◇エビアン選手権<最終R>
▽女子ゴルフメジャー最終戦▽15日、フランス・エビアン、エビアン・リゾートGC(6433ヤード、パー71)▽雨後曇り、気温20度▽賞金総額325万ドル、優勝48万7500ドル▽77選手
【エビアン(フランス)テッド・ムース】通算8アンダーの単独首位で最終Rを迎え、36年ぶりの日本人女子によるメジャー制覇を目指した宮里美香(23)=NTTぷらら=は、79と大きく崩れて通算イーブンパーで19位に終わった。69で回った宮里藍(28)=サントリー=が15位で、日本勢最高位。前日2位タイだったスサン・ペテルセン(32)=ノルウェー=が通算10アンダーに伸ばして優勝。上原彩子(29)=モスフードサービス=と上田桃子(27)はいずれも1オーバーで27位タイだった。この大会は今年からメジャーに昇格したが、初日の悪天候で54ホールに短縮された。
美香が大泣きした。まさかの大乱調で79を打ち、19位終了。日頃から「目標はメジャー優勝だけ」と公言し、第2Rまでは絶好調だっただけに、この結果は自分でも信じられないよう。同組で回ったペテルセンの優勝を祝福し、シャンパンシャワーを浴びる姿もにこやかにながめていたが、報道陣の取材前にトイレに入ると、なかなか出て来られなかった。
1番パー4、フェアウエーからの2打目をグリーン右奥のラフに入れたところから、自分を見失った。寄せを4メートルオーバーしてボギー発進。この時点で首位が入れ代わり、以後も焦りが募った。7番パー5では残り110ヤードの3打目がいったんグリーンに乗ったものの、傾斜で右下のラフまで転がり落ち、そこからオンさせるまでに3打かかってトリプルボギー。16番パー3では1打目を隣ホールのギャラリー席に打ち込み、ダブルボギーにして、すべてが終わった。
1番ティーに立つまでは緊張感もなく、「自分はできるという自信もあった」という。「前日までの2日間、いいゴルフをしていて、最終的にこういう結果はすごく歯がゆい」と無念さは隠せない。優勝したペテルセンを引き合いに出し「彼女はすごく確実で、バーディーを取るべきところで取っている。ぶれがない。それが自分との差」と、メジャー優勝を逃した理由を自己分析した。
とはいえ、ツアー通算13勝目のペテルセンですら、メジャーは6年ぶりの2勝目。過去2位に泣いたことが3度ある。「すぐにメジャーに勝ってわけが分からなくなるよりも、自分にとってはいいと思う。全英女子オープンでは佐伯三貴さんが優勝争いをした。日本人のメジャー制覇は近づいている」と、最後は前を向いた。
この敗戦で、一回り大きくなったのは確かだ。これで一度帰国し、20日からのマンシングウエアレディース東海クラシック(新南愛知CC美浜C)で成長した姿を見せる。
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