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「風立ちぬ」生家…宇都宮が宮崎アニメの“聖地”に!

巨匠育った家、当時のまま 改装された日本家屋
宮崎駿監督が戦時中に疎開した日本家屋と現在のオーナー、トーマスあす子さん
Photo By 共同 

 長編映画製作からの引退を発表した宮崎駿監督(72)が、太平洋戦争中の幼少期に疎開し暮らした栃木県宇都宮市の日本家屋が、ほぼ当時のまま画廊に改装され、注目を集めている。公開中のラスト作「風立ちぬ」でも、主人公堀越二郎の生家のモデルとなった。引退を惜しむファンの聖地になりそうだ。市の観光担当者は「ギョーザに並ぶ名物になり得る」と話している。

 宮崎監督は1941年(昭16)に東京都で生まれ、宇都宮市に疎開。3歳から小学3年までこの家に住んだ。築80年で、洋間や14畳の和室がある木造2階建て。昨年2月に、画廊「絆和(はんな)」に改装され、作品展示中は誰でも客として入ることができる。

 玄関近くの傾斜が急な階段は、「となりのトトロ」に登場する。2階の窓からは、電車が目線と同じ高さで横切る風景が見え、「千と千尋の神隠し」の一場面を思い起こす人も多い。

 オーナーのトーマスあす子さん(36)は引っ越し先を探していた2011年7月にこの家と出合った。宮崎監督が育った家だとは家主から聞かされるまで知らず「偉大な足跡を残された方。とても光栄」と話す。

 画廊にしたのは「人が集まる場所にして」という家主の要望から。一部改装したが、炭を混ぜた黒しっくいの壁や手縫いの畳など、趣は建てられた当時のまま残した。

 「冬寒かったり、夏暑かったり大変ですが、宮崎さんの自然を大切にする作風や、独特の世界観を感じ取ることができる趣のある家」と話す。

 “巨匠の家”は噂となり、時にはトーマスさんが応対しきれないほどの客が殺到している。

 ただ、複雑な思いも。「宮崎さんを宣伝のダシにしてると思われるのは嫌」。展示物を素通りして家ばかり見たり、展示を行っていないとき「家だけ見せて」と訪ねてくる、心ない人もいる。

 今後も「宮崎さんの家ということを前面に押し出すことはしない」という。ただ「見たい気持ちはよく分かるし、それを楽しんでもらうのは全然構わない」とも。「宇都宮のアート面での魅力を発信する契機になれるなら幸いだし、街がにぎわえばうれしい」と話す。

 宇都宮観光コンベンション協会の鈴木洋夫さん(60)は「全国的な関心を集め得る。オーナーの意向を尊重し、要請があればバックアップしていきたい」とした。

[ 2013年9月15日 06:00 ]

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