中国製食品の安全性が問われる報道が相次ぐなか、ある調査で、中国産の漢方薬に有害物資が多量に含まれていることが明らかとなり物議をかもしている。「自然商品だから安全」というイメージが強い漢方薬だけに、利用者のショックは大きい。
・子どもの漢方薬に有害物質
調査をしたのはスウェーデン食糧庁だ。その結果、牛黄解毒片 (ごおうげどくへん)という漢方薬から、身体に深刻な影響を及ぼす多量の「ヒ素」が検出されたのである。牛黄解毒片は、のどの腫れや痛み、歯痛、皮膚感染症、おたふくかぜ、食欲不振、発熱などに効き目があるとされ、子どものための万能薬として流通している。
・危険レベルの鉛、水銀、ヒ素も検出
また、英国医薬製品規制庁の報告によると、「中国産の漢方薬から、深刻な健康被害をもたらす鉛、水銀、ヒ素が検出された」とのこと。イギリスでは、無許可の漢方薬は認可されていないが、ネット販売などで簡単に手に入ってしまうそうだ。
さらに、生理痛に効く金牌白鳳丸(きんぱいはくほうまる)からは、香港政府が定めた基準の2倍以上に及ぶ「鉛」が検出されたという。そしてそして、毛生え薬からは、基準の11倍もの「水銀」が検出され、どちらもすでに回収されている。
・購入時の注意
この事態に対し、英国医薬製品規制庁のリチャード・ウッドフィールド氏は、「自然商品だからといって安全とは限りません。伝統ハーブ登録システムに登録されている製品か、製品認可番号を確認してから購入してください」と、注意を呼びかけている。
健康のために飲む漢方薬に、有害物質が含まれているなど、絶対にあってはならないことだ。日本のネットでも漢方薬は簡単に購入できるが、その際には生産国や認可されている商品か確認し、十分に注意したほうが良いだろう。
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