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ワールド&インテリジェンス

ジャーナリスト・黒井文太郎のブログ/国際情勢、インテリジェンス関連、外交・安全保障、その他の雑感・・・

シリア情勢の論点

 ここ最近、当ブログのシリア情勢コラムに対する匿名の方の異論を、コメントにいただきました。なるほど頷ける部分もありますし、そうでない部分もあります。いずれにせよ、この分野は私も強く訴えたいところが多々あるので、匿名の方に対する反論を、新規エントリーとして書いておきます。匿名の方以外にも、再反論は歓迎します。
(どのような異論を寄せていただいたかご興味のある方は、トップページ右下の「コメント」からご確認ください) 

 まず、一見してわかるように、シリア情勢に関する私の立場は、完全に反アサド政権であり、自由シリア軍支持です。その「一方的」なスタンスに違和感を感じる読者の方もいらっしゃるようです。
 従来から、国際紛争に関して一方的で排他的な言論というのは常に存在していますので、私のブログを初めてみると、それと同じと受け取って不快に感じる方は他にも大勢いらっしゃると思います。
 その点はいちおうそれなりに情報収集・分析した結果であることを、拙ブログでは以前からお伝えしてきたつもりですが、拙ブログを遡って読むほど皆様お暇でもないでしょうから、それはしかたないと思います。
 本来なら初めての方にも理解していただけるように丁寧に記述すべきなのでしょうが、本業の合間の作業なので、なかなか手が廻りません。また、日本ではメディア報道がかなり温く、シリアの惨状がいまいち伝えられていないので、あえてインパクト重視の扇動的な書き方にしたことも多々あります。
 まあいろいろ考え方はあるでしょうが、独裁強権の秘密警察体制を喜ぶ人なんてどこにもいないことと、問題はデモを虐殺した側にあるということぐらいは分かって欲しいと思っています。
 最近になってシリア情勢のニュースを見た人は、内戦=権力抗争と思うのかもしれませんが、自由シリア軍などというのはつい最近のことであって、それ以前、半年以上もの長きにわたって、バッシャールは非武装の国民を一方的に殺害し続けてきました。
 独裁者というとずいぶん聞こえがいいですが、結局、彼は大量殺人犯です。殺人者にも言い分があるのでしょうが、まあ私には許せませんね。
 両方の言い分を聞こう、というスタンスは、通常なら健全だと私も思うのですが、戦闘機で市街地が爆撃されているシリアの現状は、そんな甘いものではありません。
 日本にどうせよというのは国民の考え次第で結構と思いますが、シリアの現状が一部で誤解されている件に関しては、私は現在決死の思いで戦っている人々がいることを知っているので、そこは適当にスルーせず、きちんと論破せねばならないと考えています。
 あと、シリアと北朝鮮の政権の性質は、何から何まで同じです。なので、日本の方に馴染みのないシリアのことを説明するのに、北朝鮮を引き合いに出すのは最適です。
 シリアと北朝鮮(の政権)はここが違う、という点があるなら、逆に教えていただきたいと思っております。
  1. 2012/08/30(木) 02:51:00|
  2. 未分類
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:8
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コメント

まあ、匿名の「シリアはシリアで北朝鮮は北朝鮮です」と言うのは一般論すらなって無い。白痴の独り言そのもの。

そもそもアサドが独裁者で居られるのは父親が独裁者だったという一点でだけ。

で、世界のありとあらゆる独裁者達がどんなに望んでもその地位を自分の子に継承させる事は極めて難しい。いや、ほぼ不可能と言って良い。

例えば、エジプトを三十年支配したムバラクは刑務所送り。四十年間リビアを支配したカダフィーは撲殺された。毛沢東の子孫は中国の支配層に入れなかった。

それでその例外中の例外が三代続いている異形国家北朝鮮と二代継承して潰れかけているシリアですがその点は極めて似ていますね。

シリアはアラブの中では社会主義的民族主義を掲げている世俗国家でその点も似ているのでシリアは「中東の北朝鮮」と言われても全然おかしくない。

ただ、シリアの場合にはやはり宗派争いの要素がありその証拠にレバノンでもスンニー派対アラウィー派の代理戦争が起こっている。

尤もこの点でも北朝鮮に類似点が有るとも言えるのは九十年代に北朝鮮で大量餓死者が出たのは特定の地域に集中しておりそれは政治的に金王朝と敵対する地域であり、それを察した父親の金日成が金正日を非難したら逆切れしたと言われている。

そこから金日成の息子による暗殺説が有る訳ですが裏が取れない陰謀説を黒井先生が聞く訳無いか(笑)。

アサドの息子のアサドは良くて絞首刑で多分カダフィーみたいに大衆に棒で殴り殺されて死体に小便が掛けられて終わるでしょう。
  1. URL |
  2. 2012/08/30(木) 20:03:34 |
  3. 道楽Q #-
  4. [ 編集]

白痴というのは重度の知的障害を指す言葉だと認識しています。私はその様な障害を持っていませんし、もしコメントされた方が私のことをものを知らない世間知らずという意味でその様な表現を使用したのであれば、ちょっと考えられないです。望まずに生まれ持ってその様な障害をお持ちの方に大変失礼だと思いますから、その部分においては深く反省して下さい。別にどういう言い方でも良かったんですけど、無知とかそういうので良かったんじゃないですかね?なんかコメントを書いたばっかりにそんな言葉が出てきてしまって、もしそういう言葉を見て全然関係ない方が、気分を悪くしたらどうしようと思ってしまった。後悔してます。コメントって削除できないんですかね?その部分だけでも。私の意見がどうこうとかそういう部分は残しておいてくれて構いません。
  1. URL |
  2. 2012/09/02(日) 12:29:14 |
  3. 匿名 #-
  4. [ 編集]

匿名氏、言葉狩りは止めましょう。文学的表現と言うのも有ります。では、リクエストに答えて白痴の代わりに「白痴」に変更させて頂きます。無知と言うのも厳密には差別用語になりえます。貴方は「良心的」で有ろうとするのかもしれませんが、ある人が「良心的」であると言うのならば他の人は「非良心的」という事になり極めて差別的になります。貴方は生まれてから一度も差別した事がないのでしょうかね。人は無意識に毎日差別しています。それに気が付くかどうかの問題です。自分で勝手に基準を決めて酔っていられるなんて貴方の人生は薔薇色です。
  1. URL |
  2. 2012/09/03(月) 23:13:26 |
  3. 道楽Q #-
  4. [ 編集]

匿名氏、言葉狩りは止めましょう。文学的表現と言うのも有ります。では、リクエストに答えて白ちの代わりに「白ち」に変更させて頂きます。無知と言うのも厳密には差別用語になりえます。貴方は「良心的」で有ろうとするのかもしれませんが、ある人が「良心的」であると言うのならば他の人は「非良心的」という事になり極めて差別的になります。貴方は生まれてから一度も差別した事がないのでしょうかね。人は無意識に毎日差別しています。それに気が付くかどうかの問題です。自分で勝手に基準を決めて酔っていられるなんて貴方の人生は薔薇色です。
  1. URL |
  2. 2012/09/03(月) 23:17:26 |
  3. 道楽Q #-
  4. [ 編集]

技術的問題の為にダブってしまいました。後者の方を削除して頂ければ有り難いのですが。
  1. URL |
  2. 2012/09/03(月) 23:22:47 |
  3. 道楽Q #-
  4. [ 編集]

言葉狩りという発想がすごいです。言いたい事が伝わらないのが残念です。あなたが思う事、言いたい事を言うのは自由です。でも不必要に言葉が乱暴です。わざと人に不快感を与えているようにすら思える。普通に表現してくれればそういう考え方もあるんだなぁって思えるのに。
まぁ、いいです。きっと私の発言もあなたを不快にさせたのだと思います。ごめんなさい。でも、本当に見て嫌な気持ちになる方もいると思いますから、そこだけはどうかご理解下さい。
ブログの筆者の方も不快な思いをされたでしょう。申し訳ございません。もう余計な書き込みはいたしませんので、ご安心下さい。どうもありがとうございました。
  1. URL |
  2. 2012/09/04(火) 00:50:03 |
  3. 匿名 #-
  4. [ 編集]

一応言って置きますが、ドストエフスキーの作品に「白痴(イディオット)」というのがあります。ここで「白痴」とされているのは重度の精神障害を持った人ではありません。

純粋過ぎる故に人々を不幸に巻き込む人が主人公です。

私の表現が乱暴と裁断するのは結構ですが、貴方の発言は意図的にかいつもが主題からずれている。そして自分の言いたい事だけ言って終わり。

これが何らかのイデオロギーを持った者の破壊活動か嫌がらせなら分かりやすいが、そうでないならば貴方は純粋ゆえの「白痴」だといったまでの事です。悪しからず。
  1. URL |
  2. 2012/09/05(水) 23:02:00 |
  3. 道楽Q #-
  4. [ 編集]

記事読ませて頂きました。
ありがとうございます☆
それではまた。
  1. URL |
  2. 2012/09/20(木) 00:46:02 |
  3. 匿名 #-
  4. [ 編集]

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プロフィール

黒井文太郎

Author:黒井文太郎
 63年生まれ。『軍事研究』記者、『ワールド・インテリジェンス』編集長などを経て、現在は軍事ジャーナリスト。専門は各国情報機関の最新動向、国際テロ(とくにイスラム過激派)、日本の防衛・安全保障、中東情勢、北朝鮮情勢、その他の国際紛争、旧軍特務機関など。

 著書『ビンラディン抹殺指令』『アルカイダの全貌』『イスラムのテロリスト』『世界のテロと組織犯罪』『インテリジェンスの極意』『北朝鮮に備える軍事学』『紛争勃発』『日本の情報機関』『日本の防衛7つの論点』、編共著・企画制作『生物兵器テロ』『自衛隊戦略白書』『インテリジェンス戦争~対テロ時代の最新動向』『公安アンダーワールド』、劇画原作『実録・陸軍中野学校』『満州特務機関』等々。

 ニューヨーク、モスクワ、カイロに居住経験あり。紛争地域を中心に約70カ国を訪問し、約30カ国を取材している。




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