Updated: Tokyo  2013/09/17 05:11  |  New York  2013/09/16 16:11  |  London  2013/09/16 21:11
 

ECB総裁、銀行整理の強権がEUに必要-財務相は合意できず

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  9月16日(ブルームバーグ):欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は16日、経営難銀行の処理に関して欧州連合(EU)が中央集権的な強い権限を持つことが必要だとの見解を示した。欧州の財務相らは2日間の会合で銀行整理の新たな枠組みで合意できなかった。

ドラギ総裁はベルリンでのイベントで、「銀行同盟は銀行の再建を迅速にするのに役立つはずだが、それは私が望むように強力な単一破綻処理メカニズム(SRM)ができた場合だ」と語った。「存続が不可能な銀行を、金融安定へのリスクなしに閉鎖できるメカニズムが必要だ」と論じた。

欧州の財務相らはリトアニアの首都ビリニュスで開いた13、14日の会合でSRMをめぐる欧州委員会案について合意できなかった。SRMは銀行の経営難と政府の財政難の連関を断つことを目指した銀行同盟構想の一環。ドイツのショイブレ財務相は同案の法的根拠に疑義を呈し、財政に関する国家の主権を脅かしかねないと論じた。

ドラギ総裁はまた、銀行がバランスシート上に持つ資産の真の価値についての透明性欠如が融資拡大の妨げになっているとも指摘。SRMが景気回復の加速にも寄与するとの考えを示した。銀行監督の責務を来年引き受けるECBは銀行資産の査定を近く開始する予定。

ECBのメルシュ理事もこの日ドバイで、銀行同盟が「もっとも差し迫った懸案事項」との認識を示した。

ドラギ総裁はユーロ圏の景気について、回復は「まだ始まったばかりだ」とし、「経済は依然として脆弱(ぜいじゃく)で失業率はあまりにも高い」と指摘。「総じて弱いインフレ見通しが中期に及ぶことを前提として、政策委員会はECB政策金利が長期にわたり現行またはそれ以下の水準にとどまると考えている」とのガイダンスを繰り返した。経済は安定に向けて前進し「極端なイベント」のリスクは後退したとの認識も示した。

原題:ECB’s Draghi Says EU Needs Strong Authority to Wind DownBanks(抜粋)

記事に関する記者への問い合わせ先:フランクフルト Jeff Black jblack25@bloomberg.net;ベルリン Tony Czuczka aczuczka@bloomberg.net

記事についてのエディターへの問い合わせ先:Craig Stirling cstirling1@bloomberg.net

更新日時: 2013/09/16 20:11 JST

 
 
 
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