「東京五輪決定」の背後であがる「フクシマ」の悲痛な叫び
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東日本大震災から9月11日で2年半。
「復興は順調に進んでいる」
と胸を張る安倍晋三首相の足下で、日本の国際的信用を揺るがす事態が進んでいる。東京電力福島第1原子力発電所からの放射能汚染水漏洩。そこに繰り広げられるのは、震災前と変わらぬ昔ながらの日本的風景である。
増幅する地元の不信感
「いつまで、こんな嘘をつき続けるつもりなのかね。いずれバレるに決まってるのに」
2020年夏季五輪の開催地を決める国際オリンピック委員会(IOC)。9月7日、アルゼンチンのブエノスアイレスで開かれた総会に向けて、安倍晋三首相が送ったメッセージを聞き、福島県のある財界人は苦り切った顔でつぶやいた。
漏れ出た放射能汚染水を危惧するIOC委員たちを説得するのに、首相は、
「汚染水の状況はコントロールできている。東京には何のダメージもない」
と勇ましく言い切った。しかし、福島第1原発では今も毎日300トンの汚染水が海に流れ出ていて、東電の発表だけでも「コントロール下にある」とは到底思えない。地元では、この状態は2年半前から続いていたといううわさがもっぱらなのだ。
「原発は地下水の流れる崖をわざわざ削って、その下に建てたのだから、大量の水が押し寄せてくるのは当たり前。昔は、この水も海に流せば放射能は消えてなくなるなんて乱暴なことを言ってたもんだ。だから、こんなにひどい汚染になるとは全く思わなかったよ」
原発建設当時の地形を記憶している地元原発立地自治体、大熊町の農家の老人は言う。
今年2月に退任するまで、やはり立地自治体である双葉町の町長を務めていた井戸川克隆氏は、町長になる前は水道工事の事業を営んでいた。発電所内の様子もよく知っている。
「敷地内の配管などから推測すると、漏れている汚染水の量は桁が2つくらい多いのではないか。下手をすると日量1万トンになっているかもしれない」
真相は分からない。分からないことで地元の不信感は増幅する。原発のどこに穴が開いているのか、どこで地下水が汚染されているのか、原子炉建屋内部は放射線量が高すぎて近づけず、実情は不明だ。それでも首相は「安全だ」と言い放つ。政府や東電が分かっていることも、地域住民に対しては隠される。汚染水漏洩の事実が公表されたのは、7月の参院選直後。
「東電も政治家も全く信じられない。これが民主主義の国なのか」(南相馬市・桜井勝延市長)
「嘘も方便」のほころび
旧皇族の末裔である竹田恆和東京五輪招致委員会理事長 は、IOC委員への手紙の中で、
〈福島からは250㎞も離れているから東京は安全だ〉
と言った。
「汚れた福島の存在は東京には迷惑だと言わんばかりだ」(井戸川氏)
福島の住民はいっせいに反発した。住民の心理の中では、東京との距離は250キロメートルよりはるかに遠くなった。
「東京に電気を送り続けてきたのが福島原発なのだから、主客は逆のはずでしょう。猪瀬直樹都知事はオリンピックに浮かれていないで、ご迷惑をかけましたと真っ先に挨拶に来るべきだ」
と前出の財界人は言う。
首相の失言はさらに重大だ。外面を保つために、福島に向かってついてはならない嘘をついてしまったからだ。「嘘も方便」は日本的2重基準政治のお家芸だが、深刻な犠牲に苦しむ福島に限って、「原発は絶対安全」という嘘だけは許されない。
首相の失言は、福島人の忍耐強さをいいことに、どさくさにまぎれ「原発事故は過去のできごと」として、歴史の闇の中に押し込めようとするものだ。
だが、このもくろみは、破綻した。
「我々は忘れ去られるのではないか」
という住民の不安に、逆に火をつけてしまったのだ。
おまえらは犠牲に甘んじろ、と露骨に本音を言ってしまっては、2枚舌は効き目がなくなる。今もなお15万人近い人々が自宅に戻れず避難生活を続ける福島で、「絶対安全」の嘘の上塗りは致命的だった。住民の不信感はぬぐいがたいものになった。
険しくなる「住民の心」
放射能汚染だけではない。福島の犠牲は今もどんどん拡大している。
「仮設住宅では老人の認知症が急増しています。亡くなってしまう方も多い。私は、これは一種の殺人だと思いますよ」(浪江町商工会・原田雄一会長)
双葉町に隣接する浪江町は、二本松市に仮の役場を設けている。町長の馬場有氏も原田氏も避難生活者。
「もう3.11前の町には戻れないが、せめて墓参りに、という町民のために最低限のインフラだけは整えないと」(馬場町長)
「孫の代あたりに町が復興するといいのだが……」(原田会長)
放っておけば消えてゆく町。若者は町を出て行ってしまう。残るのは、故郷への愛着を捨てられない老人ばかり。それでもいい、と必死に町のアイデンティティを維持すべくもがく彼らのけなげな気持ちの張りが、首相の心ない言葉によってぷっつり切れてしまうのではないかと胸が痛む。
今、福島が求めているのは勇ましい言葉ではない。この残酷な人災の被災者に寄り添う誠実な言葉なのだ。
それなのに、である。
「原発事故で死んだ人間はいない、などと言った自民党役員もいたな」(原田会長)
原田会長も馬場町長も、前回会ったときより言葉や顔つきが鋭くなっていた。限界状況の生活。そこに容赦なく襲いかかる汚染水。生来穏やかだった福島の民の心が険しくなっていく。
放射能を避けるために母親と子どもたちを県外に避難させ、父親が老人と仮設住宅や借り上げ住宅に暮らす人は多い。
「そろそろ孫と暮らしたいな」
「いやです。福島には怖くて帰れません」
こんな会話の末に崩壊していく家庭は珍しくない。
「子を連れて西へ西へと逃げてゆく 愚かな母と言うならば言え 」
原発被災者の立場を詠んだ女流歌人の俵万智さんは、そのあまりに颯爽とした姿勢ゆえに、下を向いて毎日を絶え続けている福島の母親たちの間では評判が良くない。
「独善」の凍土壁
福島には暗い風景がいたるところに埋め込まれている。日本の政治はその現実にあまりに鈍感だった。飴をしゃぶらせ、脅し、黙らせる。かつて立地地域で展開された原発行政の手法がまだ通用すると、政府と東電は考えていたのかもしれない。
おそらくその慢心が、汚染水処理の方策を誤らせたのだろう。2年半もの間、政府は汚染水処理に無策だった。だが、住民は黙らせられても汚染水は黙っていなかった。
毎日あふれ出る水。それが限界にきたためか、それともやはりIOC向けに外面を取り繕おうとしたのかはわからないが、政府は突然、9月になって汚染水対策を発表した。原発の周囲を土を凍らせた壁で囲み、汚染水を封じ込めるという。
この工法には膨大な資金と電力が必要だ。専門家によると、これまでトンネル工事などに短期間使われたことはあるが、長期間使用した実績はない。当面の封じ込めには役に立つとしても、溶け落ちた燃料棒を回収するという気の遠くなるような長期戦が予想される原発事故処理には、いつまで効果があるのかきわめて疑問という。では、どうすればいいのか。
土木の世界には「土木学会」というユニークな組織がある。学会とはいうものの、学者だけではなくゼネコンや建築業界、行政機関の技術者を集める集団だ。その会長経験者らが、9月3日、急遽、汚染水対策を協議するために集まった。
驚いたことにこの会合では、凍土壁工法の採用にあたり、政府から土木学会のそうそうたる専門家に何らの諮問も相談もなかったという事実が判明した。ある著名な土木工学の教授は、
「土木屋なんて原子力ムラの連中にとっては下僕みたいなもんですよ」
と自嘲気味に告白する。事情は大事故の前と何も変わっていない。むしろ原子力ムラの秘密主義と権威主義はここに極まった。独善の凍土壁は失敗して、福島原発事故と同様に自らの首を絞めるのだろうか。
唯一の基準は……
汚染水対策が長期戦になると、とんでもない事態が起きるかもしれない。4、5年先になっても汚染水があふれ出ていれば、首相の嘘は世界中にばれてしまう。オリンピックへの選手派遣を取りやめる国が続出するようなこともありえないことではない。それどころか、福島、さらには日本再生の前途に赤信号がともりかねないのだ。
振り返れば日本政府は、この2年半、ずっと噓をつき続けてきた。とりわけ事故後間もない2011年9月に原子力損害賠償支援機構を設立して東電救済に乗り出し、さらに同年 12月、当時の野田佳彦首相が、なんと「事故収束」を宣言した。汚染水に右往左往する今となっては悪い冗談でしかないが、これがその後の原発事故処理の方向を決めた決定的な転換点だった。
東電の再建方針や事故の収束宣言には科学的、合理的な根拠があったわけではない。それが住民の幸福を保証すると政府が考えたわけでもない。これらの政策の基準は唯一、事故処理と復興に伴う財政支出の抑制、そして原子力ムラの延命であった。
未曾有の大惨事に直面して、日本の政治はその程度のことしか考えられなかったのだ。 汚染水処理の危機的状況は、これらの方針がすでに破綻したことを物語る。同時にこの事態の下で浮き彫りになったのが、この間、福島の住民が味わった塗炭の苦しみである。
政府は、事故が収束しているという虚構の前提をもとに、避難民には無理矢理もとの市町村への帰還を促してきた。被災者への賠償や地域の除染のやり方も帰還が大前提だ。
しかし、帰還しようとしても昔の暮らしが戻るわけではない。被災で失った住宅や資産を、東電や仲裁機関の厳しい査定をくぐって賠償させるのは至難だ。仕事はなくなり、慰謝料を食いつぶしていく日々。
放射線量を基準に決めた将来の帰還の難易度予想によって、各被災自治体は2つか3つの区域に分割された。後にそれが、国にとって補償額を切り詰める最も効率的な方法であることが分かる。
道路1本はさんで隣同士が帰還時期の違う区域に組み入れられたりする事態があちこちで頻発した。そうなると賠償金の額や生活保証の中身が大きく異なってくる。100年の昔からのお隣さんが互いの懐を探り合い、気まずくなっていがみあう。東電や国が最もきらう地域の団結はすでに望むべくもない。
住民たちは子どもの将来を考えて帰還に二の足を踏み、一方で明日の生活を考えて目先の補償の誘惑と闘う。共同体はずたずた。精神的な疲労が蓄積していく。県外に逃げた自主避難者は、こうした補償対象からもはずされ、見捨てられた。
国家財政の制約
南相馬市で住民の東電に対する賠償交渉の支援などを行なっている若杉裕二弁護士によると、東電や仲裁機関の背後で政府が被災者支援の財布のひもを締め続けている現状では、賠償交渉は多くの場合、被災者の譲歩に終わらざるをえないのだという。
帰還するのかしないのか、これからどんな生活を望むのか――。
本来、最優先すべき被災住民の意思や希望を無視して、政府は金のかからぬ「復興」を目指してきたのである。
浪江町の馬場町長によると、事故直後に政府が全町をまるごと移転する構想を持ちかけてきたことがあったという。ダム建設などで使われることのある手法だ。政府がたった1度だけ、住民の側にたった瞬間だった。
これが実現すれば、今日進む地域や住民家庭の分裂による悲劇はなく、汚染水の地域へのショックもかなり小さなものになっていただろうが、その代わりダムなどに比べても膨大な財政負担が発生したに違いない。実際、この構想はたちまち消え去り、2度と復活することはなかった。
こうして、福島は財政危機の中で、オリンピックの狂乱と喧噪に埋もれていこうとしている。被災者支援や汚染水処理に回す金はなくても、オリンピック競技場は建つことになった。
今、福島の建設業は途方にくれている。昨年あたりから人手も資材も金も不足し、どの復興事業も満足に進んでいないのに、東京では圧倒的な勢いで大規模建設プロジェクトが始まることになった。もはや、この見捨てられた町や村の声は、誰にも届かない。
福島の現実に目をむけてほしい――。
住民の悲痛な思いを、汚染水の反乱が代弁しているのだとすれば、あまりにも悲しい。
執筆者:吉野源太郎
1943年生れ。東京大学文学部卒。67年日本経済新聞社入社。日経ビジネス副編集長、日経流通新聞編集長、編集局次長などを経て95年より論説委員。2006年3月より現職。デフレ経済の到来や道路公団改革の不充分さなどを的確に予言・指摘してきた。『西武事件』(日本経済新聞社)など著書多数。
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本当に復興のためのオリンピックなのか?
汚染水の封じ込めもままならない状況では、福島の復興には何十年もかかるでしょう。長期戦を覚悟するならば、「急がば回れ」という感覚で資金集めに走るのも一つの選択です。なので、オリンピック招致が悪いとは言いません。
ですが、本当に復興のためのオリンピックなのでしょうか? 招致活動の際にはそのように主張が目立っていましたが、「福島は遠いから東京は安全」と肝心の復興現場を冷徹に切り捨てる姿勢とは矛盾します。また、収拾の見込みがないのに「汚染水の状況はコントロールできている」と断言した後で更なる汚染が発覚すれば、風評被害はむしろ大きくなります。北京オリンピックのせいで北京の大気汚染が世界的に有名になったのと同じです。
それに、現地の建築業には人手も資材も金も不足しているそうですが、東京オリンピックで需要が増えるならば人手や資材が値上がりします。予算が変わらなければその分事業が少なくなります。
現地の人々が「招致のネタに福島復興を使われた挙句、オリンピックのせいで復興が遅れる」と思うのも、無理はありません。現地の雰囲気がよく伝わってきます。
ただ、本当に、オリンピックか福島かという二律背反の状況なのでしょうか?
私は関西在住ですが、建設業界は東北支援で結構忙しいという状況のようでして、
それでも進まないとは、よほど建設業界が活気づかないと東北復興は難しいほど
甚大な災害だったのではないかと感じています。東京のインフラ整備と東北復興が両立するような形で進めばいいなと思っています。
神戸のときは範囲が狭かったこともあって早めに復興できたのでしょうが、
それでも往時のことを知る人によるとまだ完全ではないらしいです。東北の方は一刻も早くという思いでしょうが、少し長いスパンでじっくりと
よい形に復興していくしかないのではと思います。
これからも地震・津波が来る可能性の高いなかでは、相当に考え抜いた復興が
必要なのではないでしょうか。今回の災害は、原発もそうですが、普通の災害の復興とは異なった
長いスパンでの復興の取り組みが必要かと思います。私はオリンピックと東北復興が、WIN-WIN関係になればと思います。
安倍首相の大見栄は、いろいろ意見はあるかと思いますが、前向きにとらえて
決意通りに進むよう、注視していくべきものではないかと考えます。野田前総理は事故を起こした原発の行く未が定かでない状態のまま早々に「収束宣言」を出してしまった。それに批判的だった安陪総理は、五輪決定の国際舞台において、「原発は完全にコントロールされている」と公言した。似たような二人の総理の姿である。
これらが現実に目を背けた不誠実な発言であることは誰の目にも明らかだ。
無難な東京開催に心が傾いていたIOC委員にとっては、安陪総理のこの発言は渡りに船、委員としての肩の荷が大いに軽くなったに違いない。安陪総理の発言は、オリンピックの無難開催という委員の責任を軽減し、肩代わりしてくれたのだから、大いに感謝されているに違いない。
原発被災地にとっては、安陪総理がこの機にこの言葉とおり国の責任で原発対策に本腰を入れてくれることになれば、文句はない。安陪総理にこのような発言の機会を提供してくれたIOCには感謝するばかりである。
しかし、見たくないものからは目を背け、見たいものだけしか見ない政治家が、東京開催のためには今後も自己に都合のいい虚言を発しないという保障はない、ということを心しておくべきだろう。
安陪総理の発言で心配なことは、東京オリンピックの無事開催に向けてオールジャパンで取り組もうという空気が原発対策や震災復興よりも優先して語られるようになることである。
極端に言えば、原発や震災問題は早くかたをつけて、東京オリンピック一途に進もうということ、つまり原発対応や震災対策が形骸化し、風化してしまうことである。さらに言えば、五輪誘致決定後は原発対応や震災復興という言葉がいつの間にか軽くなり、影が薄くなってしまうことである。
安陪総理の今回の発言が、こうしたことに拍車をかけ、さらには原発事故早期収束の演出(見せかけの安全宣言、収束宣言)を誘惑するようなことにならないことを祈るばかりである。
オリンピック開催を取り上げる報道では、必ず福島の汚染水問題や被災者支援にも触れるようにして、後には引けない状態に政府を追い込んでもらいたいですね。
竹田恆和氏を「旧皇族の末裔」と説明することに何か意図はあるのでしょうか?
さすがフォーサイトそして吉野源太郎氏とも言うべき記事ですね。
また、山本太郎氏の下半身スキャンダルしか追っかけない週刊誌と
同系列のウェブ雑誌とも思えない秀逸な記事に拍手を送ります。改めて、購読料で読者がジャーナリズムを支えることと
ウェブ雑誌ならではの迅速性を考えさえせられました。これからも応援します。
我々定期購読者も骨のあるジャーナリズムを支えていきますので
互いに頑張っていきましょう。「フクシマについて、お案じの向きには、私から保証をいたします。状況は、統御されています。東京には、いかなる悪影響にしろ、これまで及ぼしたことはなく、今後とも、及ぼすことはありません」というIOC総会での首相の発言には、これまで統御されたことなどなかったことに対して「保証」などという言葉を用いた無責任さと、福島がどうなっても東京に及ぼさなければ大きな問題ではないという薄情さを感じてしまった。
IOC委員に保証する前に、福島の方々に保証するべきではないのか。「汚染水問題も含めて、これ以上原発の問題を拡大させないことを保証します。だから過去を乗り越えて復興への道を共に歩みましょう」と。
それにしても、首相のスピーチを読むにつれ、一国の首相レベルであってもIOC委員の前には卑屈と言えるような態度をとらなければならないのかと情けなさを感じる。オリンピックをビジネスとしてみたとき、胴元であるIOCは絶対に損をしないシステムになっているはずだ。そうなると、日本としてはどれだけ無駄な損失を回避するかという視点で準備に当たらなければならない。ここらの事情について深く掘り下げた記事を見かけることはほとんどない。
マクロ経済に良い影響があれば最終的にみんなが得をするという意見をよく見かけるが、その命題が真であるためにはいくつもの前提が必要であろう。そのひとつに再分配システムがどれだけ有効かつ効率的に機能しているか。ここを軽視すると貧富差拡大が急速に進む恐れがある。消費税を活用するのか?しかし、消費税増税はプライマリーバランスの改善のためであると「マスコミはみんな言っている」。そしてプライマリーバランスが改善されたからと言って自動的に再分配システムが改善するとも断言できない。
個人的には、決まった以上は東京オリンピックを大いに盛り上げたい。当日の会場がガラガラだと選手も悲しいだろうから、客でいっぱいにするために皆で計画的に有給をとれるように政府から指導してください(笑)。ただ、終わった後のことのよくよく考えておかなければ、使い道のない施設を前に呆然とたたずむことになろう。いや、それだけで済めば重畳かもしれない。Artさん
なるほど、みたいものが見えて、見たくないものは見えない、ですか。
反論しますと、私の周囲の人間は、私の意見に同調しているわけではありません。
どちらかというと、話のついでにむこうから口火を切ってきた、というかんじですね。
悲観的になりすぎるのは、確かにいけませんね。
ただ「相当数の国民が喜び」というのは、どこのデータに基づいたお考えですか?私も五輪を契機に復興への動きが進むことを期待したいです。
が、この2年半の政府、東電などの動きをみていて、希望はしても期待は無理、という印象です。
きっと五輪関係でも、復興を意識したうたい文句なりイベントなりがでてくるでしょうが、
今から空々しく感じられます。
オリンピック自体、とおの昔に金満イベントと化しています。
競技者の努力は尊敬に値します。
しかし競技の当事者以外、広告代理店やマスコミ、企業など、五輪を巡ってうごめく人々の胸にあるのは「ザ・金儲け」でありましょう。
それを否定するつもりはありません。
しかし、そこに五輪に何の関係もない、蚊帳の外におかれた弱者を思いやる心がけがあるのかどうか、はなはだ疑問です。gooseさん、人は自分の見たいものが見えて、見たくないものは見えないのでしょうね。恐らくgooseさんの周囲の方はgooseさんのお考えをご存知なので面と向かって反論することは避けて同調するか、あるいはgooseさんと同じような考えの人しか周囲にいないのかもしれません。
ちなみに私は五輪開催決定をごく単純、素直に良かったと思っています。私の周囲ではgooseさんのような意見の人にはお目にかかりませんので、自分も見たいものしか見ていないのかと気をつけなければならないと思いました。五輪が東京で開催されようがされまいが、復興や原発処理が最優先課題であることに変わりはありません。
むしろ、2020年に復興した東北、復興した日本を世界に見せようという目標を掲げた五輪開催が決定されたことにより、筆者が指摘されているような様々な問題への対応も含めて、復興をもっともっと推進しよう、汚染水処理を含めた福島第一原発対策を推進しようという動きが堰を切ったように出てくることを期待したいと思います。この他に五輪開催が決定して良かったことは、相当数の国民が決定を喜び、気持ちが晴れやかになり、日本人として誇りを持ち、2020年に向かって前向きな目標ができたことです。これはお金などの経済尺度では測れない大きな価値があります。
心配される地震対策も、五輪が開催されようがされまいが推進しなければならない大切な課題ですが、五輪開催によって、より強靭な防災・減災対策が早期に実現されることが期待されます。
国は1000兆円もの借金を抱えていますが、それを返済するのにかつかつの生活を甘受するか(=苦しい生活をしている国民にもっと苦しい生活を強いるか)、それともできるだけ稼ぎをふやして返済するか。自分は後者の方が望ましいと思います。
五輪開催により儲かる企業や業界があるという一面もあるのでしょうが、マクロ経済に良い影響を与えるのは明らかです。経済活動が全体として活発になることにより国民の収入は増えますし、同時に税収も確実に増えて財政再建に良い影響をもたらします。さらに、経済全体が成長すれば、「苦しい生活をしている国民」への支援もよりやりやすくなります。
浮かれてばかりいられないというご指摘はごもっともですが、悲観的になりすぎる必要もありません。2020東京五輪開催が決定され、浮かれた顔した連中の浮かれたコメントの報道ばかりでうんざりしてます。
本当に喜んでいる人って、どれくらいいるのでしょう?
私(40代後半)の周りは、上の年代も下の年代も等しく、「そんなことに税金使ってるばあいじゃないだろう!」といってます。
でも、マスコミの報道を見ても読んでも、そんな声はひとつもありません。被災地の復興はな~んにも進んでない、そのうえ汚染水タレ流しの落とし前もついてない、つけようともしない。
そもそも国の赤字って、1兆円くらいになってませんでしたっけ?
オンギャと生まれたばかりの赤ん坊から、お迎えが近そうなお年寄りまで、一人800万円以上の借金を抱えてる国なんですよ、日本は。そして、大きな地震が近い将来、再び起きる可能性、75%でしたっけ、80%でしたっけ?
そんな数字を発表したのと同じ政府、行政の代表たちが、「東京は安全!」と宣言する、
この矛盾。
どこまで浮かれたアタマの連中がこの国を牛耳ってんだかしりませんが、その連中は、国民が苦しい生活をしてようが、自分たちのフトコロが膨らめば、それで幸せなんでしょう。まじめに、誰か教えてほしい。
オリンピックを開催することで、何が良くなるのかを。
一時的な雇用が増えるとか、インフラ整備で土建屋が一時的にもうけるとか、そんな話は聞きたくありません。
あ、もうひとつ。
スポーツで勇気をもらいました!的な与太話もご勘弁ねがいます。もっと見る
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