明治時代に造られた旧国鉄の万世橋駅(東京都千代田区)が、レトロな商業施設「マーチエキュート神田万世橋」として生まれ変わり、14日の開業初日から家族連れなどでにぎわった。
中央線の御茶ノ水―神田駅間に位置する同駅は1912年(明治45年)に誕生。当時の駅周辺は銀座と並ぶほどにぎわったが、戦時中の43年に利用客の減少で廃止された。トレードマークの赤レンガ造りの高架橋は今も残され、1階に新たに飲食店など10店舗が入ったほか、2階のプラットホームも展望デッキやカフェとしてよみがえった。
午前中には式典が開かれ、JR東日本の出口秀已東京支社長らがテープカットを行い、開業を祝った。
(読売新聞)
旧万世橋駅の遺構を再開発 商業施設がオープン
約100年前に開業した赤れんが造りの旧万世橋駅の遺構を再開発したJR東日本などの商業施設「マーチエキュート神田万世橋」(東京都千代田区)が14日、オープンした。赤れんがの姿を残す高架橋の上に、ガラス張りのカフェと展望デッキが設けられた。中央線の上り下りのレールに挟まれた空間で、すぐそばを通過する電車を眺められ、人気を集めそうだ。
れんがアーチの下には、飲食店や雑貨店など11店舗が入った。開業時に天然石で造られホームにつながる「1912階段」も、約70年ぶりに一般開放。入場待ちの長い列ができた。
埼玉県蕨市の男性(57)は「階段を上ると昔のホームに立ったみたいだった。昔と今のギャップが面白い」とにっこり。JR東日本の開発担当者は「オープンまで長い間待たせたが、鉄道ファンにも地域の人にも楽しんでほしい」と話した。
旧万世橋駅は東京駅の赤れんがと同じく辰野金吾が設計した。1912(明治45)年に中央線ターミナル駅として開業したが、23年の関東大震災で駅舎の大部分が焼失。その後、神田―御茶ノ水の中間駅として利用されたが、乗降客数の減少で43年に廃止された。駅舎の基礎を利用し建てられた交通博物館も、2006年に閉館した。
(日本経済新聞)
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