157図は▲飯島栄治五段-△山崎隆之六段(段位はいずれも2005年6月当時、C級1組1回戦)。昇級候補同士が開幕戦で当たった。最終盤を迎えて、残り時間は▲飯島4分、△山崎2時間29分。形勢は先手勝勢だが、残り時間が少なくて勝ちきれるかどうか、というところ。
いまGPSに検討させると、(1)▲2八玉で+1000前後と判定した。(A)△4七金ならば▲5六香、(B)△4七銀成ならば▲4五桂でよく、後手は指しようがない。
実戦では、飯島五段は2分考えて(2)▲5七香。以下△同桂成▲4一銀△3三玉▲2一龍△1一銀(これで先手玉が詰めろになるのをうっかり)▲3一龍△4四玉▲4二馬△4七銀成▲2八玉△2六香(158図)と進んで大逆転。見れば見るほど、先手玉はきれいに捕まっている。実戦は▲2七歩△3七成銀▲同玉△2五桂▲2六玉△3七角(159図)までで後手の勝ち。
掲示板(名人戦棋譜速報)に掲載されている終局後の写真をよく覚えている。
自分が撮った記憶がないので大阪での対局だったか、と推測したら、やはりそうだった。なぜこの一局をよく覚えているのか、ということを書きたかったのだが、それはまたいつか。