http://www.youtube.com/watch?v=dfaPhmFGvt8
今回取り上げたのは、今年6月6日に開催された「第38回全国公害被害者総行動デー」(東京電力・政府合同交渉)の模様を英訳文を付して海外に伝える内容の動画である。
この動画をご覧いただければ、福島県の生産農家の方々が、除染もされず放射能汚染されたままの農地にて、自分自身やその家族が口にすることの憚(はばか)られる農作物を栽培し、これを市場に流通させていることに如何に強い”罪悪感”を抱き、同時に、不誠実極まりない政府(経産省・文科省)の対応に如何に強い”憤り”を感じているかが窺い知れるであろう。
この動画に登場する生産農家の訴えを聞けば、政府が「食べて応援」と称して大々的にキャンペーンを張って福島県産の農作物を全国に流通させているのが生産農家を救うことを目的したものではなく、本来、生産農家に対して政府が100%補償に応じるべきものを、そのツケを国民に”肩代わり”させることを目的としていることが解るであろう。
即ち、フクシマ原発事故の汚染が深刻な生産農家はいつまで経ってもマトモな補償がなされないがために汚染された農地にて汚染した農作物をその意に反して栽培し、政府は「被災地を応援したい」という国民の素直な気持ちを逆手にとって、本来、政府・東電が補償すべき賠償金を国民にツケ回しているのである。
否、カネの問題のみならず、カネを肩代わりさせた上に、善意の国民を無用に内部被曝させるという”非人道的行為”を平然とおこなっているのである。
今回取り上げた動画はダイジェスト版であるが、時間のある方は「完全版」をご覧いただければ、”能面ヅラ”でお役所的な無責任発言を繰り返す霞ヶ関官僚どもの”冷血ぶり””極悪非道ぶり”が如実にわかるであろう。
「食べて応援キャンペーン」に無邪気に賛同している方々に対し、批判を承知で敢えて言わせていただくが、あなた方の”応援”しているのは残念ながら、福島県の生産農家ではなく、彼らに多額の賠償金を支払うべき政府・東電である。
そして何より自覚していただきたいのが、善意で福島県産の食材を購入することが、福島県の生産農家の意に反して汚染食材の栽培・流通を促すという”負の連鎖”を助長し、結果として、「国民総内部被曝」を助長している点である。
勿論、”諸悪の元凶”はこうなることを計算ずくで敢えてこれを促している霞ヶ関官僚らであり、バカ政治家連中である。
しかし、「騙す方も騙す方なら騙される方も騙される方」という言葉があるように、騙される方の国民の側ももう少し熟慮が必要であろうというのが個人的見解である。
何故なら、国家権力とはいつの時代もどこでも国民を騙すものであり、国民が覚醒しない限り、その構図は永遠に繰り返されるからである。
小生の能書きはこの辺にして、兎にも角にも同動画をご覧いただきたい。
【動画書き起こし】
(※「話題!ニュース365 動画」より一部抜粋)
http://news365news365.seesaa.net/article/374584437.html
〜前略〜
福島県須賀川村の専業農家の方の発言:
私が住んでいる須賀川村は、昨年、玄米から100べクレを超えるセシウムが出た。
で、除染することになったが、私達は、農地の土壌が何ベクレルか分からずに作業している。
空間線量じゃない。
田んぼの除染作業は、私達農家が作業員になって行っている。
除染の「除」の意味は分かりますか?
私達は、深く耕して、(放射性物質を)薄めているだけ。
取り除いていない。
これじゃあ、線量が下がるわけないでしょ?
田んぼ、除染しました。
空間線量測りました。
全然下がってないですよ。
取り除いてないから。
原発が爆発した当時と2年経っても環境は何も変わっていない。
農業資材も汚染されていれば、使用してはダメと言う指示が出ているが、その資材が、何ベクレルあるか分からない。
で、新しく買いなおしした。
どうしてくれるの?
農家の思いをよく考えてみてください。
私達は作物を生産して、安心安全なものを自分でも食べて、消費者の方にも販売して、そういう収穫の喜びが今はないんです。
(農産物は)福島県のものは、県外のものに比べたら値段が安いです、それを承知しながら作って、損害賠償をもらって、農家に何の活力がありますか?
あと一つ、言っておくことがある。
福島県は、農作物は、出荷前に全部検査しなければならないが、100ベクレル以下なら出荷できる。
でも、私は食べませんよ。
買って食べる人は、放射能ないだろって思って買っている。
どう思いますか?
俺らは、わかっている。
罪の意識がある。
自分は、食わないけど、人に食わせる。
どう思いますか?答えてください。
別の人:
その前に、あと、一つ、関連して、相馬の玉野地区の話をします。
それを含めて答えて。
玉野地区の方:
玉野地区は相馬の西部にあって、飯舘と放射能濃度はほとんど変わらない。
どこも、7マイクロシーベルト/時〜10マイクロシーベルト/時ばかり。
除染はしています。
でも、補償が不十分で、線引きで、救済から漏れている。
きちんと把握して救済していただきたい。
簡易測定器では10ベクレル以下は不検出になる。
α線、β線、γ線も全部測れるものは、高くてなかなか揃えられない。
だから測っているのは、ガンマ線(γ線)だけ、セシウムだけ。
それで測って不検出になるものを、消費者はほんとに信じて食べるのか?
食べないですよ。
分かっているんだから。
あなた、西田さんに聞きたい。
それから、文科省のあなたにも聞きたい。
自分の子供に10ベクレルのものを食べさせますか?
100ベクレル以下だからokよと言われて、すすんで食べさせたいと思いますか?
自分でも食べたいと思いますか?
食べますか?
ああ。犠牲的精神でとても立派。
西田さんは、私たちと同じ年代だからしょうがいない、役目だから、死んで見せようと思うかもしれないが、自分の子供には、食わせたいと思わないでしょ?
放射能とはそういうもんですよ。
須藤さん、自分の子供には食べさせたい、そこに住まわせたいとは思わないでしょ?
これが国家がきちんとやらなかればならないほんとうの問題なんです。
(略)
あなた達は、やっちゃいけないところに踏み込んでいるんです。
誇りはどこへ行った?
自分の子供達は、放射能から遠ざけたいでしょ?
その自分の素直な思いを国政に反映させなさい。
人の命を危険に晒すんだったら、自分もその覚悟を持てよ!
それが人間の誇りだろう。
(以下省略)