○四日目
どこ行ったっけな……。
もうだいぶ記憶が怪しい。
写真を見れば……あーそうだ。
この日は井上さんと合流して、あれこれしました。
というか、あざのさんがもう典型的な「観光地で一分たりとも無駄にしない日本人」タイプなので、予定をすべてきっちり組んでくれてました。(なので、我々はなにも覚えていない)
まず、ガイドブックに載っている有名な小龍包の店に行って、ガイドブックに載っているマンゴーかき氷の店に行って、ガイドブックに載っている台北101に行きました。
でも台北101の展望台は私も井上さんも登っていたので、二人は広場でのんびりお茶していました。
で、私はコーヒーとアイスを頼んだのですが、よもやのコーヒーの上に山盛り生クリームと、アイスじゃなくてパフェだろってのがきまして、驚愕。(嬉しくて)
二つを抱えてむさぼるの図。
さすがに、食いでがありましたよ。デブー。
広場はこんな感じ。
もう普通に大都会のショッピングモールって感じ。
で、それから十五分くらいしてあざのさんたちが展望台から戻ってきたら、
あざのさん「上で杉井さんに会ったw」
とか言ってました。
海外でばったり会うなんて変な感じだねー、とか笑いあってて、ぐだぐだしたあとにトイレ行ったら、杉井さんに会いましたw
これからサイン会だといってました。
で!!!!
それから我々は、今回の台湾旅行のメインともいえる、九份に行ってまいりました!
『千と千尋の神隠し』で一部モデルになった場所です。
元々炭鉱だったみたいで、山肌に張り付くように町があって、路地がずーっと山頂まで続いています。
具体的には、こんな感じ。
入口。
左端に見えるのは、まさかのセブンイレブンです。
エコノミックアニマルめ……。
こんな感じ。
で、皆興味がばらばらなので(あざのさんはお土産、私は建物や路地、鈴木さんは女の人、井上さんは完成原稿)、ばらばらに行動することに。
お茶屋さんを待ち合わせ場所にして、ぶらぶらしてきました。
ぶらぶら……。
ぶらぶら……。
ぶらぶら……。
ぶら……ぶら……。
……Tシャツににじんだ汗が絞れそうなほど、歩き倒しました。('A`)
で、待ち合わせしてたお茶屋さんに入ったら、全員驚愕。
全員「店がジブリっぽいいいいいいいいいいい」
店内は階層になってて、その隙間に池があって、天井と壁からは蔓植物が……。
日本語べらべらのお姉さんの説明によると、築140年の重要な建築物らしい。
いや、だって、これだぜ?
フォトショップでちょっと加工したら、速攻でジブリっぽい背景の出来上がりだよ!
ああああああこんな場所でなんかきっとあれだぜ、ちょっとファンタジーで甘酸っぱい青春っぽいことが起こるんだぜええええええあああああしずくううううううううううう!!!123456
ああああ、なぜ、なぜ、私の青春は、なぜっ……ああああああああぁぁあぁああああ……
ハッ!(゚Д゚)
ちょっと取り乱してしまいました。
最近は高校野球とかで高校生ががんばってる姿がテレビに映っても消さなくなりましたが、『耳を澄ませば』とかはいまだにだめです。見ると鬱になる。
で、こんなお店で三時間くらいずっとお茶飲んでました。
東方美人という銘柄の高山茶。
はちみつみたいな香りがするすごい甘いお茶。
うまかった。
で、なんで三時間も粘っていたかというと、別に歩き過ぎて足腰が生まれたての小鹿になっていたわけではなくて、夕暮れを待っていたのです。
なぜかって?
それはね……町の様子が……。
町の様子が……
町の様子が……?
町の様子がっ……!!!!
こんな風になるからだああああ!!!
路地に中国風の建物に赤い提灯とか、反則すぎですよ。
すごい幻想的だったー。
もちろん観光客だらけなんですけど、その人ごみも込みで、幻想的だった。
お祭りみたい。
後で聞いた話ですが、杉井さんは本当はここに観光に来る予定だったのですが、ホテルで原稿やってたんだってー!(ププーくすくす
で、帰りは大変ファンキーな運転手さんの運転するタクシーで帰りました。
いや、だって山道のヘアピンカーブで、普通によそ見してるんだぜ。
ウイスキーとかの瓶をおもむろに取り出しても多分驚かなかった。
その後は中華料理屋に行って食事。
よく眠れました。
○五日目
朝起きて、また小龍包のお店へ。
池袋の東武の上にもある有名店で、おいしいんですが、井上さんに至っては三日連続。
私を除く全員が朝からビール飲んでました。
で、そのあとは町をぶらぶらしてお土産とか見て、本日の目的地である故宮博物館へ。
有名な豚の角煮にそっくりな肉形石とか、白菜の形に削り出した翡翠とかがあるところです。
写真撮っちゃいけなかったので画像はありません。
気になる人はググってね♪(いやほんと、実物も、きもいくらい豚の角煮にそっくりでしたよ。黄鉄鉱みたいに、そういう石らしいです)
でも、一番たまげたのは、象牙細工のコーナー。
正直、頭おかしい。
中国四千年の歴史とか言いますが、四千年だろうが何千年だろうが、人間にはできることとできないことがあると思うんですよ。
一本の象牙を削り出した、超精巧な細工がずらりと並んでいるのですが、基本的にどれも驚異的な作りこみ。
一番すごいのは、球形に削りだした象牙の中にさらに球形の削り出しがあって……と、それが十七層だかあるんだと。
当然、一本の象牙を、継ぎ目なしに、削り出しているわけです。
拾ってきた画像。
中の球は削り出してあるので、全部動きます。
頭おかしい。
制作日数は親子三代だって。
ほかにも作成に五十年かかった弁当箱とか。
ハンバーガーの国からやってきた大変大雑把そうな白人観光客の一行は、指差して笑ってました。
アメージング!とか、クレイジー!とか。
言いたい気持ちは、すごくよくわかった。
で、そんなものがあれこれあったんですけど、わたくし、ここでグロッキー。
外の暑さとクーラーの寒さにやられたみたいで、貧血みたいな状態に。
なんとか象牙のコーナーを見終えたら、ソファーでぐでーっとしておりました。
遊び疲れた獣耳の美少女なら絵にもなろうものでしょうが、あいにくと獣耳の美少女は家でお留守番でございまして、そこにいるのは汗の染みが白くTシャツに残りそうな勢いの野郎でございます。
でもまあ、ソファーはたいがいそんな感じの観光客のおじさま方が占拠してました。
ツアコンの人が元気はつらつのおばば様方を引き連れて戻って来てそのままお土産コーナー(超広い)に行くと、それに引き寄せられるゾンビかなにかみたいに立ちあがって、ふらふらと後を追いかけていました。
がんばれーと、本当に思いました。
で、もう本当に死にそうだったので、ほかの人たちはまだ見て回っていたのですが、私だけ喫茶コーナーに行ってへーぜルナッツコーヒーに砂糖山盛り入れて飲んで一息ついてました。
その後は杉井さんの泊るホテルに行って合流。
食事に行ったのですが、なんと向かう予定だったお店にはすでに杉井さんは行っていたらしく、急きょ予定を変更して、三越の上にある焼肉屋に。
そしたら、よもやの食い放題で、システムがわからない。
店員さんが中国語で説明してくれたのですが、わかるわけもなく、「ジャパニーズ・オア・イングリッシュオーケー?」と言ったら、出てきたのが超流暢な英語。
台湾の人、スペック高すぎる……。
あばあばしながらもなんとか注文し終えて、食事して、買い物したりして、そのあと井上さんと杉井さんが泊るホテル(二人は同じホテルだった。超高級ホテル)のバーで飲み。
池袋とやってることかわんねー。
ちなみに、こんな感じ。
生演奏だぜ。
で、散々ぐだぐだして閉店になるまでいて、やれやれ帰るかー、台湾旅行もあっという間だったなー、疲れたーとなって井上さんと杉井さんと別れたら、鈴木大輔大明神がおもむろに一言。
鈴木さん「さて、夜市で牛肉麺でも食べるかね(・ω・) 」
私とあざのさんは、嘘偽りなく、
「('A`)」
て顔になりました。
もうその時点で夜の十二時。
ふらふらでしたけど、結局付き合うことに。
で、最後の夜市を堪能して、一時すぎになってようやくホテルに戻って、寝ました。
翌日は帰国!!!
超疲れた!!
三時間おきに飯食ってたのに、体重は増えるどころかちょっと減ってました。すごい歩いたもの。
で、結論。
日本のほうが暑い。なにそれ……。('A`)