受験生の皆様

Global News −南山大生の海外見聞録

お世辞だって自信になる

アジア

古田 彩也香さん (外国語学部アジア学科)中国・南京大学へ留学 [ 2010年9月〜2011年5月 ]


国慶節(中国の建国記念日)に南京大学校門にて

青海省西寧での日中交流会

孫文のお墓、中山陵にて

クラスメイトとの写真(出身は日本・中国・韓国・イタリア・イスラエル・イギリス・アメリカなど様々)

「中国語の発音がとっても上手ね」
大学1年の時に行った上海旅行で、品物を買うのに頑張って値切っていたら、お店のおばさんに言われた。
当時はまだ入学後間もなくて、つたない中国語しかしゃべれなかったのに。
お世辞でもうれしくて、思わず笑顔になった。
おばさんのひと言で自信がついた私は、もっと中国語を勉強したくなり、思いきって約1年間休学し、南京大学に留学した。
費用は中国政府から贈与される奨学金を申し込んだ。
審査に必要な研究計画書がなかなかできなくて、提出期限ぎりぎりまでかかって泣きながら書いたのを覚えている。

留学して実際に暮らしてみると、上海旅行では見えなかった、いろんな意味で中国の本当の面白さが見えてきた。
例えば、中国の人は、基本的に「並ばない」。
電車も窓口もお店も、入るときは全部“テキトー”。(トイレで並ばないのが一番困った…)
時間もテキトーで、なんと電車の時刻表もない!
タクシーの運転手さんはおしゃべり大好き。(こっちが疲れるぐらい)
女子大生はいつもスッピン、なのにいつもキレイ。
食べ歩きはみんな当たり前、アイスを食べながらお店に入ったりもする。
困っている人を見れば、知らない人でも手助けせずにいられない。
とにかく、ひしめく人のパワーが圧倒的で、感心したり、あきれたり、人物ウォッチングがこれほど楽しい国は、他にはないかもしれない。

留学中の一番の思い出は、南京市で「日本茶道体験会」という催しをしたこと。
南山大学茶道部の経験を活かし、日本の伝統文化である茶道をたくさんの中国人学生に知って欲しいと思ったのだ。
みんな正座して話を聞いてくれ、お抹茶を「苦い」と言いつつ楽しんでくれた。
中国語で茶道について教えるのは難しかったけど、日中の文化交流に少しでも貢献できたことが、うれしかった。
南山大学の中国語の授業で習った流行語やスラングも、友達作りに大いに役立った。
留学中は、何度も泣き、辛いこともたくさんあった。
でも、初めて親元を離れ、しかも海外で自立した生活ができたことは、人生の大きな壁を乗り越えたという実感がある。
中国語を基礎からしっかりと学んだおかげで、正確な発音にも自信がついた。

ときどき、思うことがある。 今、あの上海のおばさんに会ったら、何て言ってくれるだろう。
格段に上達した語学力だけでなく、一回りも二回りも成長した私を見てほしい。

見聞録メモ

費用

約35万円(実費)

[ 内訳 ]

家賃:15,600円(寮月額・免除)、留学先授業料:30万円(免除)、南山大学在籍料:10万円、食費:(月額)約13,000円、奨学金:(月額)22,100円 ※授業料と家賃は免除

おすすめスポット

中山陵

孫文(孫中山)のお墓と言われる四つ星級国家文化遺産に登録されている場所。2010年11月から入場料が無料になった。紅葉の綺麗な時期が一番オススメ。

一日のスケジュール

[ 平日 ]

午前:8:00〜12:00授業
午後:授業、二胡のレッスン、日本語教師のアルバイト、買い物など。
夜:卓球やバーに行く、など自由時間。

[ 休日 ]

授業はなし。日中交流会、日本語教師のアルバイト、友達と買い物や遊びに行ったり、外食も。時には寮でパーティー(カレーを作ったり)。

おすすめの食べ物

肉包(肉まんのこと)

中身が肉のもの以外に、ニラとはるさめが入ったものやカレー味など種類は豊富。しかも、1個約13円と超格安!!そして美味い!!お金がない時はよくこの肉まんを食べて節約していた。

(2012年11月掲載)