国際香港の最大財閥が「中国離れ、欧州シフト」加速2013.9.14 23:37

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香港の最大財閥が「中国離れ、欧州シフト」加速

2013.9.14 23:37 中国
香港の金融街にそびえる高層ビル。左から2番目が長江実業グループの本社ビル(ロイター)

香港の金融街にそびえる高層ビル。左から2番目が長江実業グループの本社ビル(ロイター)

 【北京=山本勲】香港の最大財閥、長江実業グループ(李嘉誠会長)が“中国離れ、欧州シフト”の動きを加速している。中国各紙によると、同社はこの1カ月余りの間に傘下の大手スーパーや上海、広州両市の不動産など総額約410億香港ドル(約5240億円)相当の資産売却を相次いで決め、並行して英国、オーストリアなどでのエネルギー、インフラ関連事業への投資を急拡大している。

 李会長が売却を決めたスーパー、「百佳超市」は香港、マカオ、中国本土に約300店を有する。長江グループの有力部門だったが香港、中国の不動産高騰による出店難や収益率の低下が響いたとみられる。

 上海、広州の物件はいずれもオフィスビルで、合計約80億香港ドル(約1020億円)の売却収入を予定している。

 一方、同グループは、欧州債務危機を受け、2012年以降に欧州での事業拡大を加速している。(1)オーストリアでの第3世代移動通信システム会社買収(2)英国天然ガス供給会社、WWUを買収し、同国ガス市場の3割を押さえる-などで、中国圏以外で総額約1900億香港ドル(約2兆4320億円)を投じている。

 李会長はこの半世紀余り香港不動産市場で、相場の急落時に買い、急騰後に売る“逆張り”商法で巨利を得てきた。対中投資でも1989年の天安門事件後に投資を急拡大し、大成功している。その李会長が中国圏離れを加速していることに、中国各界も心穏やかではいられない。バブル崩壊懸念が高まる中国では、メディアが連日、李会長を巡る話題を報じている。

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