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Global News −南山大生の海外見聞録

ハリー・ポッターを追いかけて。

ヨーロッパ

川崎 友紀子さん (外国語学部英米学科)スコットランド・エディンバラ大学へ交換留学 [ 2011年9月〜2012年5月 ]


エディンバラ大学


エディンバラ城で。本物の王冠を見られる


『9と3/4』プラットホーム


アーサーズシートの頂上から

「ハリー・ポッター」の作者が、大学に来てる!?
留学先のエディンバラ大学に到着したその日、噂を聞き、心が躍った。
作者が大学へ寄付し、そのセレモニーがちょうど行われていたらしい。
でも見に行くことができず、大ショック…。
イギリスを好きになったきっかけは、まさにその「ハリー・ポッター」だったから。作者が住んでいるスコットランドのエディンバラにずっと行ってみたいと思っていたのだ。

街全体が世界遺産というエディンバラは、物語の世界そのものだった。
宮殿や城、大聖堂がそびえ、豊かな自然に囲まれている。
ハリポタの作者には会えなかったけど、大学の近くには第一巻を執筆したというカフェがあり、ロンドンに行った時には物語に出てくる『9と3/4』プラットフォームのプレートのあるキングス・クロス駅も訪れた。
いろんな発見のたびに、すぐそばにハリーがいるような気がして仕方なかった。
ある時、街に掲げられていたイギリスの国章に目が留った。
普通はイングランドを象徴するライオンと、スコットランドを象徴するユニコーンが描かれているのだが、この街にはライオンがおらずユニコーン2体という国章がある。
通貨もスコットランドポンドという独自のもの。
スコットランドの人は、イギリス人ではなく「スコットランド人」であることに、こんなにもこだわりと愛着を持っているのだと驚いた。

エディンバラ大学も、歴史と伝統を感じさせる荘厳さに満ちていた。
なにしろ、卒業生は作家のアーサー・コナン・ドイル、科学者のダーウィン、経済学者のアダム・スミスなど、そうそうたる面々。
私も英国文学を学ぶために、スコットランド文学、そして英国文化を体験するためにバグパイプ…と、大好きなイギリスについて貪欲に学んだ。
学生は4割が外国人留学生で、彼らと一緒に寮生活をした。
街は普段、景観を守るためイルミネーションなどは一切禁止されているのだが、クリスマスの時期だけは解禁され、街中がきらめく光に包まれる。
本場ドイツのクリスマス・マーケットが出店し、観覧車がある移動遊園地やトナカイまでやってきて、おもちゃ箱をひっくり返したように賑やか。
けれど、寮の友人たちは家族とクリスマスを過ごすため、みんな実家に帰ってしまった。
まるで、クリスマス休暇なのに魔法学校に居残ったハリーみたいな気分。
いつも彼らのうるささには閉口していたのに、いなくなると無性に寂しかった。

開館したばかりのロンドンのハリー・ポッター・スタジオ。
ホグワーツ魔法学校のモデルになったと言われる中高一貫校のオープンキャンパス。
ハリー・ポッターを追いかけて、夢中で過ごした夢のような日々。
落ち込むような失敗もたくさんしたけれど、失敗からも多くのことを学んだ。
世界では、海外に行くのは当たり前。今まで自分は、なんてちっぽけな世界にいたんだろう。
お世辞にもおいしいとは言えないご飯、曇りがちな天候、高い物価も含めて、イギリスが大好き!
すっかり魅了され、その情熱は今も燃え続けている。

見聞録メモ

費用

約120万円

[ 内訳 ]

授業料:免除(留学先)、約100万円(南山大学)
家賃:約8万円(寮・月額 朝夕の食費込み)
奨学金:約20万円(留学奨励)、24万円(日本学生支援機構)

おすすめスポット

女王陛下が泊まりに来るホリルードハウス宮殿
エディンバラ城、アーサーズシート など

街全体が世界遺産なので、どこもハズレなし!街のあちこちでウサギやリス、白鳥、カモが見られ、北海ではアザラシの姿も。

一日のスケジュール

[ 平日 ]

10〜17時の間は授業。すきま時間は図書館で宿題。

[ 休日 ]

大学が主催するバスでの格安プチ旅行などに友人と参加。

おすすめの食べ物

マーマイト

パンに塗るペースト状のもので、錆び止めのような味。日本でいうところの納豆。学生寮の朝ご飯には必ずこれが添えられていた。

(2013年6月掲載)