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天日録 このページをアンテナに追加 RSSフィード

 

田中天の日記
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06年04月13日 木曜日 天下万民、シュール様を讃えよう!

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 その日は仕事の用で大泉学園駅へ。

 河嶋陶一郎さん、速水螺旋人さんらと合流し、レッツお仕事。

 ―15分経過―

 はい、お仕事終わり〜。

 早ッ!

 ま、今日の眼目は別の所にあるわけですし。

 そんなわけでシュールストレミング、始まるよ〜!


 ガラパさん、イケダさん、朝佳さんを加え、総勢6人の不逞の輩が大集合。

 芝生の緑も眩しい公園広場へと向かいます。

 僕らの手には、ビニールシートに食器類、パンにビールにミルクにマッシュポテト。

 なんて素敵な春のピクニックタイム。

 しかし、そんな行楽気分を打ち砕くかのように圧倒的な存在感を放つシュールストレミングの缶詰。いや、敬意を表し「シュール様」とお呼びしましょう。

 まずは同志ハヤミーラ・センジーニィ・ロシアスキー(日本名:速水螺旋人)が、トゲ付きフレイルを振り回しながらシュール様に飛びかかります。

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 「チョワー! チョワッ、チョワッ、クキキー!」

 よくわかりませんが、おろしや国の言葉なのでしょう。

 掛け声こそ派手ですが、振り下ろすトゲトゲ鉄球は空を切るばかり。

 明らかに、缶を開けるのを嫌がってるご様子。

 最初に噴出するガスの洗礼を浴びたくない気持ちは理解できます。

 僕だって嫌です。

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 ビニールシート上のシュール様を遠巻きに見ることしかできない僕たち。

 しかしそのとき、ひとりの勇者が!

 「俺が開けましょう! 犠牲はひとりでいい!」

 ああっ、あなたはイケダさん!

 身を包むビニール合羽は、まるで聖騎士がまとう白銀の鎧のよう……。

 ジャンケンで負けたから開封役を無理矢理押し付けられたわけじゃないんです!

 あくまでも彼は、自分の意志で身を捧げた義人なのです!

 ……と、歴史書には記しておきましょう。

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 ガスの噴出に備え、ビニール袋で缶を包み……いざ!

 バブシュッ!

 軽い破裂音と共に、天高く噴出すシュール汁&瘴気。

 あっ、イケダさんが顔を抑えて転げ回ってます!(マジ)

 あはははは、と笑うのもつかの間。

 風が――――


 ※しばらくお待ちください※


 質量すら感じさせる臭気!

 襲来する羽虫の群れ!

 現場は大混乱です!


 ふー……。

 嗅覚が麻痺してきたのか、なんとか缶詰に近寄れるようになりました。

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 各人の皿の上には、マッシュポテトがこんもりと。

 ふかしたメークインを潰し、牛乳とバター、卵黄を混ぜただけのシンプルなものです。

 シュール様自体が塩辛いとのことなので、塩・胡椒は不使用。

 これでシュール様を繭玉のように包み……。

 わぁ、とっても美味しそう!

 …………。

 ……。

 目配せする6人。

 沈黙。

 そして。

 誰かが尋ねました。

 「本当に食べるの?」

 誰かが答えました。

 「さぁ食べよう。今こそ霊的ステージをシフトさせるとき!」

 ――――喰おう。

 ――――喰うのだ。

 ――――喰って、勝つのだ。

 勝つ? 何に?

 シュールストレミングにか?

 否。

 己に克つのだーっ!

 そんな武人的葛藤と戯れていると、ひょいっといった感じでガラパさんが。

 「腰抜けどもめ! 私が一番槍仕る! ムキャー!」

 な、なんという胆力!

 こうなったら我らも続くぞ、ヴァルハラはすぐそこだ!

 味覚的文化大革命ー!


 あっ……。

 口の中に汚水みたいな芳香と、にゅるにゅるした軟体動物みたいな感触がシャッキリポンと踊り狂ってここはくつろぎ別世界……。

 これって……新鮮っ……。

 こんなヤツに口内を蹂躙されるなんて……!

 くやしい……! でも感じちゃう……わけねぇだろっ!

 いやもう、なんつーか……。

 マッシュポテトが、パンが、ミルクがやたらと美味いです。

 一緒に食べる物すべてが強制的に美味へと変換されていきます。

 これがシュール様の御力っ……!

 俺たちはなんという怪物をこの世に生み出してしまったんだー!

 オイルサーディンみたいな食感を予想していたんですが、全然ちゃいました。

 「ぬるっ」「ぐにゃっ」を掛け合わせて鳥葬にしたような意味不明の感蝕with臭気。

 芳醇。

 濃厚。

 地獄。

 これはすごい。

 「不味いの?」と問われたら、「違う」と答えます。

 「じゃあ美味しいの?」……それも「違う」と答えましょう。

 美味い不味いの領域はブッちぎりで超越しています。

 これは禅ですね、禅。

 不立文字。

 言葉じゃ言い表せない、この気持ち。

 でも伝えたい、貴方に。


 トリップから醒めると、みんなあらかた食い終わって……おや?

 先生、河嶋君が残してまーす。

 お残しは許されないが(昔の)小学校的クオリティ!

 みんなで取り囲み、口々に励まします。

 「早く食べて、校庭でドッジボールしようよ!」

 「大丈夫、食べればなんてことないよ!」

 「食べないと次のステージに上がれないよ?」

 「シュール様の御力で穢れた魂を浄化するんだ!」

 「食べないと死後、裁きにあうのよ!?」

 小学校というより、もはや宗教的イニシエーションの如き様相を呈してまいりました。

 そして……。

 「あっ!」

 「食べた食べた、河嶋さんが食べた!」

 「おめでとう!」

 「おめでとさん!」

 「これで君も僕たちの仲間だ!」

 「たった今、彼は“愚者”から“覚者”へと霊的ジョグレス進化を遂げた!」

 「バンジャーイ! バンジャーイ!」

 ニューエイジ系腐れセミナーも真っ青の感動的な光景です。

 なお、今回の絢爛舞踏章はイケダさんに授与されました。

 彼はシュール汁の直撃を受けながらも開封作業に従事し、更に3尾食べるという偉業を成し遂げた英雄です。

 そんなこんなで、いつのまにやら缶も空。

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 朝佳さんより、「残った液体を御飯にかけたらどうなるのか」という素朴かつ悪夢のような疑問が提出されましたが、それは明らかに人類の食すものではないので却下。

 戦い終わって日が暮れて。

 用意しといたファブリーズを噴霧しまくり、後片付けも終了。

 ごちそうさまでした!

 美味しかった……ような気がするよ!

 そしてあと2缶、か……。


 それにしても貴重な体験でした。

 世界の「食」の奥深さを垣間見た、つーか味わうことができ、喜びでいっぱいです。

 改めて、この素晴らしい食材を提供してくださった安武さんに感謝いたします。

 ありがとう。

 次はキビャックが食いたいな!


 ★学んだこと

 ・発酵食品だけあって、お腹にはとても良い。

 ・開封用に特殊な箱を作るべき。ネットでもそうしてる人が多かった。

 ・臭いの大半は汁が元凶。

 ・開封したらまずは身だけを掬い上げ、汁を切った方がいい。

 ・今度はトマトとタマネギも用意しよう。

 ・あと牛乳はたっぷり。

 ・次はシュール丼……?


 なお、「シュール様を食べたい!」というシグルイな勇者は以下のサイトを参照だ!

 ・川口貿易

 ・Duva&Lulea

 君もシュール様の御力で、霊的真理に到達しよう!

ときめきごーきときめきごーき 2006/04/13 18:31 強風の日だったら異臭騒ぎに発展しそうですなあ、天さんのことですから残り二つの食べ方はだんだんエスカレートしていくと信じています!(澄んだ瞳で)

鵺 2006/04/13 19:13 食べ物の記事でこう書き込むのもなんだとは思いますがまずはお疲れ様と言わせて頂きます、それにしてもたった15分で終わせられる仕事ってどんなんですか?
それにしてもこのような試練をしなければ覚者や勇者になれないのなら・・・私は愚者のままで十分です(本当の事を言えば若干興味はありますが・・・)

MAXMAX 2006/04/13 19:15 どうも。
スウェデン人の少年(セバスチャンといいます)から聞いてきましたよ。
彼から聞いたところによるとスウェーデンでは、マッシュポテトは食べないそうです。
そもそも主食のジャガイモは、小ぶりのものしかなく皮付きをそのまま食べるそうです。
シュールストリーミングも天さん達が食べたような準備はなく。
普通にただのおかずとして食卓に並ぶそうです。
で、このシュールストリーミングはハロウィンの“トリックオアトリード”でトリックを選ぶと郵便受けの中に入れていく子供がいるそうです。

あと、メイポールですがこれは春の祭りではなく夏祭りの間違いでした。
スウエーデンでは白夜のころに行われるそうです。
春にやるのはイギリスの方でした。
スミマセン

功誌朗功誌朗 2006/04/13 19:17 ああっ!?ホントに食したのですね(汗
そして次はシュール丼とわ。
流石はジョグレス進化したパイルドラ天さま。最早無敵ですね。
でも、せっかくの公園が地獄絵図にならないよう、今度は天さまハウスで開封するに違いない!(ぇー

tentanatentana 2006/04/13 20:12 >ときめきごーきさん:はっはっは、ならば君が自分でエスカレートした食い方を示したまえ!(未開封の缶を投げつけつつ)
>鵺さん:シュール様を経験しないのは損ですよ、損! さぁ早く注文なさい! 覚醒せよ!
>MAXさん:これがただのおかず!? すごいぞセバス。郵便受けの中に入れるのは立派なテロですね!
>功誌朗さん:ホントも何も、そこに食い物があるんだからそりゃ食べるさぁ! それはそうと家で開けてたまるか

ICARUSICARUS 2006/04/13 20:47 シグルイというか、むしろ人体練成にも匹敵する禁忌の所業、お疲れ様でした。

MAXMAX 2006/04/13 21:25 一応で断っておきますが、開けるのは当然外ですし、お祭りは屋外で行われます。
食卓に登る際には、汁を切って器にもって出すとのこと。
ですが、隔離卓ということは無く他の料理と共に並べられるそうです。
あと、セバスチャンはシュールストレミングは食べられないそうですが納豆は平気で食べてます。

ArashiArashi 2006/04/13 22:57 ジュル(涎を啜る音

熊道楽熊道楽 2006/04/13 23:31 食べたい!食べたいよ母さん!!俺シュールストレミング食べたいんだっ!!
キビャックは塗るタイプの瓶詰めも売ってるそうです…何に塗るって?パンとかじゃないッスかね?

東十字東十字 2006/04/14 01:07 ああぁ……。(悲痛な表情で祈りをささげ。)
超えてしまったのですね……その一線を……………。
踏み越えたら最後、後にも先にも地獄だというのに…。(ほろり)

NN 2006/04/14 01:16 お久しぶりです。
しかし、スゥエーデンの方々は凄いですねぇ、こんなのが食卓に上がるんだ…。
私にはとても出来そうにありません。

CEFCEF 2006/04/14 10:26 お疲れ様です。
皆さんのご活躍は、「シシュールストレミングに集いし、大泉学園駅の6英雄」と後世まで語り継がれることでしょう。
それにしても、棘付きフレイルで缶を開けるんですね。
お母さん・・・。東京は怖いところです・・・。

yukiyuki 2006/04/14 18:03 現地人でさえ食べられぬものを食すとは・・・・・・軍神じゃー!その武功は後世まで長く語り継がれることとなるでしょう。

じいやじいや 2006/04/14 20:26 シュール様の伝説を聞くと瞬殺無音 化学兵器戦術神風を連想してしまった。おぉ、なんと恐ろしい。

幻星幻星 2006/04/14 23:08  先日読んだ『もやしもん』では、「ビニール袋に入れて、その中で開封する」ってやっていたような気がするのですが(単行本未収録。5月発売の3巻にはいるかな?)。
 しかし大泉学園でやりましたか…東映の撮影所がパニックにならなかったかとちょっぴりドキドキ☆

少年D少年D 2006/04/15 13:01 他のサイトでも食事風景(ていうかサバト(笑))を見て回りましたが、写真で見て防護兵装が他より貧弱に見えてしまうのは気のせいでしょうか…?
で、「残った2缶をどーするか」ですが、「冠婚葬祭で親戚一同に振舞う」「同窓会で元同級生達に振舞う」というのはどないでしょ?(注意:二度と呼ばれなくなる)

星から来た者星から来た者 2006/04/15 23:54 洗面器とかに水を張って、水の中で開けると被害は少ないですじょ?
元の味が味なので、少々水洗いされた程度ではどうという事も無い筈です。(あぁ恐ろしい)

raimonraimon 2006/04/15 23:58 こいつはくせえッー!ゲロ以下のにおいがプンプンするぜッーーーーッ!!
こんな悪臭には出会ったことがねえほどになァーーーーッ
環境で悪臭になっただと?ちがうね!!こいつは生まれついての悪臭だッ!
そんなセリフをデフォルトで叫びたくなりますね(笑)
ついでに今後シュールストレミングを「スト様」と呼ぶことにします。

JMJM 2006/04/16 01:42 へんな質問なんですが、食べ終わった後の汁はどうやって処分されたのでしょうか。中途半端にするとBCテロにもなりかねないかと(笑)

IcthyosaursIcthyosaurs 2006/04/16 02:24 …ぎゃぼー。

なおこなおこ 2006/04/16 19:13 あたしを誘わずに食うなんて・・・。
もう天さんなんか!天さんなんか!

絶対誘わないでください。

tentanatentana 2006/04/16 21:08 >ICARUSさん:体の大部分を「もっていかれた」ため、とりあえずシュールの空き缶に魂を定着させたら弟が激昂、兄死亡。そんな悲劇も起きかねない食物兵器でした!
>MAXさん:ま、納豆は楽勝ですしー(関東人の傲慢)。ではその少年にくさやをぜひ。
>Arashiさん:シュール様を食べた後、その擬音はやがて後悔の涙を拭う音へと変わるだろう。
>熊道楽さん:ええー、キビャックの缶詰ッ!? 探す、探す、探して食います! うはー!(大興奮)
>東十字さん:地獄はこの世にあるのさ! そんな覚悟とともに望めば、火もまた涼し、されどシュールは臭し。
>Nさん:海外から見れば日本の食文化も相当なもんですぜ! 色んな食い物、色んな文化。素晴らしいイッツアスモールワールド。
>CEFさん:じゃ、じゃあ俺ワグナス! もしくはダンターグ!(強い者好き) フレイルのほかにも、日本刀、ショットガン、エクスカリバーと色々取り揃えていました。これが東京のスタイルです!
>yukiさん:平成の東郷元帥と呼んでください! うは、罰当たり!
>じいやさん:左手から音もなく臭気が! 戦術鬼すらも瞬殺可能! 当方にシュール様の用意あり! されど使うと自分も死。
>幻星さん:もやしもんでも開けておりましたか。単行本派なのでしらなんだー。開封法については次は別のを試してみます。あの悲劇を繰り返さぬためにも!
>少年Dさん:防御を固めるなど不要! 攻撃は最大の防御! それを念頭に置いた結果があのザマです。
>星から来た者さん:水張るのは考えましたが装備品的に無理だったのでやめました。それに、最初の開封なんだから派手な方がイイじゃないですか。どうしてみんなそんなに最初から安全策を求めるのかっ!
>raimonさん:世界を巡ったスピードワゴンも、こいつは食ったことないに違いないっす。あーん、(シュール)スト様を食べた!
>JMさん:東洋の秘術により残り汁は虚数空間へと破棄されました。細かいことは考えるでなーい。
>Icthyosaursさん:ぎゃわー!
>なおこさん:ほう、ならば次の1缶、食してみますか? マンガのネタになることうけあい! さぁ! さぁ! べ、別に処分に困ってるわけじゃないんだからねっ!

suo-raimsuo-raim 2006/04/27 15:52 未体験な世界のせいか美味そうな画像のせいか、はたまたこのブログのいつもの狂いッぷりがそうさせるのか、とても楽しそうに見えます。今度はボクも誘ってくださいね☆(600km離れた北国から手を振りつつ)

tentanatentana 2006/04/29 22:08 ……言ったな? よしわかった、今度こっちに来たときに存分に味あわせちゃる


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