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【普通の歴史】4-2 大東亜戦争・・・経済制裁の意味




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アジアを支配していたアーリア人(ヨーロッパ、アメリカ、ロシア)は、何とかして日本が力をつけるのを阻止しようとしていた。それは次の図を見ればハッキリ判る。

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インド、パキスタン、ビルマ、マレーシア、シンガポールはイギリス、インドシナはフランス、インドネシアはオランダ、そしてフィリピンなどにアメリカがいて、中国はイギリス、フランス、ロシアなどが支配力を持っていた。

その中で唯一、日本だけが黄色人種で、本来なら占領しているはずなのに、かえって自分たちを圧迫しているということだから、アーリア人がイライラするのも判る。

そこで何とか日本をやっつけようとして、蒋介石には「援蒋ルート」というのを作って、南の植民地から「反日なら応援する」ということで物資を出す。ドイツは直接、軍事顧問を蒋介石に送って日本と戦わせる。ロシアはコミンテルンを使って謀略をくり返す。

そしてアメリカは直接、日本と戦う糸口を探していた。それでも、フーバー大統領の時には「経済封鎖をすると戦争になる」ということで日本への経済封鎖を実施しなかったが、次の大統領のルーズベルトは最初から日本と戦争をするつもりだったので、太平洋艦隊を増強し、日本に経済制裁を加える。

戦争が始まる2年前、アメリカは「日米通商航海条約」を破棄、次々と鉄や油の経済制裁を日本に課し始める。そして戦争が始まる年の8月(戦争は12月から)、ついに石油の対日全面禁輸をする。

日本は石油はすべて輸入だから、このまま7ヶ月経つと、日常生活だけではなく、戦艦も戦闘機も使えなくなる。そうなれば植民地になったも同じだ。追い詰められた日本は戦争に打って出る。

アメリカがなぜ日本に対してケンカを売ったのか? 日米通商航海条約を破棄して、貿易を止めるということは「おい、向かってこい!」といっているのと同じだ。でも、アメリカには日本と戦争をしなければならない理由はあっただろうか?

日本はアメリカ本国から遠く離れ、日本はアメリカ本土はもとより、アメリカの占領していたフィリピン、グアム、サイパン、ハワイ、そしてアラスカを攻撃する意図は全くなかった。アメリカは日本から被害を受けていないのだ。

それではなぜ、アメリカは日本にケンカを売ったのか? それも石油の全面禁輸ということは、日本が戦争を仕掛けてくるのは当然であった。でもそこにアメリカの意図があった。

つまり、アメリカは西に進むためにインディアンと同じように日本人を殺さなければならなかった。これは無条件の使命である。しかし日本はなにもしてこない。ならば石油を禁輸すれば日本はどうにもならずに、少なくともインドネシアには行くだろう(当時のインドネシアは産油国)。そうなると日本を攻撃する理由ができるという算段だ。

この計画(開戦計画)がルーズベルト政府独自のものか、アメリカのコミンテルンメンバーの策謀かは歴史家でも議論が分かれている。私にとってはどっちでもよく、アメリカが日本と戦争をしたかったということで充分だ。

日本の明治以来の戦争で、まず第一期
日清戦争、日露戦争は独立のための受け身の戦争
第一次世界大戦は行きがかりの戦争、

そして第二期、
満州国建設は依頼を受けた行動、
北支問題、上海事変、日中戦争は中国から仕掛けられた戦争
太平洋戦争はアメリカから仕掛けられた戦争
のほとんどが「受け身」の戦争であることがわかる。

誰だ! 軍国日本と言ったのは!! 

仕掛けられたからと言って戦争を始めるのが良いかどうかは別にして、いずれにしても受け身の戦争であることは確かだ。相手から仕掛けられて「ああ、そうですか」と引き下がることもできるが、その場合のリスクが大きい。戦争と変わらないぐらいの被害を受けると当時の人が思ってもそれほど不思議ではないのは、この植民地地図が物語っている。

もう一度、最初の地図を見て欲しい。現代の反日日本人の意識は、東アジアの国がまるで当時、独立していたかのように錯覚している。だから「侵略」という言葉が出てくる。

(平成2598日)


武田邦彦



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