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カネボウ―過信を防ぐシステムを

顧客ばかりか、専門家である医師からの情報まで軽くみていたことは深刻だ。カネボウ化粧品の美白化粧品を使った1万人近い顧客に、肌がまだらに白くなる症状が出た問題で、外部調査[記事全文]

資源国外交―民主化と安定を主眼に

資源国との関係強化は大切だが、目先の思惑に、こだわり過ぎてもいけない。建設的で息の長い関与こそが必要だ。中央アジアで世界第4位の天然ガス埋蔵量を誇るトルクメニスタン。東[記事全文]

カネボウ―過信を防ぐシステムを

 顧客ばかりか、専門家である医師からの情報まで軽くみていたことは深刻だ。

 カネボウ化粧品の美白化粧品を使った1万人近い顧客に、肌がまだらに白くなる症状が出た問題で、外部調査の報告書が発表された。

 利用者の相談は2年前から寄せられていた。加えて昨秋以降、複数の医師から「化粧品が引き金になった可能性がある」と指摘されていた。なのに同社は今春まで動かなかった。

 「白斑は体質に由来する病気だ」という思い込みと、事なかれ主義が被害を広げた。報告書のこの指摘は重い。

 開発の段階で、自社のテストや厚生労働省の審査を通っている。日ごろ助言を受けている医師からも「化粧品で白斑はまず起きない」と聞いた。そんな過信が社内にあった。

 支社から問い合わせを受けても、「診察を受けてもらえば化粧品が原因でないと理解してもらえる」と繰り返し、軌道修正できなかった。

 開発時に白斑のテストもしていたのだから、リスクは認識していたはずだ。美白は業界の主戦場であり、カネボウの看板でもある。そこでつまずきたくない。そうした思いが目をくもらせはしなかったか。

 カネボウは親会社の花王とも連携し、トラブル情報を共有する仕組みを見直す。それは当然だが、聞きたくない情報に耳をふさぐ姿勢を正すには、身内だけの共有では心もとない。

 厚労省や学会、メーカーは来年1月をめどに、トラブル情報をウェブで集めて共有するシステムをつくる。再発をふせぐ良い手だてになるだろう。

 厚労省の審査のありかたも検証してほしい。

 美白成分が白斑を起こすメカニズムは未解明だが、発症は夏場が多く、強い日差しで成分が変化して毒性を持つ可能性が疑われている。審査の過程で懸念を口にした委員もいたが、深く検討されずに終わった。

 カネボウの申請書は、類似物質による白斑の症例を指摘した論文にふれていた。審議会で原典にあたっていれば突っ込んだ検討ができたかもしれない。

 薬用化粧品の安全性テストの方法はメーカーに委ねられている。今回、化粧水やクリームなど同じ成分を含む商品をいくつも使っていた人ほど発症率は高い。併用を想定した試験が不十分だった可能性がある。

 テスト方法に指針は要らないか。実際の使われ方に即したやり方を工夫できないか。検討すべきことは多い。

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資源国外交―民主化と安定を主眼に

 資源国との関係強化は大切だが、目先の思惑に、こだわり過ぎてもいけない。建設的で息の長い関与こそが必要だ。

 中央アジアで世界第4位の天然ガス埋蔵量を誇るトルクメニスタン。東アジアで石炭や銅、レアメタルなどの鉱物資源が豊かなモンゴル。この二つの資源国から首脳が相次いで来日し、安倍首相と会談した。

 トルクメニスタンとは、資源開発を中心に日本企業の参入を増やすことで一致した。今後、ガス化学関連プラントの建設など、総額1兆円規模の事業が両国企業の協力で実施される。

 モンゴルとも、石炭の長期安定供給などで合意した。

 かつて中央アジア諸国はソ連に属し、モンゴルもソ連の衛星国だった。ともに資源が豊富なうえ、中国とロシアにはさまれたユーラシア大陸の要衝に位置する重要性も共通する。

 「アラブの春」後の混乱やシリア情勢などで、中東からのエネルギー供給をめぐり急速に不透明感が広がりつつある。こうした時に、新興の資源国と日本が関係を強めておく意味合いはますます大きくなっている。

 一方で、懸念もある。

 トルクメニスタンとは今回、どの国であれ、国際舞台での「力による一方的な現状変更」に反対を確認した。モンゴルとも「自由と民主」など共通の価値観に基づく協力で合意した。

 尖閣諸島問題や中国の共産党一党支配をにらんで安倍首相が進める「価値観外交」が、ここに色濃く反映されている。

 しかし、中国の習近平(シーチンピン)国家主席も最近、中央アジア4国を歴訪し、トルクメニスタンからの天然ガス輸入を大幅に増やすことで合意するなど、資源外交で多くの成果をあげた。

 中央アジア諸国でもモンゴルでも、貿易や外国投資の圧倒的な部分を中国が占める。隣の中国の強大な経済力は、国づくりでも、資源開発のうえでも、やはり頼らざるをえない。

 そんな現実を考えれば、日本が主眼を置くべきは、この地域での中国への地政学的な対抗ではなかろう。一党独裁で国家主導型経済の中国には難しい、民主主義や公正な市場経済、投資環境を根づかせる支援だ。

 多くの中央アジア諸国では、政権がメディアや司法を牛耳り、反対派を締めつける強権が独立後ずっと続いている。健全な野党や中産階級は育たず、「アラブの春」のような反政府運動の恐れを潜在的に抱える。

 そうした不安を取り除く着実な支援こそ地域の安定につながり、日本の利益にもなる。

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