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【プロ野球】バレンティン 56、57号 王さん超え 日本新記録2013年9月16日 紙面から
◇ヤクルト9−0阪神ヤクルトは1回に飯原が適時二塁打、バレンティンが56号2ランを放って主導権を握った。バレンティンは3回にも2打席連続の本塁打。小川は6安打に抑え、3度目の完封でトップタイの14勝目。阪神は6カード連続の負け越し。 ◇ バットを放り出し、万歳のまま打球の行方を目で追い、スタンドインを見届けてから走りだした。日本球界に新たな歴史を刻む56号2ランを球場全体が祝福する中、喜びをかみしめるようにガッツポーズ。スタンドで躍り上がって喜ぶ最愛の母・アストリットさん(64)を見つけ、投げキスを送った。 「打った球種が分からないぐらい興奮している。鳥肌が立ち身震いするような、これまでで最高の感触だった。55号を打ってから長く感じたが、満員の神宮球場で打つことができて本当にうれしい。チョーキモチイイ!」。さらに3回1死の第2打席、2打席連発の57号まで飛び出した。 台風さえも味方に付けた。これまで節目の本塁打はすべて、神宮の空に打ち上げてきた。だが、55号が出た後は3試合足踏み。週明けから1週間ロードに出るため、今カードが本拠地で新記録達成の最後のチャンスだった。だが、天気予報は台風18号の影響で大雨。昼の東京六大学野球は中止されたが、プロ野球の前に雨が上がった。 50号が近づいてきた8月末、近藤通訳から、王さんの記録を“聖域”と思う日本人が多いこと、1985年のバース、01年ローズが新記録に挑戦した時、四球攻めで達成できなかったという話を聞いた。来日前は「王」の名も知らなかった。3年間でその業績を知って尊敬するようになり「外国人選手に抜かれたくないという、日本人ファンの気持ちも理解できる」と世間の反発も、四球攻めも覚悟もした。 だが、厳しいコーナーを突いた攻めの四球はあっても、あからさまな敬遠はほとんど無かった。55号時の広島ファン、この日の阪神ファンも、バレンティンが打席に立つと大歓声で迎え、スタンディングオベーションで快挙をたたえた。 「新世代に時代が変わり、ファンも記録は更新されるものと望んでいた。その中で歴史を塗り替えることができた。言葉にならないくらいうれしい。来年以降、自分の記録を破り球界を盛り上げる人も出てくるだろう」 試合後は左翼席の阪神ファンにまでボールを投げ込み、感謝した。打率、本塁打は1位、打点もトップのブランコに5点差まで迫り、三冠も現実味を帯びてきた。「結果を出そうとすると力んでしまう。これまで通りチームの勝利のために集中していくだけ。数字は神が決めてくれるだろう」。シーズン終了まで全力で走りきる。 (竹村和佳子) PR情報
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