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【大リーグ】

松坂、メジャー今季初勝利 変化球軸に7イニング2安打1失点

2013年9月16日 紙面から

◇メッツ3−1マーリンズ

 【ニューヨーク穐村賢】“怪物”が383日ぶりに勝利をつかんだ。メッツの松坂大輔投手(33)は14日(日本時間15日)、地元でマーリンズとのダブルヘッダー第2試合に先発。7イニングを2安打1失点と好投し、昨年8月27日のロイヤルズ戦以来、約1年ぶりの白星を挙げた。これでメジャー通算51勝となり、日本人投手では大家友和と並んで3位タイ。今季はメジャー復帰3試合で打ち込まれたが、この2試合は変化球主体で好投。新たなスタイルを模索する右腕が、完全復活を目指して残り試合も奮闘する。

 383日ぶりの勝利は格別だった。7イニングをわずか2安打1失点。昨年8月27日のロイヤルズ戦以来、約1年ぶりの今季初勝利に松坂の顔が緩んだ。「素直に勝った瞬間はうれしかった。今年勝つのは難しいと思っていたけど、メッツで記念すべき1勝が挙げられて良かった」。8回の投球練習後に交代を告げられ、マウンドを降りた松坂。地元ファンから温かい拍手で迎えられると、帽子を取って一礼し、スタンディングオベーションに応えた。

 大きな転機となったマウンドだった。試合前から直球とスライダーが走らず「シュートとカーブを使わないと」と新スタイルを決断。110キロ台のカーブを軸にストライクを先行させ、3回まで無安打に抑えた。4回にルジアーノにソロ本塁打を浴びたが、その後も緩急を生かして追加点は許さず。直球の最速は90マイル(約145キロ)。だが、フルカウントになったのは2度だけで、球数も91球。メジャー最低打率のマ軍相手とはいえ、テンポよく凡打の山を築き上げた。

 一昨年6月に右肘手術。移籍も経験し、今季はマイナーでの開幕も味わった。先発チャンスをつかむため、自ら自由契約を申し出てメッツに移籍。メジャー復帰後の3試合は球威不足で打ち込まれるなど苦しんた。その分、「去年の(手術後初の)1勝より、今日の1勝の方がうれしい」とうなずいたが、これで完全復活とは思っていない。

 「自分の投げたいボールを投げられない状態が続いているので、どうやって打ち取るかを考えている。そういう意味では、きょうは違った投球ができるというきっかけになる」

 先発の駒不足ゆえに何度もチャンスがめぐってきた身。“5度目の正直”でようやく力の一端は示したが、これで来季が確約されるわけじゃない。「来年? 気が早いですね。来年よりも、次に生かしたい」。前日に33歳を迎えたばかり。32歳の1年は一度も勝てずに終わった。「僕以上に周りが(勝利を)待ってくれていた。33歳ですぐ勝てたので、去年とは違うかもしれません」。身に着け始めた大人の投球。今までとはひと味違う松坂で、メジャーの猛者に立ち向かう。

 

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