５６号を打った後、飯田コーチと抱き合ったバレンティン

　ヤクルトのウラディミール・バレンティン外野手（２９）が１５日の阪神戦（神宮球場）で１回、今季５６号目を放ち、４９年ぶりにシーズン最多本塁打記録を更新。３回にも２打席連続となる５７号を放ち、さらに記録を伸ばした。

　この偉業達成の裏には“改心”があった。ある球団関係者は「今年は監督やコーチに怒られている時にちゃんと目を見て話を聞くようになったんです。これはすごいことですよ」と驚きの表情で打ち明ける。

　来日した２０１１年、１２年ともに３１本塁打をマーク。２年連続で本塁打王のタイトルを獲得したものの、順風満帆のシーズンではなかった。１１年は６月から約２か月の長期スランプに陥った。１２年は５月下旬に試合中にツイッターをしていたことが判明し二軍落ち。８月には故障で戦線離脱した。

「去年までは怒られている時もじっと手を見ていたりキョロキョロしたりして話を聞きませんでしたから。怒られながらフライドチキンを食べていたくらいです」と球団関係者があきれるなど心身ともに“問題あり”だった。

　ただ、不安定ながらも２年連続で本塁打王のタイトルを獲得するなど素質とパワーは抜群。野球に取り組む姿勢が一変したことが本塁打量産に直結した。