アンチコンピュータ戦略(81)

形勢判断はそうだろう。
ネット上では、プロの姿勢としてはどうなのだろう、という声も見られるが、勝負なので、何を言われようと勝ちにいくのもまたプロ、ですかね。

ところで銀杏記者が100万円チャレンジで入玉した際(ルールは24点法ではなく、ざっくり相入玉は引き分け)、将棋記者を続けたければもう投げるべき、と解説の棋士が言っていたが、そういうことを言っているとブーメランになるかもね、とは思った。
引き分け以上なのに投了した銀杏記者は、潔かった。


アンチコンピュータ戦略(80)

しばらく見てないうちに、入玉模様ですね。
人間はこの方針を取れれば、勝率が高い。
ボンクラーズ(現Puella α)が将棋倶楽部24で連戦連勝していたときも、入玉の姿勢を見せられると弱かった。

ところで171図は▲劒持松二七段-△塚田泰明四段戦(1982年6月、早指し選手権予選)。
後手の劒持七段は、いかにもベテランらしい指し回し。
新進気鋭の塚田四段は入玉され、大駒が4枚あっても受けなしで、入玉は望めない。
塚田四段の次の一手は▲5三馬!(172図)

以下△5三同歩で投了。
7二龍の利きが通っても、何も起こらない。
ちょうど256手目だが、256手ルールで審判の裁定が入ったわけではない。
たしかこのとき、持ち駒が駒台に乗らないので下に置いていいか、という旨を劒持七段が言ったので、その声にうながされるように塚田四段が投了した、というような記述を読んだことがある。

それから三十年以上経って、今回の塚田九段の指し回しはベテランらしい・・・というか、コンピュータの立場から見れば、人間はだいたいベテランか。


アンチコンピュータ戦略(79)

▲8三銀△7一飛▲2六角、あまり見たことのない筋だが、指されてみればなるほど。以下△3一飛▲7四銀成と進んで、この後は互いに入玉も視野に入れた戦いか。

類例を調べてみた。
170図は▲東和男七段-△泉正樹六段戦(1996年7月、B級2組)。
以下は▲7九飛△4八角成と進んでいる。


アンチコンピュータ戦略(78)

今アップしようとしたことが、先に書かれてあった。
南流の初出はいつだろうか。

165図は▲島竜王-△南王将戦(1989年1月、王将戦第1局)。

166図は▲南棋王-△羽生前竜王戦(1991年2月、棋王戦第2局)。以下は▲9七同銀△8五歩▲6五歩△7三角▲2五桂△5三銀と進んでいる。

167図は今日の▲Puella α-△塚田九段戦。
蛇足でくどいが一応書くと、不成でいくのがソフトっぽい。
以下は△1三同銀▲2五歩△4五歩▲3七角△8四歩▲1四歩(168図)と進んだ。

▲1四歩は、素人目にはいかにも性急に見える。
代わりに▲5七銀や▲8六銀を考えそうなところだ。
もし塚田九段が銀を渡してからの▲8三銀を誘っているとすれば、それは的確なアンチコンピュータ戦略と思われる。


アンチコンピュータ戦略(77)

第2回 将棋電王戦 第4局 塚田泰明九段 vs Puella α
現状認識@2013年4月(A級リーグ指し手1号)

伊藤さんのストレートな発言を不快に思っている人が多いようだけれど、伝統的に将棋界では、誰かしらそういう敵役がいて、だからこそ盛り上がってきたように思う。
「勝率8割」の予想、今回に至っては、多くの関係者や、熱心なファンの見方とそれほど乖離していないとも思われる。

立会人の神谷七段のトークを聞いているうち、「55年組」の棋譜を並べたくなった。
神谷広志七段-塚田泰明九段の対戦成績を数えてみると、神谷6勝、塚田7勝で拮抗している。

164図は1982年新人王戦、▲塚田四段-△神谷四段(段位はいずれも当時戦)。
塚田四段の▲6二銀が絶妙手。
(1)△同玉、(2)△同金は▲3二飛成、(3)△同飛は▲6六銀で先手優勢となる。
実戦では△6二同金▲3二飛成と進む。GPSの評価は+1000以上の評価で先手よし。
そこから神谷四段は△4一金と粘って、最後は逆転で勝っている。
ありきたりの言葉を使えば、いかにも人間同士の戦いらしい。


アンチコンピュータ戦略(76)

第2回 将棋電王戦 第3局 ?船江恒平五段 vs ツツカナ(ニコニコ生放送)
第2回将棋電王戦(詰将棋メモ)

最初から最後まで、ずっと観ていた。
掛値なしの名局だと思う。
話題の△5五香は、うちのGPSでも示されていた手。
人間には到底思い浮かばない筋だけれど、ソフトは一目なんですね。

ところで163図は▲midnight-pumpkin-△dcsyhi戦(2004年5月、将棋倶楽部24)。
いまふと思い立って、伝説の(1)△3七香(以下▲同金△5八飛で△4九龍と△5五飛成が同時に受からない)をうちのGPSが発見できるかどうか、調べてみた。
GPSの第一感は単に(2)△5八飛で、▲1二歩△同玉▲5七桂で先手よしと判断。
(1)△3七香▲同金△5八飛を示すと、なるほど、そっちの方がいいねと納得していた。


アンチコンピュータ戦略(76)

この日配布されたプレス向け資料には、今後の展開として、先月行われた第二回電王戦でプロ棋士の佐藤慎一・四段を破った将棋ソフト「ponanza(ポナンザ)」と腕相撲で対決する様子をニコニコ生放送で配信すると記載されているが、例によって真偽の程は不明。
虚構新聞

 


GPSfishの設定

WindowsでのGPSfishのインストール方法を尋ねられたので、メモしておきます。

【GPSfishをインストール】
GPSfishのページへ
→「Executable for Microsoft Windows」のリンクをクリック。
→「Windows 32-bit インストーラー」(gpsfish-20121102.1.1-win32.exe)をクリックしてダウンロード。
→ダウンロードした後、ファイルをクリックしてインストール。

※Windows8での動作は未確認だそうです。

【将棋所を設定】
→将棋GUIソフト「将棋所」のページへ。
→「ダウンロード」のリンクをクリック。
→将棋所最新版(現在は2.7.2)をダウンロードして、解凍。
→フォルダ内の「Shogidokoro.exe」をクリックして実行。
→[対局]-[エンジン管理]-[追加]で、GPSfishのインストール先(64bit版のWindows7だとデフォルトはProgram Files(x86))からsmpフォルダ内のgpsfish.exeを選択。「GPSfish0.2.1」が追加される。
→[対局]-[対局]-[エンジン](対局者)で「GPSfish0.2.1」を選択。
→棋譜を残す必要があれば、[対局]-[棋譜自動保存]でチェックを入れておく。

※Windows8で「PCが保護されました」という表示が出て作動しない際には、以下のページが参考になるようです。
http://qa.support.sony.jp/solution/S1209070041490/


アンチコンピュータ戦略(75)

20130330-140729.jpg

14:00 ニコファーレなう。解説場入口に超大物棋士の姿が。壇上に登場されると、コメント殺到でしょうね。今日は登場されないそうです。「100万円、惜しかったですね」と慰めていただきました。恐縮です。

14:25 HEROZの皆さんにお会いした後、会場の片隅で、こっそり将棋ウォーズで一局。Pona2に勝ち。いま記念イベント中で、ランキング上位に入ると、特別なアイコンがもらえるそうです。

14:30 Ponaは86歩を誘っている雰囲気ですね。同歩と取らなければ、手順に87銀型を作られると。

14:50 自分のPCのGPSで後手の手順を少し変え、62銀のままで矢倉を組めば、52角を打つ順を読んできますね。

14:52 序盤で時間を使ったPona、まずまずの展開では。

15:18 はっきりPonaペースに見えてきた。

15:24 77金は人間的にはあまり浮かばない手ですね。Ponaは3手目56歩を指定する以外は、定跡を一切入れなかったとか。

17:05 62銀の辛抱は人間らしいですか。73桂に87金の先逃げはソフトらしい。対して佐藤四段の65桂にはびっくり。前局の習甦の65桂を連想しました。

18:23 飛桂交換で、佐藤四段よしですね。中盤の競り合いを制した感じ。

18:38 83角に対しては、53飛で決まりかと見えたけれど、その切り合いは多少リスクがあるのか。本譜の82飛、74角成は、人間側が相手の主張を少し聞いた感じ。

18:40 ここで54飛、ですか。なんだか紛れそうな。

18:42 熱戦ですね。こういうのを見たかった。

19:00 35歩は味がいいですね。人間よしだとしても、ここから勝てる人間がどれだけ存在するのか・・。

19:08 会場では現場Pona側のモニター画面が見られるのだけれど、何かトラブルがあったような雰囲気。大丈夫かな。

19:10 大丈夫みたいですね。44桂は軽い感じだけれど、それでいいのだろうか。

19:16 人間感覚ではしのげそうに見えるけれど・・。危ないのか。

19:18 33歩がいやらしいね・・。

19:21 なるほど、Ponaに消費時間のズレが生じてるのか。

19:40 66馬まで。大熱戦だ。ここで残り10分・・。

19:50 63飛成まで。Pona勝ちの流れに思える。

19:56 42銀いてえ。

19:57 評価値、1000超えですか。ですよね。

20:04 佐藤四段投了。大盤解説場はしんみり。


アンチコンピュータ戦略(74)

先ほど映されたニコファーレの会場の様子を見ると、既に満席のようだ。
今からだと、ニコ生で観戦するのが正解か・・・と思ったが、やはり行ってくるか。

進行はPonaが時間を使っているので、スローペースですね。
何度も同じことを言っているが、ソフトは割と無造作に飛車先の歩を切らせる傾向にある。
人間側からしてみれば、早くもポイントをあげたように見える。
ソフトが力を発揮するのは、この後だろう。