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2号機 格納容器内の映像公開(3月27日 19:05更新)

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格納容器の底から60センチしか水がたまっていないことが明らかになった東京電力福島第一原子力発電所2号機の格納容器の内部を撮影した映像が公開されました。
しかし、映像からは、損傷箇所の特定につながるような情報は得られず、今後の廃炉作業は難航が予想されます。
福島第一原発の2号機では、格納容器の内部の状況を把握するため、26日、工業用の内視鏡を使った2回目の調査が行われ、容器内の水位が底から60センチしかないことが分かりました。
前回の調査では、内視鏡の長さが足りず、水面が確認できませんでしたが、27日、公開された映像には、内視鏡を容器の貫通部から壁に沿って6メートルほど下に降ろすと、水面が現れました。
水中では水は濁っておらず、白っぽい細かい浮遊物が漂っていましたが、見た目から溶け落ちた燃料ではなく、容器の壁などからはがれ落ちた塗料やさびとみられるということです。
一方、今回、事故後初めて、直接、格納容器内部の放射線量の測定も行い、最大で1時間当たり72.9シーベルト=7万2900ミリシーベルトと非常に高い放射線量を検出し、東京電力は、格納容器に溶け落ちた燃料が影響しているとみています。
福島第一原発の廃炉に向けては、格納容器の損傷か所を特定して修理し、水を満たして溶け落ちた燃料を取り出す計画ですが、今回の調査では損傷箇所の特定につながるような情報は得られませんでした。
容器内の放射線量が高く、水位も予想よりかなり少ないことが分かったことで、今後の廃炉作業は難航が予想されます。

【調査で何が分かったのか】
今回の調査では、これまでコンピュータ解析による推定などに頼っていた、格納容器内の様子が直接観察できたという収穫があった一方で、水位が予想よりかなり低かったことで、容器内に溶け落ちた燃料が十分、水につかっているのか、懸念を示す見方もあり、今後の廃炉に向けて、格納容器内の状態をいかに正確に把握するかが課題になっています。
格納容器内の状態については、これまで温度計や圧力計の値、それにコンピュータ解析などによって推定するしかありませんでしたが、今回、2号機について、格納容器の貫通部から内視鏡を入れて直接、内部の様子を観察することができました。
高い放射線量などによって、鮮明な映像は撮影できませんでしたが、内部の様子が分かり、見た範囲では大きな損傷は見つからないなど、東京電力は一定の収穫があったとしています。
一方で、調査で判明した格納容器内にたまった水の水位は東京電力が予想していた3メートルに比べ、大幅に低い60センチほどしかなく、容器の中の状態をいかに把握できていなかったかを露呈しました。
東京電力は、水温などから「燃料は冷やされていると考えている」としていますが、水位が予想よりかなり低かったことで、容器内に溶け落ちた燃料が十分、水につかっているのか、懸念を示す見方もあります。
内視鏡による調査は、2号機と同じようにメルトダウンした1号機と3号機については、放射線量の高さなどから見通しが立っていません。
今後の廃炉に向けては、格納容器の損傷か所を特定して修理し、水を満たして溶け落ちた燃料を取り出す計画で、格納容器内の状態をいかに正確に把握するかが、重要で大きな課題となっています。

【“毎時数トンの水が漏れる穴か隙間が”】
福島第一原発2号機の格納容器内部の映像について原子炉の構造に詳しいエネルギー総合工学研究所の内藤正則部長は「水位が60センチだったことから、格納容器の破損した部分は、60センチより下に位置していると考えられる。
原子炉を冷やすために注入している水がほとんどたまっていないことから、1時間当たり数トンの水が流れ出ているとみられ、格納容器かその下部にある圧力抑制室に一定の大きさの穴か隙間が開いていると言える」と指摘しています。
そのうえで、溶けた落ちた燃料の状態については「水温がおよそ50度だったことから、燃料は水につかっていると考えられる。
燃料の一部が水面から顔を出しているかもしれないが、水蒸気で冷やされていると思われる」と分析しています。
また格納容器内部で最大で1時間当たりおよそ73シーベルトの放射線量が測定されたことについて「放射線量が水面に近づくにつれて高くなっていることから、水の中に溶け落ちた燃料がたまっていることの証拠だ。
かなり高い放射線量なので今後、内部の作業のために使う機器などの放射線対策にも手間がかかるとみられ、廃炉作業はかなりの困難が予想される」と指摘しています。

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