プレーオフ6ホール目でティーショットを左に曲げ池に入れた比嘉真美子(武藤健一撮影)
|
 |
◇日本女子プロ選手権<最終日>
▽15日、北海道・恵庭CC(6682ヤード、パー72)▽雨、気温20.6度、風速2.7メートル▽賞金総額1億500万円、優勝1890万円(54ホールに短縮のため75%にカット)▽観衆698人
悪天候のため、最終ラウンドが中止。前日まで通算11アンダーで首位に並んでいた2人によるプレーオフのみ行われ、韓国のイ・ボミ(25)が6ホール目で新鋭の比嘉真美子(19)を破り、昨年11月のツアー選手権リコー杯以来となる今季初勝利。比嘉は史上最年少の国内女子メジャー優勝を逃した。3ホールのストロークプレーを両者パープレーで引き分けた後、4ホール目からはサドンデス決戦に。6ホール目で比嘉が痛恨の池ポチャでダブルボギーにし、パーをセーブしたイ・ボミに敗れた。
◆ティーショット左へ
雷雲が接近し、激しい雨…。今季国内女子メジャー第2戦は最終ラウンドが中止され、異例の優勝決定プレーオフにもつれ込む。比嘉は「スタートが見合わされていた時点で、プレーオフだけになる確率はかなり高いと思っていた。説明を受けた瞬間、『始まるな』と身が引き締まる思いがした」という。断続的な雨と風の中、16番パー3と15番パー4の2ホールを使って、韓流女王、イ・ボミとの一騎打ちが始まった。
3ホールのストロークプレーは、両者全ホールパーで決着つかず。4ホール目からはサドンデスに。通算6ホール目、3度目の15番に、比嘉にとっての悪夢が待っていた。カップ位置が変わり、左奥から右手前へ。それに伴い、ティーグラウンドも3ヤード前に変更された。「その前の15番で、ドライバーショットがフェアウエーを突き抜けてラフまで行ってしまっていた。いつもより距離が出ていたから…」と3番ウッドを握った。緊張と興奮でアドレナリンが出ていたのだろう。
だが、このティーショットが左に曲がり「205ヤードのキャリーで超えるはず」の池へ。残り155ヤードの位置にドロップして打った3打目もグリーンをとらえることができなかった。4打目はピッチングウエッジでチップインを狙ったが、これも決まらず。結局ダブルボギーとなった。
「ティーショットはただのミス。タイミングがちょっとズレてしまった。でも、クラブ選択に後悔はないし、昨日までの3日間もプレーオフ6ホールも、1打も悔いのあるショットは打ってません」。最後は潔く勝者をたたえた比嘉。史上最年少での国内メジャーVはならなかったが、「どんなにいいプレーをしても、いい流れで来てても、勝てるかどうかは分からない。勝つ時は運を味方にしないといけない。また次につながる悔しさもできたし、いい勉強、経験にもなった」と、自分自身に言い聞かせるように前を向いた。
3週後、再び最年少メジャーVのチャンスがかかる日本女子オープン(10月3〜6日、神奈川・相模原GC東C)がやって来る。 (月橋文美)
この記事を印刷する