プロジェクト

2013/3/3更新
レスキューセンター建設工事報告 2月27日
パドック(小)の柵はほとんど設置され、パドック(大)も進行中。

2月27日、大成建設クアラルンプールのファンさんが現場にはいりました。雨がひどくて現場に行く道でまたもや車がスタック、無事にたどり着けるのか危惧されましたが、なんとか夕方には到着したそうです。いつものことながら、お疲れ様です。小さいほうのパドックの柵はほとんど設置済み、今は大きいほうのパドックの柵を設置中。

写真1の中央に見える背の高いポールには、タープ(帝人提供)が取り付けられ日よけになります。写真2はスタッフコートなど。写真3は排水溝の工事中。

全体像がやっと見えてきました。3月中旬には坂東さんたち日本チームが現地入りします。(写真提供 大成建設クアラルンプール)

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2013/3/3更新
3月12日、マレーシアのTVで、ボルネオゾウやレスキューセンターをテーマにした番組がオンエアされます。日本でもNETで見ることができます。

ボルネオゾウの保全への取り組み、マレーシア・日本共同のレスキューセンター建設についての番組を、北海道放送とマレーシアのTV局(RTM)が2012年秋から共同制作をしています。マレーシアサイドの制作はディーンさん。半島出身でボルネオゾウのことは今まであまり知らなかったそうですが、野生のゾウ、ゾウの研究者、SWD局長、工事の進行状況など何度もサバで撮影を行い、真冬に来日し、旭山動物園、大成建設、サラヤなどでインタビューをしていました。

日本でもWEBサイトから見ることができるようですので、興味のある方は是非ごらんください。*日本サイドの北海道放送(HTB)制作番組は、開所式も取材するので、2013年夏以降の放映になりそうです。

放映日3月12日(時間不明)
番組名Conservasi Gajah Borneo (Conservation Elephant Borneo)
放映局サイトRTM1(チャンネル1)http://www.rtm.gov.my/tv1/

2013/2/6更新
レスキューセンター第1期工事経過報告

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1月31日から、旭山動物園の坂東さん、小林機械鉄工の田野さん、大成建設の水谷さン、ファンさん、BCTのレイモンドさん、BCTジャパンの坪内さんたちがLOT8の建設現場に入りました。雨が続き、工事は予定より遅れていますが、スタッフコートはできあがり、パドックは、コンクリート、アンカーの基礎工事はほぼ終了。ただ、柵はまだ立てていない状態です。柵自体を組み立てるのは時間もかからないのですが、アンカーの上に固定していく作業が悪天候のためできていない状態だそうです。

たくさんのゾウの死骸が見つかったばかりで、LOT8にきていた現地のレンジャーたちはすぐ大量死(毒殺と疑われている)の調査に散って行ったそうです。二度とこんなことが起こらないように、一刻も早くレスキューセンターを建設したいものです。。

2013/1/9更新
レスキューセンター工事報告。

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12月20日~22日、旭山動物園の坂東園長、小林機械鉄工の田野さん、大成建設の丹下さん、ファンさんが現地入り、地元建設業者のA-oneとパドックの最終の打ち合わせを行いました。A-oneの事務所は12月上旬近隣からのもらい火で被害を受けたと聞いていたので日本では心配していましたが(人的被害はなかったそうですが、火事の現場写真は地元新聞の一面のトップになっていました)、社長以下元気いっぱいだったそうです。建設現場では作業員が頑張っていたそうですが、やはり雨だと進行は遅れ気味になっています。テルテル坊主を作りたい心境です。

2012/12/20更新
仔ゾウのパドック改良工事終了。

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仔ゾウだけでゆったり遊べるパドックもおかげで、ヤピは元気になったし(まだよく吐きますが、回数・量は減っています)、ほかのゾウものびのび楽しそうそうです。

今度はゾウのやんちゃが問題に・・・看板は倒してしまうし、柵の間から鼻をだして、見学に来た子どもをフンっと押してしまったり・・・子ゾウとはいえゾウはゾウ、鼻先でちょっとつつかれるだけでもズボンに跡はtくし、けっこう痛いもの。安全のために改良工事を行いました。改良は縦方向にバーを追加することで、鼻をめいっぱい外に出すことができなくなりました。これで子どももゾウも満足してくれると多いのですが・・・。

2012/12/5更新
レスキューセンター工事報告3

11月24日、サバ州野生生物局のローレンシャス局長、旭山動物園の坂東さんらが参加して起工式が行われました。建設予定地では、10月末から地盤整備が始まり、起工式では最初のフェンスが設置されました。

1. 地盤

11月22日、日本から旭山動物園の坂東さん、フェンスを製作した小林機械鉄工の田野さん、建設全般のスーパーバイズをしてくださっている大成建設の水谷さん、丹下さん、ファンさん、自もちの建設業者A-one、BCTの坪内さん、TVクルーで、8台の車でまずは現地を見に行きました。前日の雨でプランテーション内の道路はぐちゃぐちゃ、案の定、坂道で1台の車がスタック。真っ先に車から飛び出してきたのが丹下さん、力自慢がみんなで押しましたが、全然動かず・・・とりあえずほかの車に分乗して現地へ(スタックした車は後でトラクターにひっぱってもらいました)。厳しいのは2キロほどですが、その後もあわやという危機は2-3回、到着した時は一仕事終えた気分でした。小高い丘の裾に沿って整地されていましたが、半年前にきたときに比して、丘がずるずると崩れてきていました。地面は乾いている灰色で硬い感じがしますが、斜面は体重をかけるとがさっと大きな塊で崩れていきます。崩した土を置いている部分はふにゃっとやわらかく心もとない感じです。

2. コンクリートの基礎

起工式に設置するフェンスの基礎工事が進行中でした。地面に1メートル幅の穴が掘られ、仕切りの板がいれられ、コンクリートを直接流し込んでいました。社長自ら陣頭指揮、作業員はふうふういっていました。作業員は、Tシャツ、短パン、ゴムぞうりの軽装・・・熱中症にならないのか不安。

フェンスを4基積んだトラックが到着。遠くからみても、強そうなフェンスに見えました。

3. 起工式

11月24日、スタックしてしまう危険性を考えて早めに出発したら、本当に早くついてしまい、何の日陰もない炎天下で、頭がぼーっとしてきました。A-oneのスタッフはおそろのTシャツを着て折りたたみ椅子や飲み物、傘(日差し除けに有効!)を準備。式典は、大成クアラルンプールのファンさんから経緯の説明、SWDのローレンシャス局長・坂東さんのあいさつと続き、関係者がフェンスのボルトを締め、1本締めで終了。マレーシア、日本両国のTV取材が入り、たくさんの人にインタビューしていたこともあり、盛り上がっていました。

この2日間での工事の進行具合は目を見張るもの、この調子で完成してほしいと心から祈っています

2012/11/21更新
レスキューセンター報告2 整地作業は頑張って進められています。
が激しい雨が降ると土がなかなか乾ききらず、バックホーも出番待ち。

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レスキューセンターの建設現場には10月末から、大成建設(株)OBの駒木さんがボランティアで入って下さり、写真と進行状況をレポートしてくださっています。現役時代インドネシアやサンダカンにも赴任していた駒木さん、専門知識はもちろん、マレー語も話せるので、レポートを読むと現地の様子がよくわかり、本当にありがたいです。

雨は1日中ずっと降っているというわけでなくても、激しい雨が2~3時間降ると地面がドロドロ、ねちゃねちゃ。土があり程度乾かないとバックホーも入れないので、乾くまでは、出番待ち。作業員は現場近くの農道をタイヤショベルと人力で手入れしていたそうです。

11月24日の起工式に基礎工事が間に合うといいのですが、こればっかりはお天気次第だそうです。テルテル坊主を日本でせっせと作っています。

2012/11/10更新
レスキューセンター工事報告 その1

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10月下旬から、建設予定地ではアクセス道路の補修、整地が始まっています。カンカン照りかと思うと激しい雨が降ってきて、道路や敷地の状態は厳しいようです。雨だとドロドロ、晴れてもなかなか道路は乾かず、乾いたかと思うと今度はひび割れているようです。予定地の丘もずるずる崩れてきているようです。

11月7日、日本から小林機械鉄工(株)の山田さんが柵の組み立て指導に入りました。現地の建設業者の倉庫は蒸し暑くて大変だったようです。

2012/10/3更新
レスキューセンターの資材、無事通関しました。

LOT8につくるレスキューセンターの資材は、8月に苫小牧港を出発し、9月にサンダカン港に到着。無事に通関も終え、建設業者の倉庫に荷卸しされました。必要書類がそろっていてもなにかと時間がかかると覚悟していたのですが、すんなり通れてびっくりです。これも、(株)郵船ロジスティクスサンタ大成建設(株)をはじめとする皆さ真野おかげです。ありがとうございました。10月から基礎工事にかかり、12月末の完成を目指しています。

2012/8/30更新
レスキューセンターの資材、ボルネオに向けて出発しました。

ボルネオゾウのレスキューセンターはとりあえず第1期工事から始めます。第1期工事は、ゾウの小規模なパドックとスタッフコートなど最低限の付帯施設、移動用檻を予定しています。パドックはステンレスのフェンスで囲む方式で、対象は成獣になる前のボルネオゾウです。成獣の力に拮抗できる強度の施設は、予算的にも技術的にも(地盤が弱い)難しいので、今回は見送り。

ステンレスのフェンス、移動用檻は旭川の小林機械鉄工(株)で製作され、郵船ロジスティクス(株)のご協力で、旭川から陸路で苫小牧、そこからボルネオ島のサンダカン港まで運ばれます。なにせコンテナ4台分の大荷物、荷物を運び出すだけでも数日かかりました。無事通関も終え、8月17日無事苫小牧港を出発しました。

お盆のさなか、関係者の皆さまには本当にお世話になりました。一歩ずつ実現に近づいています。

2012/8/2更新
レスキューセンターのフェンス製作中

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レスキューセンター第1期工事は、ボルネオゾウを群れで一時的に収容できるパドックの建設。

スティールの柵(フェンス)を間隔をあけて並べていく方式で、工事が難しくないように、柵と柵の間からレンジャーが逃げられるように、また風が吹き抜けるように考えられています。内側からかかる4トンの力には耐えられるし、パドックの中にいるゾウが柵に鼻をまいて壊さないように外側に鬼ピンがついています。

8月上旬に苫小牧を出港できるように、今は旭川の小林機械鉄工(株)で製作中。輸送をお願いしている郵船ロジスティクス(株)の担当者とも打ち合わせ、輸出品リストの作成も始まっています。

2012/6/20更新
地元説明会(ローカルカウンシル)で
レスキューセンター建設のためのプレゼンテーションを行いました

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6月7日、LOT8がある地区の議会で、レスキューセンターのプレゼンテーションを行いました。ボルネオゾウの現状、レスキューセンターの必要性、1期工事のデザイン、仕様などを説明しました。近々に許可がおりる予定です。アクセス道路の補修などいろいろ課題はありますが、8月着にむけてプロジェクトは進んでいます。 なお、7月10日、ローレンシャス局長、SDWの地区リーダーフシンさんを迎えて、旭川でレスキューセンター報告会を行います。詳細は後日アップします。

現地の新聞報道はこちら

2012/6/13更新
ロッカウィの仔ゾウのパドック、開所式が行われました。

ゾウが土の上で自由に体を動かせるようにつくったパドックは、ロッカウィワイルドライフセンターの入り口正面の階段を上ったところにあります。5月25日、パドックの開所式があり、BCTジャパンからは現地在住の岸さんが出席しました。新聞報道はこちら

2012/5/7更新
群れに入れないみなしごゾウのために
ロッカウィワイルドライフパークに専用パドックをつくりました。

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アブラヤシのプランテーションを荒らすボルネオゾウは「害獣」として通報され野生生物局に保護され、保護区に戻されます。しかし、仔ゾウは群れを離れては野生では生きていけないので、やむをえず、ロッカウィワイルドライフパークに収容されます。

ロッカウィではゾウが群れで飼育展示されていますが、あとから保護された仔ゾウをそこに入れると蹴飛ばされたり、追い回されてしまいます(ロッカウィで生まれた仔ゾウは群れの大人ゾウたちにかわいがられています)。危険なので、今までは仔ゾウ5頭はバックヤードに係留されていました。自由に歩き回ることも、仲間と触れ合うこともできませんでした。

仔ゾウの専用パドックがあれば、土の上を自由に歩き回れて健康にもいいし、社会性も育つということで、BCTジャパン、現地の企業が建設資金をサポートし建設しました。構想から9か月!やっとこの4月、パーク内に、仔ゾウ専用の小さなパドックができあがりました。細かくみていくと門扉のカギは大丈夫だろうか? 溶接が稚拙でもつのだろうかと気がかりはあるのですが、とにかくできてよかったです。オープニングの前日だったので、仔ゾウの遊ぶ姿は見られませんでした。毎日吐いていて発育不良のヤピ(7歳)、ここで元気になってくれることを祈ります。

BCTジャパンは57万円(建設費用の約45%)を寄付しました。皆さま、ご協力ありがとうございました。

BCTからの感謝状(寄付証明)はこちら

2012/4/25更新
レスキューセンターの図面についてSWDと合意しました。

2011年6月レスキューセンターの図面を掲載しましたが、SWDの要望、現地のさまざまな事情、大成建設のアドバイスなどを総合的に考え、旭山チームが新しく図面を引きなおしました。

MPOCからの支援金(1億5000万円)、SWDの道路建設予算がきたら、SWDとBCTは本格的なBES(ボルネオエレファントサンクチュアリ)を建設する予定だそうですが、とりあえず現在の状況を打破するために小規模な施設からスタートさせることになりました。

この施設は、レスキューしたゾウの一時的な保護施設で長期飼育はしないこと、成獣オスは収容しないこと(現在、大きすぎて、入れる檻もないし、ゾウを入れた檻をつりあげるクレーンもなく、運搬する車両もないので、実際問題として捕獲できない)、予定地周辺は野生ゾウが通らないこと(外から施設を壊されることがない)ことを前提にしています。

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*模型と配置図は4月の現地視察にともない変更する部分もあります。

1. レスキュー活動ができる最低限の設備をつくる

ゾウのパドック(日よけ、水飲み場つき・・模型にはありません)、移動用檻(大きなゾウの一時収容も可能)、井戸、スタッフコートを基本としています。

2. パドックは柵方式

当初の山を削る方式は、風が吹き抜けないので熱がたまる、工事費が高くつく、工期が長くなるなどの理由で、柵方式に変更しました。

150cm幅の柵は、土中に60㎝埋められ、支柱で支えられているので、内側から4トンの力がかかっても耐えられます。柵の外側にはトゲトゲをつけるので、ゾウは鼻をまくことができません。柵なので風も通るし、ゾウが足をかける箇所もありません。

*模型では、山の斜面は蛇かご(砕石をいれる金属の籠で、土嚢のような役割をする)を積んでいますが、4月の視察で柵に変更することになりました。

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3. パドックは振り分け

群れごと収容される可能性があるので、小さな群れなら群れごと収容しようと考えています。掃除などもできるよう振り分け式です。

4. 日本で部材を製作、現地では組み立てと設置をおこなう

柵など日本で製作、現地では組み立てと設置を行います。現地の資材の品質、技術水準がわからない、現地製作の場合意図を伝え管理する人がいない、現地での作業は予定がたてにくいなどの理由から、今回は日本での製作をベースにしています。今回うまくいけば、将来的には現地での部材製作もできればいいと考えています。

5. 総予算は3000万円

予算は3000万円を確保し、大きくわけて、部材製作、輸送費、図面や模型、日本からの派遣交通費などで1800万円、現地での測量、工事費などで1200万円と考えていました。ただ、この4月現地に行って、プランテーション内の道路の補修費用、柵の追加(じゃかごを使用予定部分を柵に変更)などで予定以上に費用が掛かることがわかりました。予算の中でやりくりすべく、パドックの仕様など変更することも考えられますが、皆さまのより一層のご協力をお願いします。

■ 模型の説明

4月のSWDとの打ち合わせ、現地視察を経て、変更点があります。

  1. 山の斜面に積んでいるじゃかご(砕石を入れる金網のかご)は使わず、外周はすべて柵に変更。
  2. パドックには、ゾウのために日よけ、水飲み場をつくります。
  3. 井戸、スタッフコートは模型には含まれていません。
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2012/4/20更新
レスキューセンター1期工事について、SWDと旭山動物園が合意に達しました。

#ローレンシャス局長
坂東さんらの話し合い

#レスキューセンターの模型

#フシンさんとの打ち合わせ

4月12日、サバ州野生生物局(SWD)のオフィスで、坂東元旭山動物園園長からのLOIとローレンシャスSWD局長のLOAをかわしたので、レスキューセンターの第1期工事に関して合意に達したことになります。

局長室に模型をもちこんだところ、みんなが「わあすごい」という感じで一気に「やるぞ」というムードが盛り上がりました。

模型は、諸事情で現地の測量ができなかったので、衛星画像から等高線データをNTTデータに作成してもらい、図面と模型をIA研究所、小林機械鉄工が製作したものです。模型にはゾウもトラックもついていて、夢が膨らみます。

段取りをつめるためにマスタープログラムを作るなど、大成建設のファンさんからアドバイスがあり、具体的にプロジェクトが動き出しました。

4月13日には、SWDのキナバタンガン地区の責任者フシンさんに会い、行政や税関の手続きなどをお願いしました。

8月の着工にむけて時間が限られているのに、やることはたくさん・・チームワークで何とか乗り越えたいものです。

2012/4/20更新
レスキューセンター建設予定地は、豪雨で道は通れない、丘は崩れ気味...
さまざまな予定変更が予想されます。

#プランテーションの中の道路
スタックした車は捨てて歩く

#丘が崩れ気味

#予定していた場所より
奥にずらすことに

4月13日、SWDのレンジャーとともに、建設予定地に赴きました。通常は予定地の丘のふもとまでプランテーション内の道を四駆ではいれるのですが、連日の豪雨のため、四駆もスタック。最後の1kmは徒歩。プランテーションの中は湿地状態で、足元はどろどろ、靴は脱げる、小川にはまるなどさんざんな思いをすること40分!やっと丘にたどり着きました。丘のふもとから予定地までの道路は整備しなくてはと考えていましたが、ふもとにたどり着くまでの道は計算外。砂利をいれる費用を考えると頭がいたいです。

パドックを予定していた場所は、丘が崩れてきていたので位置をずらすことにしました。また、法面はじゃかご(砕石をいれる金網のかご)を積む予定でしたが、人力では大変そう。全部を柵で囲う案もでてききましたが、そうなると経費もふくらみます。

建設現場に、現地の工事に慣れているファンさんと一緒にいったことでいろいろな問題も見えてきました。予算も含めて、再度の検討が必要です。

今、プランテーション内をうろつき問題視されているボルネオゾウは約70頭、レスキューセンターが間に合うことを祈ります(レスキューセンターは一時保護の場所、ずっとそこで飼育するわけではありません)。

2012/2/2更新
レスキューセンター予定地の等高線データを元に、旭山動物園で打ち合わせをしました。

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野生生物レスキューセンター建設予定地は、キナバタンガン下流域の保護区(LOT8)の中の一角にある80ヘクタール。といっても大きな氾濫があると水没すると困るので、建設可能なエリアは限られてきます。

今回は、候補地周辺の500メートル四方の等高線データをNTTデータさんにお願いしました。衛星画像から作成するそうですが(すいません、仕組みは理解できてません)、2メートル間隔で等高線データができてきました。NTTデータさんには、納期、費用面などでもいろいろご協力いただきました。本当にありがとうございました。

中央にはふたこぶの山(丘?)、(右上から左斜め下)と(右上から真下)に走っている2本の白い線は道路です。道路わきにたくさんある、白っぽいぼつぼつがアブラヤシです(1本ずつ判別できる)。

等高線で「60」と表示してあるあたりは、前回の大規模氾濫のときに水没したといわれています。となると、ふたこぶの山の中腹当たりかなという話になりました。続きは後日報告します。

*打ち合わせ日、旭山はマイナス6度。日差しがあるうちは心地よい寒さなのですが、夕方になると耳が冷たくて痛く感じるほどでした。

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2011/9/15更新
プランテーションの協力で、ボルネオゾウの通り道が確保されました。

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2011年8月、キナバタンガン下流域のスカウ村の近く、Melapi丘にあるYu Kwang開発とProboscis Lodgeは、ボルネオゾウの保全対策を発表した。両者はその敷地内に「ゾウの回廊」を作ることにしたのだ。具体的には、ゾウの侵入阻止のための電柵を移動させ、幅50メートル、長さ1キロメートルの空間をゾウに提供する。Melapi丘はボルネオゾウがキナバタンガン川を渡る地点で、「サラヤの森」「ハンティングワールド共生の森」「ダヤンの森」などがある緑の回廊の中でも優先順位の高い場所だ。また、当事者であるプランテーションが今できる現実的な解決法、「初めの一歩」をふみだしたことも大きな意味がある。この小さな一歩が将来に続く一歩でありますように。

2011/8/31更新
ボルネオ寄付つき自販機、全国で108台つきました。
レスキューセンター設立資金に使わせていただきます。

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8月末、大成建設千葉支店の作業所(外環状線田尻)に7台も設置されました。皆様のご協力で、全国で108台、毎月20万円~50万円が恩返しプロジェクトの資金となっています(設置台数や季節によってかなり差があります)。2010年秋この資金でゾウの移動用檻を製作して寄贈しましたが、その後はいよいよレスキューセンターの建設にむけて準備を進めています。皆さまの気持ちを、形にしていきます。今後ともよろしくお願いします。

【8/11】野生生物レスキューセンター、来春着工予定。模型制作、坂東チームの現地視察と準備を進めています

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アブラヤシのプランテーションを荒らして害獣扱いされているボルネオゾウ、キナバタンガン川下流域では人間とのトラブルが増え、ゾウと人間双方の被害が拡大していまいます。現在はプランテーションを荒らすゾウを捕獲して森まで運んで野生に戻す対策(トランスロケーション)を行っていますが、今では戻すべき森ははるか遠くにしかありません。ボルネオゾウを一時的に保護、治療、馴致する施設が早急に必要です。

BCTジャパン、旭川市旭山動物園は、サバ州野生生物局(SWD)、BCTとともに野性性ぶちレスキューセンターの建設を目指しています。まずは、その第一弾として、2012年春のゾウのユニットの着工を予定しています。大まかなスケジュールとしては、2011年秋現地の測量などの調査、SWD,旭川市旭山動物園、BCTジャパンの覚書締結、2012年春着工です。

この6月には、坂東さんチームが視察を行い、今は、工法などについて専門家のアドバイスを伺ったり、具体的なイメージを持つために模型を製作したり、資金調達を行っている段階です。みなさまのご協力をお願い致します!

左の模型は200分の1。ミニチュアのゾウは100分の1なので、かなり大きめです。

【9/21】ゾウの救出活動・体験報告記

野生のゾウの群れを見た!

ロッカウィでの贈呈式を終え、翌日はセピロク・オランウータン・リハビリテーション・センターを見学(ここでも、消防ホースがオランウータンの子どもたちの木登り訓練に使用されていました)、サンダカンから、キナバタンガン川をスカウ村までボートで移動しました。河口付近は、片岸はニッパヤシ、対岸はマングローブ・・・川の蛇行にしたがって、入れ替わっていくのが面白かったです。

途中、一転にわかに掻き曇り、ものすごいどしゃぶり。雨具をもっていても着る暇がなく、ほぼ全員ずぶぬれ状態(坪内さんと中西さんは対応が早く、涼しい顔)。前から殴りつけるような雨なので、ボートの前に乗っていた人たちが後ろに移動・・船長にバランスが崩れるから動くなといわれる始末。ボートの床も濁流状態で、靴もズブズブ。「石けんつけとけばなかった」と開き直り発言も。1時間後やっと雨があがったら、「ゾウがいる!」と坪内さんの叫び声。河岸の木の隙間から、鼻と体が見えました、2頭! バキッという小枝が折れる音、バオというゾウの声・・・ボートを河岸に寄せ、息を潜めて見つめます。5mほど離れた場所にも見えました。2頭のゾウが奥の方へ姿を消しました。「群れでいるようです。静かに目立たないように」・・・坪内さんを先頭に、オレンジ色のライフジャケットは脱いで、上陸。岸を上がると、道路の向こうの草むらに30頭~40頭のゾウの群れ。赤ちゃんもいます、ゆったりと草を食んだり、おっぱいを飲んだり・・・圧倒される存在感です。この辺では有名な、片牙のオスのゾウ「キング」もいます。

おとなのゾウがこちらを見て、威嚇します。「威嚇したら、後ろに1歩ゆっくりさがって」・・・ゾウは何事もなかったかのようにお尻を向けました。

ゾウの群れの奥はアブラヤシのプランテーション、アブラヤシの実を積んだトラックが道路を通っていきます。見慣れてるのかゾウはトラックには見向きもしません。最初はゾウに目を奪われていましたが、冷静になると、トラックの走る道路とプランテーションに挟まれた草むらにいるゾウの群れ・・シュールな風景でした。

プランテーションでのゾウ探し

今回のゾウの「トランスロケーション」は、タワウ近く(といっても町から車で2時間強)のプランテーション。8000ヘクタールの敷地に、この8月からゾウが出没。「アブラヤシを荒らされた」「運動場で遊んでいた」「夜家の近くにいてこわくて外出できなかった」と住民から苦情がでてプランテーションからサバ野生生物局に要請がありました。野生生物局はレンジャーを派遣し、ゾウを2週間ぐらい追跡調査。ほぼ行動パターンがわかり、ゾウの檻の到着を待って救出活動を始める予定でした(ほかの檻は修理中のため、使用できず、新品を心待ちにしていたそうです)。

スカウから四輪駆動でタワウを経由してプランテーションに入ったのは夜10時過ぎ。翌朝6時ゾウの探索開始の予定でしたが、朝になって、8時にプランテーション、野生生物局、日本チームのブリーフィングに変更。「1ヶ月もゾウがいるんで仕事にならない」とプランテーションの人がこぼしていました。レンジャーたちはずっとゾウを追っていたのですが、この2,3日動向がつかめない(新しい足跡や糞がない、目撃情報がない)とのこと。2つの班にわかれて車で、プランテーションの中、ゾウの痕跡を求めて探索。古い糞や足跡はあるものの新しいものは見つからず、住民に聞いても「1週間ぐらい前に見たよ」といった程度。また、ゾウは2頭という話でしたが(運動場にいたときの写真がある)、目撃情報が同じ個体かどうかもよくわかりません。プランテーションの脇の小さな森にも行ってみましたが、車では奥まで入れず、「こういうとこに静かにいたら見つけられない」という感じ。夕方まで探しましたが手がかりナシ。

翌日も朝から探しましたが、一緒にいたプランテーションのマネージャーも「もうゾウは逃げたんじゃないか」と言い出していました。結局、日本チームはその日で現場を離れ、「緑の回廊」対象地へ。レンジャーたちは残って探索続行しました。

たった2日間の探索でしたが、ずっとプランテーションの中にいて、その広さを実感するとともに、改めて野生動物の調査のむずかしさを身をもって感じました。

ゾウのケージ、早速使用されました

その2日後、「ゾウ2頭を捕まえた」の一報が入りました。帰国する日だったので、坪内さんと取材チームだけが現場に駆けつけました。ちょうとハリラヤ(断食明けのお祝い)でいろいろな業務がストップ。小さい方のゾウは、先日贈呈したケージに入れられ、移送を待機していたそうです。(捕まえたゾウの写真は、サバ州野生生物局提供)

同じころ、殺されたゾウもいた…

9月17日付けのサバの新聞に、キナバタンガン川に流されたゾウの死骸の写真が掲載されました。KJCのスタッフが死骸を見つけて撮影したそうです。ゾウは5才ぐらい、銃創が2箇所、誰かに銃殺されたのでしょう。KJCは、私たちが緑の回廊を見学した日に泊まった施設、ナイトクルージングしたときに、森の中からゾウの声、バキバキと枝を折る音が聞こえていました。もしかして、あのときにいたゾウだったのかと思うと・・・緑の回廊やトランスロケーションなど皆さまのご協力で少しずつですが活動は進んでいます。その一方で、現場の事態はものすごいスピードで悪化していると思うと、いてもたってもいられません。

【8/3】移動用ケージ製作秘話 田島工業 田島善幸(代表取締役社長)に聞く

ゾウを入れるケージだから、さすがに大きいですね。どのくらいの大きさですか?

タテ3836mm×ヨコ1709 mm×高さ2500 mmです。旭山動物園の坂東園長が、現地で今使用されているケージのサイズ、日本の動物園にゾウが送られてきたときの檻のサイズなどを検討して、このサイズにしました。移動のときだけでなく、短期間入れておくことができるので簡単な治療も檻の中でできるそうです。

頑丈そうで重そうですが、重量はどのくらいありますか?

重そうに見えるでしょうが、重量は1100kg、この大きさの檻としてはぎりぎり重量を抑えています。現地ではユニックで持ち上げるので、重量はゾウと檻で3トンが限界と坂東園長から聞き、バーを空洞にする(中に補強をしている)、軽い材料を選ぶなどさまざまな工夫をしました。2トンぐらいのゾウなら運べます。

組み立て式にした理由は何ですか?

大きな檻を運搬するのは大変だから、組み立て式にしてほしいという話でした。壊れにくいし、メインテナンスも楽にしてほしいというので、シンプルな構造を目指しました。壊れたときもパーツを交換すればいいように、正面、側面のパネル(斜めの柵部分)はすべて同じつくりのパーツです。予備を2枚いっしょに送りました。組み立ては簡単ですが、うちの技術者を派遣して、しっかり技術移転してきてもらうつもりです。

柵が斜めになっている理由はなんですか?

コレも動物園からの要望、ゾウは鼻をまきつけてモノを持ち上げたり、ひっぱったりするそうですが、斜めになっていると力が入りにくいそうなんです。長いことこの仕事をしてきましたが、檻の鉄柵はタテか横、水平方向か垂直方向に溶接するのがふつう、斜めに溶接するのはけっこう大変でした。また、鉄柵は人間が手を入れられる間隔でつけてあるので、檻の外から治療や世話をすることができるそうです。

製作してみた感想はいかがですか?

ゾウの檻、それも移動用なので軽くないといけない、苛酷な自然条件に耐えないといけないとさまざまな条件がついたので、旭山動物園と相談しながらの仕事でした。檻が熱くなるといけないと思い、熱くならない塗料も使ってみました。初めてのことが多かったので苦労もしましたが、ボルネオの現地で役立ててもらえるとうれしいです。ただ、野生のゾウが相手なので、思わぬところが壊されるかもという覚悟はしています。試行錯誤を重ねていきたいですね。

【7/6】「ゾウの移動用ケージデザイン会議」ゾウの移動用ケージ製作プロジェクト報告 No2

旭山動物園で、坂東園長、ケージ製作の田島工業の担当者でデザイン会議。日本から運搬するにも(船便は体積で運搬費用が計算されます)、現地で使用するにしても、修理するにしても(部品交換できる)便利ということで、組み立て式に決定。現在は製作に入っています。

7月21日、ゾウの移動用ケージの贈呈式を旭山動物園のオランウータン舎近くで行います。

【6/29】ゾウの移動用ケージ製作プロジェクト報告 No1

現地で使っている移動用ケージの図面を取り寄せると、ケージの幅、高さがかなり大きいもの。ケージは小さすぎるは論外ですが、大きすぎるとゾウが自由に動けて、鼻をかけてひっぱるなどしてかえって危険だそうです。

5月末、実際にどんな大きさ、どんな作りのものが使われているのか、板東さんたちと上野動物園へ見学に行きました。ゾウ飼育担当者たちから、ゾウ施設を案内していただき、インドやタイから送られてきたケージの資料や現物を見せてもらいました。

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