企画・解説
JAXA、「イプシロン」打ち上げ成功-「スプリントA」分離
内之浦宇宙空間観測所から打ち上げられた「イプシロン」ロケット(JAXA提供)
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は14日14時ちょうど、新型固体燃料ロケット「イプシロン」1号機を鹿児島県肝付町の内之浦宇宙空間観測所から打ち上げた。木星や金星などの惑星を観測する惑星分光観測衛星「スプリントA」を載せ、打ち上げ1時間後に衛星を分離。予定軌道の投入に成功した。当初は13時45分の打ち上げ予定だったが、発射直前に立ち入り制限海域に船舶が近づいたため、打ち上げを15分遅らせた。日本の伝統技術を引き継ぐ固体燃料ロケットの打ち上げは7年ぶり。
イプシロンはJAXAが開発し、IHIエアロスペース(東京都江東区)が製造を担当した3段式小型ロケット。高コストを理由に廃止された「M5」の後継機として、低コスト・高性能化を実現。1段目は国産主力ロケット「H2A」の固体補助ロケットを転用し、2、3段は先代技術を継承・改良した。
ロケット本体は人工知能を載せ、打ち上げまでの点検作業を自動化し、打ち上げコストはM5の半分の38億円に圧縮。ノートパソコン2台による「モバイル管制」ができるなど、ロケットの新時代を拓(ひら)く象徴として期待されている。
イプシロンは当初8月22日が打ち上げ予定日だったが地上の配線ミスが見つかり、延期した5日後の27日は発射約19秒前に地上の管制計算機が姿勢異常を検知し、打ち上げを自動停止していた。実際の姿勢に異常はなく、地上の計算機とロケットが姿勢データのやりとりの際に生じる0・07秒のずれを、ソフトウエアの設計で考慮していなかったことが原因と判明。JAXAは、そのソフトの改修のほか、特別点検チームを編成して再点検を実施することで、ようやく打ち上げにこぎ着けた。
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