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(7時間26分前に更新) |
【東京】自民党青年局(小泉進次郎青年局長)は9日から3泊4日の日程で台湾を訪問し、日台漁業協定について、台湾の与野党立法委員と意見交換した。同行した国場幸之助衆院議員は、沖縄の漁業者から操業の安全と権益が守られないとの声があることを指摘。国場氏によると、台湾国民党の立法委員で台日議連の李鴻釣会長は「われわれとしてもルール策定に協力する。協定も中身を精査し、見直しも約束する」と述べたという。
10日にあった台湾側との意見交換で、国場氏は沖縄の漁業関係者の声を代弁した上で「操業ルールが確立していない。この協定が両国にとっての外交的勝利というのは、沖縄の厳しい実態を踏まえていない空論だ」と発言。
それに対し、李会長は「沖縄の意見は真摯(しんし)に受け止めないといけない。私たちも台湾の漁業関係者に対して、ルールの確立を求める。見直しすることは約束する」と述べたという。
国場氏は帰国後の13日に沖縄タイムスの取材に応じ、李会長が協定見直しに前向きな発言をしたことについて「沖縄に理解を示したことは評価できる。12日には漁船の事故も起きた。まずは、ルールづくりを急ぐ必要がある」と述べ、政府や党本部に協力を求める方針を示した。
また、青年局国際部長の松本洋平衆院議員は「国同士の成果はあったが、沖縄に不安な声があるのも事実。台湾の議員からは、沖縄のことをよく理解し、見直しも含め対応しますという話だった」と説明した。
青年局は、党唯一の台湾との窓口機関。台湾訪問には、国会議員33人のほか地方議員ら計約100人が同行した。
一方、県漁業協同組合連合会の國吉眞孝会長は「本当なら大歓迎だが、発言の趣旨が間違ってはないか」と疑問視。日台漁業委員会で台湾側は与那国島南方の水域でも操業できるよう協定の適用水域を拡大するよう主張していたと指摘し、見直しの真意は「台湾が主張している水域に拡大していきたいということだろう。日本の顔を立てるために言ったのではないか」といぶかった。