手製ミサンガを手に、宮城県南三陸町の女性(右端)と笑顔で話す名古屋市立高見小学校の児童=7日午後、名古屋市千種区
東日本大震災後に生活の支えとするため、漁網を使った手製ミサンガを作る宮城県南三陸町の女性らが7日、支援への感謝の気持ちを込め、名古屋市千種区の市立高見小学校で被災後の暮らしを語り、ミサンガ作りを実演する授業をした。
授業には4年生ら約90人が参加した。プロジェクト事務局の鷹觜愛郎さん(48)が南三陸町を襲った津波や復興について説明。女性4人によるミサンガ作りが始まると、児童からは「1個作るのにどれくらいかかりますか」「地震の時には何をしていましたか」などと質問が相次いだ。
津波でカキやワカメなどの養殖業が損害を受けた南三陸町では、避難所で暮らす女性らがミサンガを作って販売するプロジェクトを昨年7月から続けている。
震災前にワカメの養殖などをしていた千葉真澄さん(47)は「どんな気持ちで編んでいるんですか」と尋ねられ、「初めは津波を思い出してつらかったけど、ミサンガ作りを通じていろいろな人と知り合えて、今は楽しんでいます」と答えた。
裁縫クラブに所属する小野杏音さん(10)は「直接話を聞いて苦労が分かりました。心のこもったミサンガだと思う」。岡田真子さん(10)も「お母さんの誕生日が近いので、編み方を教えてもらって作りたい」と笑顔で話した。
(2012年3月 7日)
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第84回選抜高校野球大会は21日、兵庫県西宮市の甲子園球場で開幕した。開会式では、東日本大震災で被災しながら、21世紀枠で選出された石巻工高(宮城)の阿部翔人主将が「日本が一つになりその苦難を乗り越えることができれば、その先に必ず大きな幸せが待っていると信じています。だからこそ日本中に届けます。感動、勇気、そして笑顔を。見せましょう。日本の底力、絆を」と力強く選手宣誓した。
選抜高校野球大会の開会式で、石巻工高の阿部翔人主将が行った選手宣誓の全文は次の通り。
宣誓。東日本大震災から1年。日本は復興の真っ最中です。被災をされた方々の中には苦しくて、心の整理がつかず、今も当時のことや、亡くなられた方を忘れられず、悲しみに暮れている方がたくさんいます。人は誰でも、答えのない悲しみを受け入れることは苦しくてつらいことです。
しかし日本がひとつになり、その苦難を乗り越えることができれば、その先に必ず大きな幸せが待っていると信じています。だからこそ日本中に届けます。感動、勇気、そして笑顔を。見せましょう。日本の底力、絆を。われわれ高校球児ができること。それは全力で戦い抜き、最後まで諦めないことです。今野球ができることに感謝し、全身全霊で正々堂々とプレーすることを誓います。