「連敗していたし、勝つことが一番! 先もあるし、一戦一戦、戦って、ひとつでも多く勝つことが大事ですね」
全5打席で結果を出した。“八木キラー”ぶりを証明した。一回に四球で歩くと、三回一死では目の覚めるようなライナーで中前へ。五回一死三塁では敬遠気味の四球で鳥谷の適時打を演出した。これで八木とは今季13打数8安打(打率・615)、2本塁打、6打点。試合終盤でも勢いは止まらなかった。
2-2の七回一死二、三塁では2番手右腕・山本哲の低めスライダーに反応し、決勝の中犠飛を放った。さらに1点リードの九回二死二、三塁でも右腕・石山から四球。このときもヤクルトバッテリーは、オール外角を選択する警戒ぶりだった。
和田監督は「状態は決して悪くないし、時期的なところで打順が変わったりするけど、しっかりと対応して、新井本来の打席をみせてくれている」とうなずいた。球団は来季の新外国人候補としてオリックス・李大浩内野手(31)の調査を本格化している。仮に加入となれば、守備位置で重なる。もちろん、タラレバで今はプレーしていないが、打順の柔軟性や、勝負強さをアピールしたことは間違いない。
「きょうみたいなのを、多く続けたい」と新井。チーム得点「459」はリーグ最下位(1位はDeNAの552得点)。この男の仕事は、まだまだ残っている。(阿部 祐亮)
(紙面から)