秘密保全法制とは、国にとって特に重要な情報を「特別秘密」に指定し、それを取り扱う人を調査・管理し、それを外部に知らせたり、外部から知ろうとしたりする人などを処罰することによって、「特別秘密」を守ろうとするものです。
政府は、「今の法律では、国の安全に関わる秘密の漏えいを防ぐ管理体制が不十分だ」として、「秘密保全法制を作りたい」と言い出しました。
政府が法律を作ろうとしたきっかけは、2010年に起きた尖閣諸島沖漁船衝突映像のインターネット流出事件がきっかけといわれています。
しかし、この事件は「国家秘密の流出」と言えるものではありません(詳しくは、尖閣諸島ビデオ映像流出問題についての会長談話)。
報告書は、法律を作る必要の根拠として、他にもいくつかの情報流出事件を挙げていますが、どれも流出が発覚した直後に原因究明を行い、再発防止策がとられています。
新たに「秘密保全法」を作る必要はないのです。
想定される秘密保全法制の内容は、
- 「国の存立にとって重要な情報」を行政機関が「特別秘密」に指定する
- 秘密を扱う人、その周辺の人々を政府が調査・管理する「適性評価制度」を導入する
- 「特別秘密」を漏らした人、それを知ろうとした人を厳しく処罰する
秘密保全法制について多くの人に知ってもらうために、絵本作家の五味太郎氏にご協力いただき、分かりやすいパンフレット・チラシを作りました。
是非ご覧ください。
エッ!これもヒミツ?あれもヒミツ!あなたも「秘密保全法」にねらわれるQ&A(PDFファイル;3716KB)
いま、「秘密保全法」案が国会に提出されようとしています!(PDFファイル;515KB)
2011年8月、「秘密保全のための法制の在り方に関する有識者会議」(座長:縣公一郎・早稲田大学政治経済学術院教授)は、秘密保全法制を早急に整備すべきだという「秘密保全のための法制の在り方について(報告書)」(以下「報告書」といいます。)を発表しました。
報告書を受けて、「政府における情報保全に関する検討委員会」(委員長:内閣官房長官)は、同年10月、2012年通常国会への提出に向けて法案化作業を進めることを決定しました。
しかし、具体的な法律案は未だ国会に提出されておらず、その進展状況は全くの不透明です。
2012年通常国会への提出は見送られるとも言われていますが、それ以降の国会に提出される可能性は続いています。
「秘密保全のための法制の在り方について(報告書)」はこちら(PDFファイル;415KB)