３年以上前から減少し続けていた寄居町の人口が今年７、８月の２カ月連続で増加に転じたことが分かった。７月のホンダ寄居工場稼働に伴う波及効果とみられ、町は「町が推進してきた企業誘致施策や子育て支援策が実を結んだ」と評価している。

　町によると、外国人を含む町の総人口は今年７月１日で前月比８人、８月１日は同４０人増加。世帯数もそれぞれ４０、４２と増えている。転入者数もこの時期としては多く、単身者の転入が人口を押し上げた形だ。９月１日は同２３人減ったものの、２カ月連続の増加は異例という。

　町内にはホンダ従業員の単身者寮があり、町企画課は「寮のある用土地区を中心に人口が増えているようなので、ホンダ効果によるものが大きいのでは」と分析する。

　町の人口は今年９月１日現在、３万５６６３人。少子化の影響で、２００１年７月１日の３万８５９１人をピークに減少傾向にある。１０年４月から今年６月までの月ごとの人口推移では、増減ゼロだった１２年９月を除き、全ての月で前月を下回っていた。

　町はホンダ支援策として、寄居工場生産の車を購入した町民に、１台につき１０万円を補助する制度を４月からスタート。また第３子以降の保育料無料や中学生までの医療費全額助成など、子育て支援の充実も図ってきた。保育所の待機児童がゼロなのも強みだ。

　今後の課題は転入者の定住促進だ。一時的な居住では人口減少に歯止めはかからない。同課は「長く住み続けてもらうには、まちの魅力を総合的に上げることが必要。そのための取り組みを一生懸命続けたい」としている。

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