新日本プロレス29日の神戸ワールド記念ホール大会でプリンス・デヴィット(32)との一騎打ちに臨む棚橋弘至(36)が、“黒い化身”の降臨を示唆した。メキシコ遠征で完全復活を果たし帰国した棚橋は、天敵・デヴィットへの制裁に本腰を入れ始めた。約2年ぶりとなるルード(悪党)殺法解禁も辞さない覚悟で、IWGPヘビー級王座次期挑戦権獲得を狙う。
今夏のG1クライマックスで準優勝に終わった棚橋は、8月21日から9月8日までメキシコCMLL遠征を敢行。メヒコ版G1とも呼ぶべきトーナメント「カンペニオン・ウニベルサル」制覇を手土産に帰国した。棚橋は「王者の中の王者ですよ。ついに宇宙一と認定されたんでね。失いかけていた自信を取り戻してきましたよ。ハハッ」と、小学生並みに大げさな称号にも無邪気に胸を張った。
神戸決戦に向けても追い風となることは間違いない。デヴィットには目下2連敗中で、とりわけ極悪外国人軍団「バレットクラブ」の介入に苦しめられている。だが棚橋は「要するに俺が圧倒的に強ければいい話。目には目を、歯には歯を、ヒールにはヒールを、ですよ」と不敵な笑みを浮かべた。メキシコ遠征時の棚橋は顔におどろおどろしいペイントを施し、ルードに徹している。悪のデヴィットに対抗するべく、今回は自身も悪に染まるつもりだろう。
CMLLとの合同興行を除き、国内で“黒い棚橋”が降臨したのは、2011年11月にベルト泥棒を繰り返していた矢野通とのIWGP戦のみ。当時棚橋が打ち立てた連続防衛記録V11で、唯一ギブアップを収めた試合でもある。デヴィットに制裁を加えるために、2年ぶりにルードに変身する可能性は十分ある。
12日の新潟・新発田大会ではデヴィットと激しい場外戦を展開。デヴィットは神戸での試合を次期IWGP挑戦者決定戦とすることを要求しているが、王座返り咲きを目指している棚橋も「賭けるものはデカイ方がいい」と豪語。天敵への雪辱から頂点取りの青写真は譲れない。
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