つい最近、つまり2013年6月20日、東大の山口一という教授が、「人工衛星のデータに基づき」、東大の学問を使って(おそらくコンピューターも)、「冬から春にかけての海氷の動きに注目し、人工衛星のデータをもとに夏の海氷面積」を予想したところ、「最小だった昨夏からさらに約5%減る」となり、朝日新聞の中山由美さんという記者が「温暖化の影響で海氷が解けやすい状態が続いている」と添えている。
中山さんも権威がお好きなのかも知れません。自分で計算のレベルも判らなければ新聞に書いてはいけません。新聞というのは「公器」ですから、私物ではありません。
この時に図は9月11日の予想図が示されていたので、予想は9月11日が中心と思う。北極の氷は9月に最低になるので、9月11日としたのだろう。
それでは、わずか3ヶ月前に東大の教授が予測したのと、現実はどのぐらい違うだろうか。
東大教授「昨年よりさらに5%減る」
現実 「昨年より増加。平年のバラツキの範囲内にはいる」
明らかな間違いである。仮にこれが「学会で計算過程をハッキリして、内的精神的活動(学問としての活動)として発表されたのなら別だが、現実の実効性を持つ形(メディア発表)でなされたので、イタリアの地震予知の判決とおなじように考えると、有罪になる。
山口一教授としては、
1)東大教授として学問的力がなかった(辞任すること)、
2)東大教授の力はこのぐらいだ(東大を廃止すること)、
のどちらかになるだろう。
私の感じは、現在の東大の教授の力はこのぐらいなもので、学問よりワインが好きな人たちの団体である。文科省が「役に立つ研究」というのを打ち出して以来、学問的なウソを言ってもお金が欲しいという人たちにもなった。具体的な人の名前を挙げることもできるけれど、ここでは山口教授だけにしておきたい。
人には取るべき責任がある。まして東大教授という社会的信用を利用し、科学の衣を着て、いい加減なことを発表して日本社会にある種の空気を作った。今の環境税もこのようなやり方でねつ造されたものであることを考えると、反日・日本人だろう。
山口教授は東大に呼び掛けて、この際、東大を解散するのがもっとも適切な後始末だ。
(平成25年9月14日)
武田邦彦