シリア化学兵器:米露の協議は1年前から 露外相明かす
毎日新聞 2013年09月15日 21時52分
【モスクワ田中洋之】ロシアのラブロフ外相は14日、シリアの化学兵器に関する米露の協議は昨年6月のメキシコ・ロスカボスでの主要20カ国・地域(G20)首脳会議(サミット)の際に行われたプーチン大統領とオバマ米大統領の会談から始まったことを明らかにした。ロシア国営テレビとのインタビューで語った。シリアの化学兵器を破棄する計画で合意した米露は、1年以上前から話し合いを続けていたことになる。
外相によると、両首脳は当時、シリア内戦の激化に伴いアサド政権が保有する化学兵器が拡散する事態に「深刻な懸念」を共有。シリアの化学兵器保管場所が置かれている状況に関する情報と評価をお互いの関係機関を通じて定期的に交換することで合意していたという。
またラブロフ外相は、シリア国内の化学兵器の情報を得るため、アサド政権と関係の深いロシアだけでなく、米国もシリア側と直接接触していたと述べた。
このほか外相は、シリアの化学兵器破棄で米露が合意に達したのは、アサド政権が化学兵器禁止条約への加入を申し入れた時点で条約履行を文書で保証したことが「主要な一歩」につながったと評価した。