先日、台湾人の方から台湾の反応ブログ宛にメッセージを頂きました。

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こんにちは。 台湾人のChiaYangです。 急なもので申し訳ありません。 お願いしたいことがあるのです。 先週、台湾で徴兵兵士死亡事件に抗議デモがありましたね。 その現場で、主催者による演説が、なかなかいい内容なので、 日本語に翻訳してみました。 日本でなかかな報じられていないので、拡散希望なのですが、 助けていただけたらありがたいです。よろしくお願いします。

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ご紹介させて頂きたいと思います。ChiaYang様、ありがとうございます。


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日本語に翻訳してみました。 日本でなかなか報じられていないので拡散希望です。
ご指摘くださった方々、ありがとうございました。    

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【原文】(中国語繁体字) http://www.ettoday.net/news/20130805/251108.htm  

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【関連映像】スピーチ録画(中国語、英語字幕付き) 
http://www.youtube.com/watch?v=w9_70adOqls&feature=youtu.be 

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【関連記事】
http://mainichi.jp/select/news/20130805k0000m030058000c.html
台湾:兵士死亡事件、大規模なデモに【毎日新聞】

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本日私たちは共に新たな歴史を作り上げましょう。

今日の行動は、台湾史上初、政党や有名人主導でなく、国民自身により立ち上げられた自発的な行動です。ここにいる一人ひとりの参加者たちが直接参与し、共に歴史的な瞬間を目撃しました。

本日どういった理由でここに集まってきたかは別にして、最も重要なことは、あなたが立ち上がったということです。あなた自身の思想と価値を守るため、この週末の夜に映画館に行くことを選ばず、自分自身の行動を以て、この国の主であることを証明しました。

現在、我々の政府は、国民のことを人間として見ていないのです。

専ら我々から税金を徴収し、我々の子供を殺し、我々の家を壊し、そしてとんでもないシナリオを作り国民を信じさせようとしています。

次に軍検察も政府の役人から成り立っており、国民の堪忍袋の緒を切れさせてから、「すべて法に従い解決をします。ご指摘ありがとうございます」などと言い出し、さらに国民の忘れっぽさに便乗し、 無茶苦茶な政策を続行してきました。しかしながら、この国の主は、まさに我々なのです。

もしも、一国の政府が国民のことを国の主と見做さず、国民は単なる「民」であり、政府こそが国の「主」であるような態度を取るのであれば、この国家には、「民主」というものがあるのでしょうか。    
もしも、義務兵役に就いていた男性兵士が軍施設で虐待死させられ、最初から最後まで完全に彼の助けを求める叫びを無視したのであれば、この国家には、「人権」というものがまだ存在するのでしょうか。
 
もしも我々の子供が軍施設で虐待されて死亡し、政府と軍が詳しく説明しないのであれば、これから義務兵役に就く子供たちが無事で戻れるかということに確信を持てません。それでも我々国民には恐怖から免れる権利(訳注:自由権)があるのでしょうか。

もしも、この国家に基本的な民主、人権、そして恐怖から免れる権利すらなければ、民主、法治国家と言えるのでしょうか。

 憲法というのは、国家と国民の契約書であることを、皆さん学校の公民の授業で勉強しましたし、総統府のbumblerも学んだと思います。(訳注:英エコノミスト誌政治評論のタイトル「失敗者・馬英九」Ma the bumblerから)

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自由、民主、人権、そして恐怖から免れる生活は、すべての台湾人の基本的な権利です。この国が暴力装置となり、国民との約束を破り、次第に我々の持つべき基本的な権利を侵害し始めようとしていたら、我々は立ち上がって抵抗しようではありませんか。この政府に教訓を与えようではありませか。選挙の票を以て、この政府に警告をしようではありませんか。

「公民1985行動連盟」とは一体どのような人たちなのでしょうか。ここ最近、多くの人が関心を抱いています。たくさんの過激派が急いで私たちに青か緑のレッテルを貼っていますが、実際、私たちは普通の人々に過ぎません。(訳注:泛藍連盟=国民党派、統一派、現在の与党。泛緑連盟=民進党派、独立派、現在の野党)

この舞台の目の前の皆さんと同じく、私たちは普通にビルの中で働いたり生活を営んだりしています。この国には、短慮で近視眼的な考え方を持っている人がたくさんいて、彼らの近視の目には確実に眼鏡が必要です。それだけではなく、彼らは更に色付きメガネをかけています。(訳注:偏見を持っていること)

皆さんにお聞きしたいのは、この場所に色はついていますか?

人権には、色がついてるのですか?

公的な道理には、色がついてるのですか?

最近、すでに他界した法学の先輩林山田教授の作品を見たのですが、彼のすべての著作のカバーは自らデザインしたもので、私は以前あまり見栄えが良くないと思っていました。というのは、黒と白の2色しかなかったからです。その後、私はその意義が理解できました。

「心のなかには2色の色があるべきで、それは黒と白なのです。そのほかは何もありません」  我々の自由、民主、人権に対する価値はそうであるべきで、最後まで貫き通すほかないのです。敵がどんなに黒かろうとも、我々の心にある白さを汚すことはできません。この世がどんなに暗黒であろうとも、その光は、その白さは、己のそばに留まり、そして他の人にへと伝わるのです。

これから私が話すことは、複雑で理解しにくいことかもしれません。しかし今まで一緒にここにいてくださった皆さんには是非とも聞いていただきたいのです。

なぜかたくさんの社会運動に青か緑のレッテルを貼られています。私は非常に不思議に思うのです。実を言うと私は、青や緑のことがよくわからないのです。現状維持派にしろ、独立派にしろ、統一派の人より遥かに多いけれど、独立が実現できたとしても、偉大な理想を抱えている国民がいなければ、どのようにして偉大なる国家作り出すのでしょうか。たとえ独立できたにしても、ただ国民から財産を奪う政府、勝手気ままに振るまう財閥、そして貪欲で欲張り根性な国民で成り立った小さな国に過ぎません。けれど我々は、台湾が理想のユートピアになることを望んでいます。

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私たちはプロの社会運動家ではなく、ただの普通の国民です。ここで申し上げたいのは、この世には「社会運動家」なんかいないということです。この世にいるのは、社会に関心を持ってる人と、持ってない人の二種類の人間だけです。

今、この社会には、自分にとってかけがえのない価値を守るために戦っている人が大勢います。しかし彼らに関心を寄せる人はほとんどいません。

苗栗県大埔郷で四軒の民家が政府に壊されました。政府は当初壊さないと保証していたのにです。苗栗県長が、民衆が台北に抗議活動に来ているときを狙って、姑息にも民家を壊しました。24万元補償すると言ったのに、同額の24万元の強制撤去費が請求されました。これでも正義というものがまだ存在するのでしょうか。

皆さんまだ覚えていますか?ちょうど三年前の本日、大埔のおばあさんが自殺し、民衆の注意を喚起しようとしました。多くの人がそれで抗議しました。彼女のことを忘れるものでしょうか。皆、一緒に叫んでください!

「今日大埔の家は壊された。明日は政府を潰せ!(今天拆大埔,明天拆政府)」

この頃、両岸(中台間の)経済協力枠組協議(ECFA)のサービス貿易協定に皆さん関心を寄せています。あなたが支持にしろ反対にしろ、政府が不透明な密室協定を行い、そして与党の立法委員(国会議員)すらはっきりしていない状態にもかかわらず、国民に押し付けました。これでも正義というものがまだ存在するのでしょうか。

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また、軍事裁判法の改正は今週中に行われるはずで国家の司法体制を変えようとしていますが、馬英九は「どれだけ急いでも法的な順序に沿って行わなければなりません」と言い出した一方、他の事に対しては極めて独断的な判断を行っているようにしか見えないのはなぜでしょう。彼はサービス貿易協定に関して、きちんと順序に沿って行っているのでしょうか。第四原発の鳥かご国民投票は、きちんと順序に沿って行われているのでしょうか?


今日、私たちは政府をたくさん非難したり、馬英九を批判していますが、それは私たちが緑色(民進党支持者)であることを意味しません。 民進党の政治家もたくさん来ていると思いますが、彼らにも警告をしておきます。

3月9日、十数万の国民が反原発デモに参加し、我々のコンセンサスはこんなにも高いレベルに達しています。今、民進党の委員が立法院で問題だらけの国民投票法が通らないように死守していますが、残念なことに、民進党の支持者はやはり少数派です。

昨日蘇貞昌さん(訳注:民進党総裁)と民進党創始者一連の人が、反第四原発の資金調達パーティーを行いました。皆さんにお聞きしたいですが、皆さんは公民1985連盟からお金、交通費、お弁当などをもらっているでしょうか?今日、スタッフを含め、すべての行動は国民自身が自発的に果たしたものです。民進党はもしも本気で我々の価値観や理想を守ろうとしているのなら、世界中の人が味方になって応援するはずです。もし誠心誠意でなく、ただ選挙ばかり考えているのなら、国民は民進党の味方になりません。

今日、この集会にこんなにも多くの方が足を運んで下さり、力とお金を出していることはその一番いい証です。民進党よりも、我々の行動こそが、馬英九政権に恐れを感じさせるのです。皆さんご存知ですか?今この場所にいる人数は、すでに当時紅衫軍(訳注:2008年元陳総統辞任を求めるデモ)を超えているのです。馬英九は恐れを感じなければなりません。

国民はもはや彼の奴隷、家畜ではないのです。今日白い服を着て集まった国民は政党に左右されるのではなく、政党を左右することを望んでいます。先ほど皆さんも見たと思いますが、青でも緑でもない無党派の政治家たちも、立法委員もたくさん来ています。彼らも我々国民の足取りに合わせて歩んで行かなければなりません。たくさんの立法委員が舞台下に来ましたが、私たちは彼らを壇上に上がらせません。彼らは私たちの足取りに合わせて歩くべきであり、それが国民のエネルギーの一番良い証なのです。

本日、平和的に、理性的に終わりを告げたいと思います。私たちはこの行動の最後に、最大の誠意を込めて洪仲丘さん(訳注:今回の事件で虐待死された兵士)の遺族に追悼の意を表し、彼の最後を送りたいと思います。ここにいる皆さんの政府に対する怒りは頂点に達していて、もう我慢できないでしょう。ですが、平和的で理想的である集会の基調は皆さんと1985連盟の約束です。私たちは皆さんに「平和的に理想的に抗議をしましょう」と言いながら、大声で「総統府に押しかけろ」とは言いません。現場にも女性の方、年配の方、そして子供連れの方が来てくださっています。人生初めて抗議活動に参加している方、手を挙げて見せていただけませんか?それほどたくさんの方がはじめてこられているので、彼らに拍手をしましょう。

だからこそ、私たちは彼らを守る義務があるのです。彼らに怪我を負わせて帰らせることはできません。この私たちの信念を皆さんに理解していただきたいです。社会運動はいろんな形式があるのです。皆さんの支持や批判に感謝します。

この場にも、たくさんの社会運動家や組織が来てくださっています。私たちと協力し、理性的に、平和的にこの活動を終わらせましょう。信念を心に刻み、これから先も、いろんな形で一緒に頑張って行きましょう。 すべての社会運動家、団体は、それぞれ方向性が一致していなかろうが、訴えが一致していなかろうが、みんな社会に無関心でなく、自分の信念を貫いているい人なのです。

先ほど言いましたように、大埔事件に関して、正義というものはあるのですか?皆さんの中でどれぐらいの人が立ち上がって来ましたか?

皆さんが立ち上がろうとしなかったから、陳為廷さんと楊儒門さんが民衆の関心を促すため、ペンキをかけたりして、政府に暴徒と位置づけられました。 サービス貿易協議ときたら、正義というものがまだ存在するのでしょうか。どれぐらいの人が立ち上がってきたのでしょう?

皆さんが立ち上がろうとしなかったから、ここ最近立法院で抗議をした大学教授、学生たちが血を流し叫ぶのを我々にニュースで見られ、「社会運動家ってみんな暴力的だ」と言われてしまいました。そして我々はチャンネルを変えたり、テレビを切ったりして、自分の楽しい生活を送っていくのです。しかし私は、テレビで自己利益ではなく社会のために血を流して頑張っている仲間に、心が傷んでいるのです。

あなたも心を痛んでいるのなら、彼たちに勇気をあげてください。この世にも、たくさんの人が彼たちを支えていることを知らせてあげてください。

馬英九のように血の通わない人でなければ、社会に関心を寄せるべきです。しかし、それぞれ投入できるものが違うのです。公平正義のため、仕事、生活そして命も惜しまず頑張っている方に敬意の念を抱きます。  現場にも、私たち1985連盟のスッタフと同じく、ただ普通の国民であり、普通に生活を営んでいます。仕事、生活そして命まで犠牲するようなことはできないけれど、いろんな形で意見をいい、政府に不満を訴えることができるのです。

これから、馬英九が独断専行し、誰もわかってくれないと悶々しく振る舞い続けていくのなら、我々国民で組成した白衫軍が、また立ち上がってきましょう。暴力を振る舞うことではなく、ただ立ち上がってきてください。彼の参加するイベントやセレモニーへ、白い服を着て、今日配った「国民の眼」(大きな目が描かれているチラシ)を持って、嫌がる顔で直視してあげましょう。彼に分からせましょう。人がしてることは天も見ていることを。毎晩彼を眠らせず、彼が我々全国民の敵だということを知らせてやりましょう。

今日一日の全ての活動で、国民のエネルギーが現されました。全ての行動、あなたの頭にまかれているはちまきなどを含む全ての道具は、私たちの仲間がこの間寝る間も惜しで作り出したものです。今日の多くの創意工夫にあふれたビラや映像は、多くの無名の友人たちが提供してくれたものです。あなたたちがいるからこそ、今日十数万人の人が立ち上がったのです。

7月20日の夜に、皆さんにスーパーヒーローのストーリーを語りました。もう一度語りたいと思います。スーパーヒーローです。語りたいのはスーパーマン、バットマンのようなスーパーヒーローです。この社会で、みんなにスーパーヒーローが期待されてます。みんな期待しています。

映画の中のスーパーヒーローは、普段、ごく普通のサラリーマンなり、学生なり、公務員に過ぎません。必要とされるときは、じきに立ち上がってきて、邪悪な敵を倒し、社会を救えたら、手柄を鼻にかけず、拍手も要りません。

たった今新しい情報が届きました。行政院(訳注:内閣)が現在、法律改正の検討をしています。我々の行動が効いたのでしょう。この現場にいる皆さんが、スーパーヒーローです。みなさんのようにデモに参加している方々は、もうすでに二十五万人を超えています。この社会に、まだこれほどスーパーヒーローがいるのなら、私達の国に、救いはきっとあるのでしょう。激怒、失望、公平正義のないこの国において、皆さんの行動が国民社会の力を証明したのです。

今回、活動の発端は、ネットのスレッドから、二日目に39人、そして7月20日に国防部(軍当局)を包囲した三万余人、そして今日の現場、何十万人まで集めてきました。私たちは皆さんのようにごく普通の人々で、情熱傾けて信念を貫いてここまで歩んできました。

合法的に国民の権利を行使し、総統府の前で総統に向かって、厳重に抗議をしています。   総統!嘘をつくな!総統!国民が国の主である! 我々みんな国民社会の一員です。なので、公平性を強調しながら、この活動をやってきました。これからさきは政治家、マスコミではなく、憲法に与えてくれた国民の身分を持つ我々のような、ごく普通の人々こそが、社会の指揮を執るのです。

統治者にとっては、聡明な国民は要りません  統治者にとっては、勇敢な国民も要りません。  しかし、勇敢と知恵のお持ちの台湾人よ、一緒に公平、正義のため立ち上がりましょう!

我々がすべきことは、この信念を社会の隅々まで届けることです。今日で25万、明日50万、さらに百万人が集まると信じています。これから不公平、不正義な事件とが起こるのなら、さだめし、ますます多くのスーパーヒーローが現れ、我々と一緒に立ち上がってくれるでしょう。

私たちはこの活動に取り組んできました。しかし、私たちはフルタイムの社会運動団体ではなく、ただ共通の理想のために各領域から集まってきました人々なのです。ですので、不備な点がいろいろありまして皆さんにお詫びしたいと思います。

 私たちは重要なものではありませんので、私たちに活を入れるよりも、国民である皆さん自身に「がんばれ!」と活を入れてください。

数年前、あるパレードで九把刀(訳注:台湾の名作家)と出会いました。彼の話によると、我々が本当に社会を変えたかどうかは別にして、立ち上がって来れば、もう我々自身を変えたことができました。今日ここに来てくださっている皆さんは、ある程度ご自分も変えられたのでしょう。私たちはこの活動に精一杯取り組んできました。他人はともなく、自分の真摯、良善、勇敢、公平無私の精神で自分を感動させたのです。    国民がいったい勝てるのでしょうか。

我々は勝とうではありませんか!活動の終わりが、忘れられることを意味していません。真摯の気持ちを持って、仲丘さんを送って行きましょう。そしたら、より良い社会を作るために、真相究明のために、頑張って行きましょう。

今、政府が真相究明をせず、この世を暗闇の中に追い込みました。

皆さんにお願いします。携帯とか懐中電灯とかを持って、挙げてください。 ほら、周りを見てみましょう。光です。皆さんが光です。政府が暗闇をくれるのなら、我々国民が自らこの国を照らしていくのです。必ずしも真相を究明しましょう!  

訳者:Yeh ChiaYang、う きき