重通貨指数によると、ユーロは今年に入り4.7%上げて上昇率首位。ドルは3.3%上昇し、円は11%下げている。

原題:Dollar Declines for Third Day on Fed Tapering PaceSpeculation(抜粋)

◎米国株:S&P500が最高値に接近、マイクロソフトが自社株買い

米株式相場は上昇。S&P500種 株価指数は最高値に接近した。マイクロソフトが400億ドルの自社株買い計画を発表したことが材料視された。連邦公開市場委員会(FOMC)会合がこの日から2日間の日程で始まった。

マイクロソフトは上昇。四半期配当を22%引き上げることも発表した。米食品スーパー2位のセーフウェイは急伸。同社は敵対的買収に対する防衛策としてポイズンピル(毒薬条項)を導入した。一方、北米2位の肥料メーカー、モザイクはカリとリン酸塩の売上高および販売価格の四半期予想を下方修正した。

S&P500種株価指数は前日比0.4%高の1704.76で終了。8月2日に付けた最高値1709.67にあと5ポイント未満に迫った。ダウ工業株30種平均は34.95ドル(0.2%)上げて15529.73ドルで終えた。

ファースト・アメリカン・トラストの最高投資責任者(CIO)、ジェリー・ブラークマン氏は「18日に発表されるFOMCの声明に全ての注目が集まっている。インフレが落ち着いていることを考えれば、予想されるほど積極的な引き締めは必要ない」と述べた。大型の自社株買い計画は「市場に資本を還元し、相場を新たな高値に押し上げる一助になっている」と指摘した。

ブルームバーグがエコノミスト34人を対象に今月実施した調査によると、金融当局による月間の資産購入額は縮小が見込まれている。

CPI

労働省が発表した8月の消費者物価指数(CPI、季節調整済み)は前月比0.1%上昇した。これは3カ月ぶりの低い伸び。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト調査の予想中央値は0.2%上昇だった。米金融当局は景気回復の妨げとなるディスインフレに陥らないよう物価動向を注視するとも表明している。

S&P500種のセクター別では10指数のうち9指数が上昇。工業株や選択的消費株、ハイテク株の上げが目立った。

マイクロソフトは0.4%高。新たな自社株買い計画は今月末に期限を迎える従来の400億ドル規模の計画に替わるもので、期限は設けていない。同社が17日発表した。四半期配当については22%引き上げ、1株当たり28セントとした。

マイクロソフトはスマートフォン(多機能携帯電話)やタブレット端末市場で他社との競争で苦戦しており、戦略の見直しや新たな最高経営責任者(CEO)を模索している。2000年以降、同社を率いているスティーブ・バルマーCEOは先月、後任が見つかり次第、退任する意向を表明した。同社はまた、ノキアの携帯電話機事業を72億ドルで買収することで合意。携帯端末での地歩を築く戦略を打ち出した。

自社株買いは6年ぶりの規模

ビリニー・アソシエーツのデータによると、今年に入って米国で承認された自社株買いは5560億ドルと、6年ぶりの規模に膨らんでいる。同社の13日までのデータでは、年初からの自社株買いの承認額は前年同期から58%増加している。

LPLファイナンシャルの投資ストラテジスト、ジョン・カナリー氏は「この日のニュースは年初からのトレンドを示唆している。企業は低金利を利用して借り入れ、手元資金を潤し、活用している」と語った。「企業は資本の効率を高める方法を模索する必要があり、低成長の環境で利益を生み出さなければならない」と話した。

セーフウェイは11%高と、S&P500種の構成銘柄で上昇率トップ。同社はある投資家が単独で普通株を「大量」に保有しているとして、敵対的買収に対する防衛策を導入した。

S&P住宅建設株指数は0.4%高。KBホームは0.6%、レナーは0.8%それぞれ上げた。

全米ホームビルダー協会(NAHB)とウェルズ・ファーゴが発表した9月の米住宅市場指数は58と、前月(速報値の59から58に修正)から変わらずだった。これは2005年11月以来の高水準。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想の中央値も58だった。同指数で50を下回ると住宅建設業者の多くが現況を「悪い」とみていることを示す。

モザイクは1.2%下落した。

原題:U.S. Stocks Advance on Microsoft Buyback Before FedStatement(抜粋)

◎米国債:10年債利回り月初来の低水準付近-FOMC政策決定控え

米国債市場では10年債が5営業日続伸。低インフレにより、金融当局には債券購入プログラムの縮小で一層の柔軟性が生まれるとの観測が広がっている。10年債の5日続伸は、約1年で最長の連続高。

10年債利回りは月初来の最低に近づいた。労働省が発表した8月の消費者物価指数(CPI、季節調整済み)は前月比0.1%上昇した。これは3カ月ぶりの低い伸び。ブルームバーグ・ニュースが実施したエコノミスト調査では、連邦公開市場委員会(FOMC)は今週の定例会合で債券購入額を現行の毎月850億ドルから800億ドルに縮小する決定を下すものと見込まれている。

大和証券キャピタル・マーケッツ・アメリカの債券部門責任者、レイ・レミー氏(ニューヨーク在勤)は「インフレは、金融当局の目標と比較しあまりに低過ぎる」と指摘。「緩和縮小の規模をより小さくする根拠になるが、縮小がなくなるわけではない。市場は緩和縮小に備えている」と述べた。

ニューヨーク時間午後5時現在、10年債利回り は前日比2ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の2.85%。前日は一時2.78%と、8月30日以来の低水準まで下げた。同年債(表面利率2.5%、2023年8月償還)価格はこの日5/32上げて97。5日続伸は、2012年9月26日を最終日とする8日続伸以降で最長。

低インフレ

10年物インフレ連動債(TIPS、表面利率0.375%、2023年7月償還)の利回りは5bp下げて0.69%。財務省は19日に10年物TIPSの入札(発行額130億ドル)を実施する。

通常の10年債と同年限のTIPSとの利回り格差は3bp拡大し2.17ポイント。

ユナイテッド・ネーションズ・フェデラル・クレジット・ユニオン(ニューヨーク)のクリストファー・サリバン最高投資責任者(CIO)は、「FOMCの決定は、資産購入プログラムの縮小という点では大方市場の予想通りとなりそうだ」と予想。「イールドカーブは今後スティープ化するとみられる。投資家は債券市場から退出しようと、今後数日間は相場上昇の機を捉えようとする可能性が高い」と述べた。

相場予想

JPモルガン・チェースの調査によれば、投資家は今週の米国債相場について上昇を予想している。

前日までの1週間におけるネットロング(買い越し)の比率は8ポイント。9日までの1週間では8ポイントのネットショート(売り越し)だった。  

米国債の上昇を見込んだアウトライトロング(買い持ち)は21%と、前週の15%から上昇。アウトライトショート(売り持ち)は13%と、前週の23%から低下した。ニュートラルは66%(前週62%)に上昇した。

原題:Treasuries Rise Fifth Day as Low Inflation Eases TaperConcern(抜粋)

◎NY金:反落、インフレ鈍化でヘッジ需要減-6日で5日目の下げ

ニューヨーク金先物相場は反落。過去6営業日では5日目の下落となった。米消費者物価指数が市場予想を下回る伸びにとどまったことを背景に、インフレヘッジとしての金投資の妙味が低下した。

米労働省が発表した8月の消費者物価指数(CPI、季節調整済み)は前月比0.1%上昇した。これは3カ月ぶりの低い伸び。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト調査の予想中央値0.2%上昇だった。ブルームバーグがまとめた調査によると、17、18両日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)では月額の債券購入の規模縮小が予想されている。

RJオブライアン・アンド・アソシエーツ(シカゴ)のシニア商品ブローカー、フィル・ストライブル氏は電話インタビューで、「CPIの伸びが市場予想を下回ったため、インフレヘッジとしての金の魅力が薄れた」と指摘。「あす発表される緩和縮小の規模は金価格にとって極めて重要になる」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物12月限は前日比0.6%安の1オンス=1309.40ドルで終了した。

原題:Gold Declines for Fifth Time in Six Days on Slow U.S.Inflation(抜粋)

◎NY原油:4週ぶり安値付近、米緩和縮小観測と供給不安後退で

ニューヨーク原油先物相場は4週ぶり安値付近。シリアの化学兵器放棄を目指す取り組みが進展したことで供給不安が和らいだほか、米金融当局が緩和縮小に踏み切るとの見方で売りが続いている。

ケリー米国務長官は16日、米国がシリアの化学兵器廃棄に向けた枠組みで合意したからといって、アサド大統領への反対姿勢を緩めたわけではないと表明した。この日から2日間の日程で始まった連邦公開市場委員会(FOMC)では、債券購入プログラムの縮小が決まるとみられている。リビアが原油積み出し2港の操業を再開したことも、原油への売りを誘った。

エナジー・アナリティクス・グループのディレクター、トム・フィンロン氏(フロリダ州ジュピター在勤)は「シリアはもはや差し迫った脅威ではなくなったため、価格は下げている」と指摘。「明日発表のFOMC結果が焦点だ。原油価格には下げ余地があり、短期的に104ドルまで下げる可能性もある」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物10月限は前日比1.17ドル(1.10%)安の1バレル=105.42ドルで終了した。終値としては8月22日以来の安値。

原題:Crude Falls to Near Four-Week Low as Syria Risk WanesBefore Fed(抜粋)

◎欧州株:5年ぶり高値から反落-ロイズに売り、政府が保有株売却

17日の欧州株式 相場は下落。指標のストックス欧州600指数は前日付けた5年ぶり高値から反落した。英銀ロイズ・バンキング・グループやドイツのタイヤメーカー、コンチネンタルなど、主要株主が保有株の一部を売却した銘柄の下げが目立った。

ロイズは3.5%安。英政府は保有する同行株のうち32億ポンド相当を売却した。コンチネンタルは3.1%、ガルプ・エネルジアSGPSは2.5%それぞれ下げた。フランスの石油会社トタルは1.3%下落。同社株4%を保有するベルギーの投資会社グループ・ブリュッセル・ランバートによる売却の可能性が報じられ、売り材料となった。

ストックス欧州600指数 は前日比0.5%安の311.95で終了。ブルームバーグがまとめたデータによれば、この日の取引高は30日平均を16%上回った。

KBCアセット・マネジメント(ブリュッセル)で投資運用部門の責任者を務めるダーク・ティールズ氏は、「前日大きく動いたことから、この日の相場反落や投資家がそれを売りの好機と見なすことは至極当然だ」と語った。

この日の西欧市場では、18カ国中14カ国で主要株価指数が下落。独DAX指数と仏CAC40指数はそれぞれ0.2%下げ、英FTSE100指数は0.8%安となった。

原題:European Stocks Drop From a Five-Year Highon Lloyds Stake Sale(抜粋)

◎欧州債:ドイツ債が下落、景況感改善で-イタリア債は上昇

17日の欧州債市場ではドイツ10年債が下落し、利回りは前日付けた2週間ぶり低水準 付近から上昇した。投資家信頼感が3年ぶり高水準となり、域内で最も安全とされる同国債の需要が後退した。

ドイツ2年債は5営業日ぶりに下落。18日には50億ユーロ相当の2年債入札が行われる。一方、イタリア10年債は上昇し、同年限のスペイン国債のパフォーマンスを上回った。9月のユーロ圏景況感指数 が2009年以来の大幅上昇となったことが背景。この日から2日間の日程で始まった米連邦公開市場委員会(FOMC)では、債券購入プログラムの縮小が決まると見込まれている。

ヘッセン・テューリンゲン州立銀行(ヘラバ)の調査アナリスト、ラルフ・ウムラウフ氏(フランクフルト在勤)は、景況感指数は「ドイツの経済活動にとって良い兆候だ」と述べた上で、「しかしながら、FOMCの結果が出るまで取引が手控えられるため、この日の市場の反応は抑えられるはずだ。量的緩和の縮小は債券市場への重しとなるだろう」と続けた。

ロンドン時間午後4時24分現在、ドイツ10年債利回りは前日比4ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の1.97%。16日には1.92%まで下げ、3日以来の最低となった。同国債(表面利率2%、2023年8月償還)価格はこの日、0.33下げ100.23。

ドイツの欧州経済研究センター(ZEW)が発表した9月の独景況感指数は49.6と、前月の42.0から上昇。2010年4月以来の高水準となったほか、ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト37人の予想中央値(45.0)も上回った。また、ユーロ圏の投資家信頼感指数は58.6と、前月の44から改善した。

イタリア10年債利回りは5bp下げ4.40%、同年限のスペイン債利回りは1bp下げ4.41%となった。

英国債市場では10年債が5営業日ぶりに下落。イングランド銀行(英中央銀行)は今月上旬に開いた金融政策委員会(MPC)の議事録を18日に公表する。

ロンドン時間午後4時32分現在、同利回り は6bp上昇し2.94%。11日には3.05%と、2011年7月27日以来の最高に達した。同国債(表面利率2.25%、2023年9月償還)価格はこの日0.51下げ94.05となった。

更新日時: 2013/09/18 06:55 JST

 
 
 
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