中日スポーツ、東京中日スポーツのニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 中日スポーツ > プロ野球 > 紙面から一覧 > 記事

ここから本文

【プロ野球】

マー、稲尾超え開幕21連勝 25連勝は世界新

2013年9月14日 紙面から

楽天−オリックス シーズン21連勝の記念ボードを手にする田中=Kスタ宮城で(市川和宏撮影)

写真

◇楽天6−2オリックス

 楽天の田中将大投手(24)は13日のオリックス戦(Kスタ宮城)で2失点完投勝利を挙げ、開幕21連勝をマークし、同一シーズン最多連勝のプロ野球新記録をつくった。稲尾和久(西鉄)が1957年に記録した同一シーズン20連勝を56年ぶりに塗り替えた。ここまで8月9日に開幕16連勝、同16日には昨年8月26日からの連勝を21として、ともにプロ野球記録を更新。連続シーズンでの連勝は25に伸びた。これはメジャーリーグで1936年から37年にかけて24連勝したカール・ハッベル(ジャイアンツ)を超える“世界新”でもある。シーズン21勝は米大リーグ、マリナーズの岩隈久志が楽天時代の2008年にマークした球団タイ記録となった。

     ◇

 連勝記録の「グランドスラム」を完成だ。田中が今季8度目の完投勝利で開幕21連勝を飾り、昨季途中からの連勝も「25」に伸ばした。日本新&世界新のダブル達成。悲願のリーグ制覇に突き進むイヌワシ軍団の絶対エースが、国内外の連勝記録を総ナメした。

 勝っただけでは満足できない。5点リードの7回に1点を失い、ベンチに戻る。田中はタオルで顔を覆った。「打線の援護もあったので、完封しないとダメだった。メチャクチャ悔しかった」。今季一番と言えるほどの落胆を態度で示した。

 しかし、残った結果は文句なしだ。9回は「リリーフ陣を休ませたかった」と志願の続投。チーム事情を理解するエースに、星野監督は「すごいな、ホンマ。それしか言いようがない」と称賛の言葉も思い付かない。

 無敗街道の終着点も見えない。57年の稲尾(西鉄)を上回るシーズン21連勝。無敗の右腕は「ピンとこないです」と首をひねり、「数字は後から付いてくるものなので。僕がブレてはダメ」と続けた。

 カール・ハッベル(ジャイアンツ)が36〜37年にマークした米大リーグ記録の連続シーズン連勝の「24」も超えた。この日はヤンキース、ダイヤモンドバックス、レッドソックスなどメジャー8球団が視察。その前で、また連勝記録を塗り替えてみせた。

 ただ、田中が見据えるのはリーグ制覇だけだ。右肘手術を受けるために米国に帰国したラズナーには「できるなら、優勝の瞬間には戻ってきてほしい」と伝えた。離脱してもチームの一員であることは変わらない。その気遣いに、守護神は肩を震わせた。

 エースとしての役割を果たす右腕は「記録を伸ばすためでなく、日本一になるために投げている。まずはリーグ優勝できるように頑張ります」と声を張り上げた。優勝マジックは12。「その時」は確実に迫っている。 (井上学)

 

この記事を印刷する

PR情報

おすすめサイト

ads by adingo




中日スポーツ 東京中日スポーツ 中日新聞フォトサービス 東京中日スポーツ