
企業経営の中では、いろいろなレベルでの複雑な意志決定問題を解決するための技法が要求され、それを支援する強力な情報システムの構築が必要になっています。このような状況に応ずるために、経営工学科では、幅広い知識を総合化し、種々の計画技法、管理技法を提案し、運用する能力を身につけた専門的技術者を養成します。大学院システム工学専攻経営系では、学科で履修した科目を基礎にして、さらに高度の知識、技術を教授するとともに、この分野で活動する研究者を育てます。

経営工学科、システム工学専攻経営系では、金融を含む経営、生産、人間に関する情報を、数理的モデルを駆使して解析するとともに、新しいモデルを開発しています。また、いろいろな対象に通用する汎用モデルの研究、開発も行っています。
経営情報 ―Management―
企業経営はインターネットを中心に大きく変わろうとしています。経営工学的能力は、この変革期に主導権を握るのに必要とされるものです。例えば金融工学では資金のリスクを軽減する方法を数学的に研究し、コンピュータ上に実現します。これらを学んだ卒業生は銀行、金融関連情報産業などで大活躍しています。
生産システム ―Manufacturing Engineering―
現在の企業には限られた人や生産設備を用い、高い効率で多品種の製品を生産することが求められています。そのための基本は、原材料から製品が生産される流れや、生産に携わる人の動きなどを合理的にデザインすることにあります。この科目群では、生産にかかわる情報技術や数理的技法などを活用し、これらの目的を達成する方法について学びます。
人間情報 ―Human Science―
人の運動や感覚さらには高次情報処理の特性を調べて、肉体的作業からコンピュータシステムを用いた作業に至るまで、人間の特性になじみ、また人の特性を生かしたシステムを探ろうとしています。例えば使う人にやさしい情報処理、高齢者にやさしい音の環境、ヒューマンエラーを招きにくい道具など、人間情報科目群で扱う内容は多岐に及んでいます。
数理技法 ―Mathematics―
実際の問題を、記号や数値を用いて抽象的に表していくと、「ある関数の値を小さくする方が良い」などのように、同じような型の問題が色々な場合に生じてくる。そこで代表的な場合を抽象的に表した数理的なモデルを作成して、それらに対する解析方法を考えておけば、多くの実際的な問題に適応できます。
ソフトウェア設計/情報処理技法 ―Software Engineering/Information Processing―
コンピュータの処理速度の向上で、人間の情報処理にヒントを得た技法が実用に供されるようになりました。その一方で、肥大化するソフトウェアの開発時における工程管理や、完成したソフトウェアの品質が大きな問題となっています。これらの科目群では、さまざまな情報処理の技術とともに、開発時の工程管理技術やソフトウェアの信頼性評価技術などについて学びます。
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