動画で見ているからそう見えるんですよ。
人が肉眼で確認できるものを、動画撮影しているカメラや、動画を見る家庭用モニターでは捉えきれないんです。
高精細な恐ろしく高いプロ用カメラとモニターであれば、ちゃんと肉眼で認識できるものを画像として捉えますよ。
ある車系のプロモーションDVD撮影現場に立ち会う機会があって、実際に見せてもらいました。
撮影スタッフに聞くと、「これはプロ用撮影機材での撮影だから、このモニターも仕様が違いますからハッキリ見えているけど、家庭用テレビやPCの液晶モニターレベルだと解像度が低いから分からないですよ」と言われました。
この時は、流石に唸らされましたね。
人の目が、いかに高性能なレンズで、それを処理する脳が高機能であるかの証明だと思いますね。
あと、欧米人と日本人では色と明度を認識できる上限と下限が多少違うとも思いますね。
もちろん個人差もあります。赤系に強い、青系に強いなど、「この黒は僅かに赤味がある」「少し黄色味の反射光が見て取れる」とか、色に対して敏感に認識して反応する人が居ます。
車の塗装については、経験上今は日本車も輸入車も殆ど変わらないと言えます。
考えられる違いと言えば、水性、紛体、溶剤系、といった、使用している塗料材質の違いですね。
水性塗料は一昔前より飛躍的に進化していますから、従来の溶剤系焼き付け塗装より、強くなったと言われています。
概ね、塗装の厚みは最下層の防錆塗膜からトップコートのクリアまで、一般的に140~160ミクロン程度です。
上級車種ほど厚みがシッカリしてます。
*ソリッドカラーは、塗装工程が少ない分だけ少し厚みが少ないですね。
光線が塗膜を透過して、地金の色を反射と言うのはチョッと考えられないです・・・
ボディ全体は、防錆のカチオン電着亜鉛塗装プールでのドブ浸け+カラー塗装前の下塗り(いわゆるサフェーサー)工程が入りますから、地金は完全に隠れます。
その上にカラー塗装。パール、メタリックならクリアのオーバーコートと言う具合ですから。
今は、最新の設備で均一化されていますから、塗膜の厚みの誤差は数%かと思いますね。
何十台と並行輸入車も見てきましたけど・・・正規輸入車と変わらないですよ。日本仕様の塗装と言うのは・・・聞いたことないですけどね。
前後バンパー等の樹脂パーツに関しては、明らかに輸入車が上と感じることが多いです。
日本車は、このあたりコストダウンで、下塗りサフェーサーを省いてたりしますから。極薄のフィルムでも貼った?みたいに、ペローンと剥がれる塗装・・・
*日本車でも、フラッグシップモデル辺りになると手抜き無しになってますけど。
車体の塗膜の硬度も、同一グレードの車種同士で比較すると、欧州車の方が硬いと感じますね。
ただ、トップコートのクリア塗装は、日本車の方がレベル上だなと思うことが時々ありますよ。
洗車したら、クリア層だけカサブタみたいにハゲちゃった的なトラブルは、輸入車の方が多いです。
特に樹脂パーツ類の塗膜。
このトラブルを、層間剥離と言うのですけど。この症状が出た個所は、PDIセンターで何らかの処置を施したかな?と思いますけど。クリアの層間剥離は、日本車ではめったにお目にかかりませんね。
色合いや発色に誤差が出るとすれば、塗料原料の個体差によるところが大きいです。
塗料の原料だけはどれだけ緻密に均一化した顔料粉末でも、完全な同一形状の顔料粒子に出来ませんから。
色合いに、濃い・薄い、青っぽい、赤っぽい、黄色っぽい、メタリック・パール感が多い、少ない、パールの輝度が強い、弱いなどですね。
塗装機器の管理状態で、同じ色でも前日夕方最終と翌日朝一の塗装で誤差が出たりしますね。
こんなところですが、参考になりますでしょうか。
投稿日時 - 2013-07-28 00:38:54