2013.9.15 05:04(2/2ページ)

阪神・藤浪、バレと真っ向勝負も…自滅6敗

藤浪は六回にワイルドピッチで走者を三塁に進めてしまった

藤浪は六回にワイルドピッチで走者を三塁に進めてしまった【拡大】

 普段から「集中すると歓声が聞こえなくなる」という大物だが、さすがに56号を待つ場内の異様な雰囲気には身構えた。

 「なかなか経験できない緊張感の中でやれたのは良かったです」

 第3打席も150キロ直球で三飛に斬った。三冠王すら見えてきたセ界の強敵に対し、3打数1安打。今季通算でも11打数3安打、0本塁打に封じる。歴史的瞬間を生まなかったことが、最大の収穫だ。

 プロ初完投も逃し、7回1/35安打2失点(自責1)で6敗目(10勝)を喫したが、規定投球回到達が見えてきた。ここまで123回2/3。規定投球回の144まで、あと「20回1/3」だ。ローテ通りならば残りの先発機会は3度。7回ずつ投げられれば、1年間ローテ投手として踏ん張った“証”が手に入る。

 「内容は悪くなかった。それなりに自分の投球はできました」

 引き揚げる三塁側ファウルグラウンドでも、虎党から誰よりも大きな歓声を受けた。脇役は似合わない。藤浪こそ主役だ。意地で阻止し、自らの糧とした。 (長友 孝輔)

試合結果へ

(紙面から)