食品不正を疑われて鑑識が行われたものの、DNA検査の結果、本物だと確認されたケースも少なくない。
外国産牛肉ではないかと疑われ押収されたソウル市内の韓牛(韓国在来種の牛肉)専門店6カ所のうち、4カ所は本物の韓牛を使っていた。ウシやブタは種の識別だけでなく、国産か外国産かも識別可能だ。有名寿司チェーン店4カ所のタイ寿司も本物のタイだった。ティラピアをタイだと偽って売っていたチェーン店と比べると、本物を売っていた店のタイ寿司の値段は3-5倍だった。
本物だったためにかえって問題になったケースもある。今年2月に警察に押収された中国産「人肉カプセル」からは本物の人体の成分が検出された。
国立科学捜査研究所に集まった疑惑の食品の数々は、これまでどれだけ多くの食品不正が堂々とまかり通ってきたかを示している。警察庁関係者は「『4大悪』摘発に関連して食品不正の取り締まりに乗り出したが、最初は食品不正がどれだけあるのか実態がつかめていなかった。だが、摘発件数が予想をはるかに上回っている上、特殊なケースも多く、警察庁としても驚いている」と語った。国立科学捜査研究所関係者は「まだ摘発されていない食品不正の方がはるかに多いだろう。証拠物に対する鑑定が進めば進むほど、安心して食べられる物が減るのではという懸念もある」と言った。