大阪市の橋下徹市長は16日、台風18号の影響で大和川に氾濫(はんらん)の恐れがあるとして、住民30万人に避難を勧告した。勧告は4時間余り後に解除されたが、その間、橋下氏は堺市長選の話題を自身のツイッターで連続して投稿した。ツイッターのフォロワー(読者)からは「災害時に不適切」との指摘もあったが、橋下氏は「やることはやっている」と反論した。
大阪市は16日午前7時10分、堺市との境界を流れる大和川の水位が「氾濫危険水位」に達したことなどから周辺住民への避難勧告を検討。午前8時30分、自宅にいた橋下市長の判断で13万1千世帯、29万9千人に避難を勧告した。大阪市の避難勧告は市政史上初めてのことで、約800人が避難した。勧告は午後1時10分に解除された。
橋下氏は午前9時半ごろ「避難勧告を出しました」とツイート。「状況が落ち着くまで、僕も知事も、自宅で役所との連絡」「ゆえにツイッターで堺市長選について述べます」と投稿し、大阪維新の会が公認候補を立てた29日投開票の堺市長選に関して、自身の主張や対立陣営の批判を繰り返した。
その後、「水防組織が活動しているのに選挙活動をしている」などとツイッター上で指摘されると、「こういうことは組織対応するのです」「同時に複数の仕事ができるようにならないと市長などできません」などと反論した。
さらに、堺市長選で争う現職の竹山修身市長が豪雨の現場を視察したことについて、「危機管理時にトップが現場に出るのは吟味が必要。そうでなければ単なるパフォーマンス」「素人の市長が危機が去った後の堤防の状況を見ても、何の対策をしなければならないのか分かるわけがない」と投稿した。