クローズアップ2013:秘密保護法案 「定義」、行政裁量で 外部チェックのすべなく
2013年09月14日
安倍晋三首相は国家安全保障会議(日本版NSC)の設置に意欲を示しており、政府は同法案とNSC設置法案の同時成立を目指している。NSCは米国などと機密情報のやり取りをする必要があり、政府高官は「秘密保護の仕組みがなければ外国の情報を入手できない」と語る。同時成立を図るため、政府は、衆参両院で連日の審議が可能な特別委員会の設置も検討したが、自民党は「連日、秘密保護法案の審議に時間が割かれ、紛糾材料になりかねない」(国対幹部)と後ろ向きだ。
また、両法案の担当は菅義偉官房長官だったが、秘密法案の審議が遅れればNSC設置法案の審議にも影響が出かねないことから、政府は秘密法案の担当を森雅子少子化担当相に差し替えた。NSC法案の審議を優先させたとみられ、政府は秘密法案の臨時国会での成立にこだわっていないとの臆測も出ている。
公明党は、政府が不手際を謝罪したことを受け、12日に法案検討プロジェクトチーム(座長・大口善徳衆院議員)を設置した。ただ、党内には「知る権利の尊重規定があっても本当に担保できるのか」との疑問があり、慎重に対応する構えだ。【小山由宇】